毎年、年末が近づいてくると「今年の大晦日、どう過ごそうかな」とちょっとそわそわしませんか?
子どもが生まれる前は、カウントダウンを見ながら夜更かし…なんてこともありましたが、今はすっかり“家族で過ごす日”になりました。
でも、「そもそも年越しそばって何のため?」「除夜の鐘って意味あるの?」と聞かれると、案外うまく答えられなかったりしますよね。
この記事では、家族で過ごす大晦日のアイデアや、日本の伝統行事に込められた意味をわかりやすく紹介します。
子どもと一緒に過ごす“年の瀬”が、少し特別に感じられるようになりますように。
目次
大晦日ってどんな日?意外と知らないその由来

私自身、「年末=大掃除と年越しそば!」くらいのイメージで過ごしてきました。
なんとなく忙しくてバタバタして、気づけば「あっという間に年越し!」という感じで。
でも改めて調べてみると、大晦日って日本の年中行事の中でも、とても由緒ある大切な日だったんですよね。
「みそか」から「おおみそか」へ
そもそも「晦日(みそか)」って、聞き慣れない言葉かもしれません。
昔の暦では、月の終わりの日のことを「晦日」と呼んでいたそうです。
たとえば、11月30日も「晦日」、12月31日も「晦日」。
でもその中でも一年の最後の日である12月31日は、特に“特別な晦日”ということで、「大晦日(おおみそか)」と呼ばれるようになりました。
つまり、「大晦日」は単なる月末ではなく、年の区切りとしてとても意味のある日だったということなんです。
私の祖母がよく言っていた「年神さまを迎える準備をちゃんとしなきゃね」という言葉。
当時はピンときませんでしたが、今思えばこの大晦日の文化を大切にしていたんだなぁと、しみじみ思い出しました。
年神さまを迎える前夜
お正月にやってくるといわれている「年神さま」は、その年の豊作や健康、幸運をもたらしてくれる神さまです。
元日にはこの年神さまを迎えるために、門松やしめ縄などの飾りを準備しますよね。
そのための前日、つまり“前夜祭”にあたるのが大晦日”。
だからこそ、この日に行う大掃除には「家を清めて神さまを迎える準備」という意味があるんです。
そして「年越し」という言葉のとおり、本来は年が明けるまで起きていて、年神さまを迎える瞬間を家族で過ごすのが昔ながらの風習でした。
最近では、子どもの生活リズムもあるのでなかなか難しいですが、
我が家でも「年明け前に静かに手を合わせる時間」を少しだけつくるようにしています。
「ただの休日」ではなく、“年を締めくくる神聖な日”として、少し意識を変えてみるだけで、家族で過ごす時間の質が変わる気がします。
わが家の“大晦日”スケジュール、こんなふうに過ごしています

家庭によって過ごし方はさまざまだと思いますが、今回はわが家の大晦日の1日をちょっとだけご紹介してみます。
特別なイベントはなくても、「家族で過ごす1日」としてゆったり楽しむのが、わが家流の年越しスタイルです。
午前中は「ゆるっと大掃除」
大掃除って「年末までにやらなきゃ!」って焦る気持ち、ありますよね。
でも、わが家はあえて“大晦日までに間に合えばいいよね”という、ゆるめのルールを採用しています(笑)。
12月に入ってから少しずつ進めてはいるものの、
「今日はここまででいっか〜」とサボる日も多くて、気づけば大晦日にほぼ全部残ってる…なんてこともしょっちゅうです。
それでも、この日は家族全員で“やる気スイッチ”を入れて取りかかります。
子どもたちには、玄関まわりの掃き掃除や、リビングの窓ふきなど、簡単なお手伝いを頼みます。
水スプレーを使って窓をシュッシュしてはしゃぐ姿に、「あぁ、一緒にやるだけで楽しいんだな」としみじみ。
完璧を目指さず、「できた範囲で十分!」と思えると、気持ちにも余裕が出てきます。
“掃除”というより、“家族行事”に近い時間。
みんなで笑いながら「今年もよく頑張ったね」と言い合えるのが、この時間のいちばんのごほうびです。
お昼は簡単ランチ+買い出し
掃除がひと段落したら、お昼ごはんは冷蔵庫整理を兼ねて簡単に。
残りものの野菜でチャーハンを作ったり、うどんで済ませたり。
「これが今年最後のランチか〜」と話しながら、なんとなく笑ってしまう時間です。
午後は、お正月準備の買い出しへ。
あらかじめ予約していたおせちや、お餅、年越しそばの材料を受け取りにスーパーへ向かいます。
この時間が、私にとってけっこう好きなひととき。
スーパーにはお正月の音楽が流れていて、普段よりもなんだかにぎやかで、
「いよいよ今年も終わるんだなぁ」と気持ちが引き締まる感じがするんです。
子どもたちは、「お年玉の袋どれがいい?」とお年玉袋コーナーに夢中になったり、
「みかん山盛り〜!」とカゴにこっそり追加したり。
そんなやりとりひとつひとつが、年末らしいなと感じます。
夜はテレビをつけっぱなしにして、のんびり年越し準備
夕方からは、テレビをつけっぱなしで紅白やバラエティ番組をBGM代わりに。
キッチンでは、おそばを茹でたり、天ぷらを揚げたりと、年越し準備が始まります。
「おそば、まだ〜?」「今日の天ぷら、なにがある?」と子どもたちが何度も覗きに来るので、
なるべく揚げたてをテーブルに運んで、アツアツのまま楽しめるようにしています。
定番はエビ天ですが、うちの子どもたちはエビのしっぽがちょっと苦手なので、
かぼちゃ、ちくわ、れんこんの天ぷらが人気です。
冷蔵庫の残りもので「しいたけ天」なんかが登場することも。
パパはそばよりも「年越しうどん派」なので、毎年こっそりうどんも準備してます(笑)。
「俺、そば食べたら年越し感が薄れるんよな〜」なんて言いながら、ちゃっかり両方食べてます。
食事のあとは、みんなでこたつに入りながらテレビを見たり、今年の写真をスマホで振り返ったり。
気づけばウトウトする子もいたりして、「もう年越しまで起きてられないかもね〜」なんて言いながら過ごすこの時間が、本当にしあわせな年の終わりです。
年越しそばの意味、子どもにも話せるようにしておこう

「なんで大晦日におそばを食べるの?」
ある年、子どもにふいに聞かれて、私はちょっとだけ困ってしまいました。
なんとなく毎年食べているけれど、由来までは意識していなかったんですよね。
それで、調べてみたら…ちゃんと意味があるんです。
それを知ってからは、年越しそばを食べる時間が、少しだけ特別なものになりました。
子どもにもわかりやすく伝えられるように、いくつかの説をご紹介します。
細く長く生きられますように
いちばんよく知られているのが、「細く長く生きられますように」という願いが込められているという説。
そばは他の麺類よりも細くて長い形をしていることから、「長寿祈願」の意味をもつようになったそうです。
我が家では、食べる前に子どもたちとこんなやりとりをしています。
「おそば食べたら長生きできるんだって!」
「え〜じゃあ、いっぱい食べたほうがいいね!」
「ママもおばあちゃんになっても元気でいたいから、よく噛んで食べるね〜」
「ママのおばあちゃん姿、見たいかも(笑)」
たったこれだけの会話でも、“家族で健康に年を越す”ことのありがたさが、ほっこり伝わる気がします。
年末になると、テレビでも「今年もありがとうございました」「良いお年を〜」なんて挨拶が飛び交いますよね。
そうした言葉のひとつとして、「年越しそば」も無言の“願い”や“祈り”を表す存在なのかもしれません。
厄を断ち切るという説も
もうひとつの有名な説が、「厄を断ち切る」という意味。
そばは他の麺よりも切れやすい性質があることから、
「今年の悪い出来事やイヤな思い出を、そばのようにスパッと断ち切ってしまおう」という願いが込められていると言われています。
これもまた、子どもに話すときには絶好の“たとえ話”になります。
「切れやすいおそばを食べたら、今年のイヤなことがスッパリ切れるかもよ〜」
「じゃあいっぱい食べたら、もっといっぱい切れる?」
「うーん、それならママの分もお願いしようかな(笑)」
子どもって、こういう“見立て”や“たとえ”にとても反応してくれますよね。
ちょっとした会話でも、行事が「意味のある体験」になるきっかけになります。
他にもいろいろある、そばの“ご利益説”
実は、地域や家庭によって、そばに込められた願いは他にもあるそうです。
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「金箔職人がそば粉を使って金粉を集めていたことから、金運を呼ぶ」という説
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「そばの植物が風雨に強く、生命力があることにちなんで、無病息災を祈る」という説
こうした背景を知ると、なんだかますます「ありがたい食べ物」に思えてきますよね。
毎年当たり前のように食べている“年越しそば”。
でも、こうしてその意味を知ることで、ただの「年末のメニュー」が「家族の節目のしるし」になる気がします。
子どもにも、行事の意味をほんの少し伝えられるだけで、
「今年もちゃんと締めくくれたな」と心が整う。
そんな気がしています。
除夜の鐘にはどんな意味がある?

大晦日の夜は、子どもにとっても“夜更かしOK”な特別な日。
普段なら「もう寝る時間だよ〜」と声をかける時間に、家族そろってこたつでのんびり過ごしたり、テレビを見ながら新年を待ったり。
そんな中で、ふと耳にするのが「ゴーン…」という除夜の鐘の音。
でも、実際に「除夜の鐘ってなんのために鳴らすの?」と聞かれると、うまく説明できないこともありますよね。
せっかくなら、この“年越しの音”に込められた意味も、家族で感じてみませんか?
人間の煩悩は108つ?
除夜の鐘が108回鳴らされる理由、それは「人間には108の煩悩がある」とされているから。
煩悩とは、怒りや妬み、欲、執着、後悔…といった心の中のモヤモヤや弱さのこと。
年の終わりに、その煩悩をひとつひとつ鐘の音とともに追い払って、
清らかな心で新年を迎えるという、仏教的な意味合いがあるそうです。
「え、そんなにあるの?」とびっくりされるかもしれませんが、
昔の人は、季節や感覚、感情の動きを丁寧に数えて108にたどり着いたんだとか。
こういう話を知ると、「除夜の鐘って、ただの風物詩じゃないんだなぁ」と感じさせられます。
我が家でも、数年前に近所のお寺で除夜の鐘をつかせてもらったことがありました。
そのとき、子どもがふと、「これでイヤなことが消えるのかな?」とぽつり。
たった一言でしたが、その場の空気がふっと引き締まったのを覚えています。
“音に祈りを込める”という体験は、子どもなりに心に残ったようでした。
テレビ越しでも気持ちは届く
とはいえ、夜遅くにお寺まで出かけるのは、小さい子がいる家庭ではなかなか大変。
冷え込みも強いですし、眠気との戦いもあって、なかなか現地には行けないのが本音ですよね。
そんなときは、テレビ越しに除夜の鐘の音を聴くだけでもOK。
全国のお寺から生中継される鐘の音には、映像越しでもなんとなく背筋が伸びるような、静かな力があります。
わが家では、紅白歌合戦が終わったあとのこの時間を「ありがとうタイム」と名づけていて、
「ひとつ鐘が鳴るたびに、今年の“ありがとう”をひとつ思い出してみよう」と話しています。
「新しい年、また家族みんなで元気に過ごせますように」
「仕事頑張れたなあ、あのとき」
「怒っちゃったけど、家族には感謝してる」
そんなふうに、心の中を少しだけ整理して、新しい年を迎える準備をする。
それだけでも、除夜の鐘が私たちに与えてくれる意味は大きいなと感じます。
「音」の持つ力を感じてみよう
除夜の鐘って、ただ「年越しの音」ではなくて、“1年の節目”を心に刻むための音なんだと思います。
静かに響く鐘の音は、忙しかった1年に「おつかれさま」と言ってくれているようで、
「さあ、新しい年だよ」と背中をそっと押してくれるようにも感じます。
子どもたちにも、「これが“節目を大切にする”ってことなんだよ」と伝えられるきっかけになるかもしれません。
大晦日の夜に鳴り響く、108回の鐘の音。
そのひとつひとつに、感謝や反省、祈りや希望を込めて、
心静かに耳を傾ける時間を、今年は家族で過ごしてみませんか?
家族で楽しむ!大晦日の過ごし方アイデアいろいろ

せっかくの年の瀬、バタバタしがちな大晦日ですが、少しだけ工夫するだけで、家族の絆を深める時間になります。
「なんとなくテレビを見て終わる」ではもったいない!
我が家で実際にやってみて、心に残った大晦日の過ごし方アイデアをご紹介します。
1年の「ありがとう」を手紙にする
大掃除が終わったら、子どもたちと一緒に“1年ありがとうカード”を作るのがわが家の恒例です。
A4のコピー用紙に色ペンを広げて、「今年の楽しかったこと」を絵で描いたり、
「ありがとう」と思ったことを自由に書き出したりします。
「保育園でおともだちがいっぱいできてうれしかった」
「パパが毎朝おはようってハグしてくれたのがよかった」
「ママと一緒にカレー作ったのがたのしかった」
そんな風に、思い出が子どもの言葉でよみがえってくるのがすごくうれしくて。
時には思いがけない一言に、つい涙ぐんでしまうこともあります。
私自身も一緒にカードを書きながら、家族ひとりひとりに「ありがとう」を伝えるきっかけにしています。
新年に向けて気持ちが整う、とってもおすすめの過ごし方です。
おうちでプチカウントダウンパーティー
夜更かしはまだ難しい年齢の子どもたちでも、ちょっとした“カウントダウンごっこ”なら楽しめます。
わが家では、夜の21時ごろに「わが家だけの年越しカウントダウン」を開催。
紙吹雪やクラッカー、100均で買ったパーティー帽や風船を用意して、「3・2・1、ハッピー〇〇年ー!」とみんなで声を揃えます。
「来年はどんな年にしたい?」
「またキャンプ行きたい!」
「ママは怒らない年にしたい(笑)」
なんてやり取りをしていると、笑顔のまま年を締めくくれる空気ができてきます。
こういう家族の“ちいさなイベント”、意外とずっと記憶に残るものです。
写真で「今年の思い出」スライドショー
スマホにたまった写真、年末に見返す機会って意外と少ないですよね。
わが家では、大晦日の夜に1年分の写真をテレビに映してスライドショーにするのが定番です。
「このとき雨でびしょびしょになったよね!」
「お弁当作った日だ〜!がんばった〜!」
「ママ、寝癖すごくない?(笑)」
何気ない1枚が笑いのタネになったり、感謝の気持ちを思い出すきっかけになったり。
写真って、家族の時間の積み重ねを“見える化”してくれる素敵なツールなんだなと感じます。
アプリやスマホの機能を使えば、簡単にBGM付きで自動再生してくれるものもあるので、手間もかかりません。
お気に入りの音楽を流しながら、「1年間ありがとう」と言えるあたたかな時間になりますよ。
年末だからこそ、家族の1年をぎゅっと振り返る時間を意識的につくってみる。
それだけで、大晦日という日が“ひとつの区切り”として心に残るものになります。
ちょっとした工夫で、いつもの年越しが「うちの大切な行事」に変わるかもしれません。
ぜひ、わが家らしい大晦日の過ごし方を見つけてみてくださいね。
まとめ|家族の“今”を味わう大晦日にしよう
子どもが小さいうちは、夜更かしも除夜の鐘も難しいかもしれません。
でも、「今年もみんなで過ごせたね」と言えるだけで十分だなと私は思います。
年越しそばに込められた願いも、除夜の鐘に込められた祈りも、
家族で過ごす時間の中に少しでも感じられたら、それが一番の“大晦日の意味”かもしれません。
ぜひ、今年の大晦日は「我が家らしい年の締めくくり」を楽しんでみてくださいね。
そして、よかったらこの記事を参考にしながら、ほんの少し日本の伝統も味わっていただけたら嬉しいです。