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節分で鬼を怖がる子どもにどう対応する?親ができる対策集

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「鬼は〜そと!」と元気に豆まきをするつもりが、鬼の登場にうちの子が大号泣…。
節分って、こんなに怖がる行事だったっけ?と戸惑ったのが数年前のことです。

行事としては大切にしたい節分ですが、怖すぎてトラウマになってしまっては本末転倒
今回は、わが家の“節分で泣いた体験”をふまえて、怖がる子どもへの対応や、家庭でできる鬼対策を紹介します。
「今年はどうしよう…」と悩んでいるママ・パパの参考になればうれしいです。

なぜ節分の“鬼”が怖いの?

急に現れるから怖い

節分の鬼って、たいてい前触れもなく突然現れますよね。
静かだった部屋が一気にざわつき、大きな音とともに現れる鬼――大人でもドキッとする場面です。

うちの子が通っていた園では、節分イベントの日に突然太鼓の音が鳴り響き、先生扮する鬼が「うお〜!」と叫びながら教室に入ってきました。
その瞬間、息子はパニック。顔を真っ赤にして泣き出し、先生の後ろに隠れていたそうです。

園側としては盛り上げようとしての演出だったんだと思いますが、子どもにとっては予期せぬ“恐怖の登場”
大きな音、いつもと違う騒がしい雰囲気、そして見慣れない鬼のお面…。
どれもが不安をかき立てたようで、しばらくは「太鼓の音」にさえ怯える日が続きました。

まだ状況の意味をうまく理解できない年齢だと、「これはイベントの一環」なんて説明もなかなか通じません。
ただただ“何か怖いことが起きた”という印象だけが強く残ってしまうのです。

“悪い子は連れていかれる”の脅しが効きすぎる

節分が近づくと、「泣いてばかりいると鬼が来るよ〜」「いい子にしてないと連れて行かれるよ」と言ってしまうこと、ありませんか?
実は私も、つい軽い気持ちで口にしてしまったことがあります。

でもその夜、「鬼が来るんでしょ…?」と不安そうに布団に入る息子の姿を見て、ハッとしました。
「泣いたら鬼が来る」=「泣いてはいけない」というプレッシャーになっていたんですよね。
それが不安を増幅させてしまい、しばらくは夜中に目が覚めて泣き出す“夜泣き”が続くことになりました。

子どもにとって“鬼”は、ただのキャラクターではなく、本当にどこかから現れて自分を連れていく存在に思えることがあります。
とくに空想の世界がリアルに感じられる年齢の子には、“鬼の脅し”は強すぎる刺激になることも。

「節分=怖い」「鬼=自分を罰する存在」とインプットされてしまうと、節分という行事そのものがトラウマになりかねません

だからこそ、節分前の言葉かけには注意が必要です。
鬼の存在をうまく伝えながらも、「子どもを脅してコントロールする道具」にしないことが大切だと、私はあのときの体験から強く感じました。

実際どうだった?わが家の“泣いた節分体験談”

幼稚園での鬼登場→パニックに

当時3歳だった長男。言葉もだいぶ増えてきて、園の行事にも興味を持ち始めた時期でした。
節分イベントの日の朝も、「今日、鬼くるの?」と何度も聞いてきて、少し不安そうな表情をしていたのを覚えています。
私は「先生と一緒に鬼をやっつけるんだよ」「豆を投げたら逃げていくから大丈夫!」と、なるべく明るく声をかけて送り出しました。

でも、夕方迎えに行ったときの先生の第一声が、「今日はすごく泣いてしまって…」というものでした。
どうやら、鬼が太鼓の音とともに突然教室に入ってきた瞬間、息子はびっくりして泣き叫び、教室の隅で動けなくなってしまったそうです。
先生たちがなだめようとしてくれたものの、なかなか落ち着かず、最後まで豆まきには参加できなかったとのこと。

家に帰ってからも、「鬼がきた」「こわかった」「(太鼓の音)ドンドンしてた…」と、何度も同じ言葉を繰り返していました。
夜寝る前も、「おに…こないよね?」と確認してきたり、しばらくはちょっとした物音にも敏感になっていました。

子どもにとっては“ちょっとした演出”も、本当に怖い記憶として刻まれてしまうんだと痛感した出来事でした。

家庭での豆まきも拒否

それから1年がたち、迎えた次の節分。
今度は家庭で、楽しい雰囲気で豆まきをしてみようと計画しました。
「ママとパパと一緒にやれば、怖くないよね」と事前に話していたし、鬼もこわくないように、かわいいイラストのお面を用意していました。

でも、いざ私がそのお面を手にした瞬間、息子は固まり、次の瞬間には「こわい!!やめてーー!!」と叫びながら部屋の隅へ。
涙目で震える姿を見て、「まだ心の中では“鬼=恐怖”が消えていないんだな」と気づかされました。

無理に参加させるのはやめ、私と夫だけで形だけの豆まきを行いました。
そのときも息子は私の背中に隠れながら、「おにはもう、こない?」と何度も聞いてきました。

翌日にはケロッとしていたのですが、それでも「おには、こわかったね」という言葉をふいに口にしたりして、印象として強く残っていたことが伝わってきました

行事を「楽しい思い出」として残すには、無理やりやらせるのではなく、子どもの気持ちに寄り添って無理のない形で関わることが大切なんだと、この経験から強く学びました。

節分を楽しくするための“鬼対策”アイデア

1. 鬼の存在を事前に伝える

節分当日、いきなり鬼が登場すると、子どもはびっくりしてしまうもの。
「鬼ってなに?」「どうして来るの?」ということを前もって伝えておくだけでも、子どもの心の準備はまったく違います

わが家では、節分の1週間ほど前から、鬼が出てくる絵本やアニメを一緒に見るようにしました。
たとえば、絵本『おにのパンツ』や『ないたあかおに』などは、「怖いけどちょっとユーモラス」な鬼が登場するので、初めて鬼に触れる子にもおすすめです。

さらに、「鬼ってね、心の中にもいるんだよ」と伝えることで、“鬼=こわいもの”ではなく、“自分の感情の象徴”としてイメージしやすくなります。

うちでは、「怒りんぼ鬼」「泣き虫鬼」「イヤイヤ鬼」など、自分の中にいる小さな鬼たちを見つける遊びも取り入れました。
「今日の泣き虫鬼、ちょっと出てきたね〜」なんて会話をすることで、鬼を“身近でユニークな存在”としてとらえられるようになったのです

2. “怖くない鬼”を登場させる

鬼のイメージというと、赤鬼や青鬼の怖いお面に金棒…という定番スタイルが多いですよね。
でも、それが子どもにとって“恐怖そのもの”になってしまっては逆効果。

わが家では、翌年から“かわいい鬼”に路線変更しました。
フェルトで作った、ニコニコ顔のピンク鬼や、まつ毛つきの「おしゃれ鬼」など、子どもが「これならこわくない!」と思える鬼を用意しました。

私が「怒りすぎちゃったママ鬼で〜す!」と冗談交じりに登場して、「さあ豆でやっつけて〜!」と言うと、息子はゲラゲラ笑って大はしゃぎ。
豆を投げるという行為も、「怖いものに向かって」ではなく、「笑えるやりとりの一環」として楽しめるようになったんです。

怖くなくても“鬼ごっこ”としての役割は果たせるし、家族で笑いながら行えるのがいちばんのポイントでした。

3. 鬼の役は“見えない”形でもOK

どうしても鬼の姿そのものが怖い場合は、無理に「見える鬼」を登場させる必要はありません。
大切なのは、「節分=悪いものを追い払って、いい1年にするための行事」ということ。

うちでは、「鬼は窓の外にいるんだよ」という設定にして、窓に向かって豆をまくスタイルに。
そのとき、夫が外から「うぉ〜〜!」と低い声で叫んでくれたのですが、これが大ウケ。
「鬼、びっくりして逃げたね!」と大笑いしながら豆をまいていました。

また、「見えない鬼」として“心の中のイヤイヤ鬼を追い出そう!”という流れにすれば、姿がなくても十分意味のある豆まきになります。

怖がりの子どもには、「鬼は来るけど、絶対に家の中には入ってこないよ」「ママが守るから大丈夫」と安心感を与えながら、“見えないけどちゃんといる”設定で行うのもおすすめです。

このように、“鬼”の捉え方を少し工夫するだけで、子どもにとって節分が「怖い日」から「ちょっと楽しい日」に変わっていくことを実感しました。
家庭の中でできることはたくさんあります。
その子の性格や年齢に合わせて、無理のない“わが家流の節分”をつくってみてくださいね。

親として意識したい関わり方

怖がる気持ちを否定しない

節分の鬼に限らず、子どもが怖がって泣いたとき、つい「そんなことで泣かないの!」と言ってしまいそうになりますよね。
私も最初は正直戸惑ってしまって、「もう泣かなくていいよ」「怖くないから大丈夫」と慌てて声をかけてしまいました。

でも、それが子どもの心には逆効果だったようで、ますます不安そうな顔になったのを覚えています。
その子が“本当に怖い”と感じている感情に、親が蓋をしてしまうと、安心どころか孤独にさせてしまうんですよね。

その経験から、私はまず「怖かったね」「びっくりしちゃったね」と、子どもの気持ちに寄り添う言葉をかけるように意識するようになりました。
言葉に出せない年齢なら、そっと抱きしめたり、背中をさすってあげるだけでも安心することがあります。

「怖がること自体は悪いことじゃない」
「泣いても大丈夫、ママがそばにいるよ」
そう伝えていくことで、少しずつ、子ども自身が自分の気持ちを受け入れられるようになっていった気がします

一緒に考える「どうしたら楽しくなる?」

節分が近づいてくると、去年のことを思い出して不安そうな表情を見せる息子。
「また鬼くるの?」と聞かれたとき、私はふと「今年は、どういう節分ならやってみたいと思う?」と問いかけてみました。

最初は「鬼こないほうがいい」と即答されましたが、少しずつ話していくうちに
「鬼がいないなら豆まきしてもいいかも」
「お面は使わないでほしい」
「ママが“おこりんぼ鬼”役ならちょっとだけやってみたい」
など、息子なりの希望がたくさん出てきました。

それを全部否定せずに、「じゃあその中から、やってみたいことを決めよう!」と一緒に“わが家流の節分プラン”を立てていったんです。
その年は鬼の姿は一切出さず、リビングの窓に向かって豆をまき、そのあとに恵方巻を食べるという、シンプルだけど穏やかな節分になりました。

すると翌年、「今年はちょっとだけ鬼がいてもいい」と、自分から言ってきたんです。
「こわくない鬼だったら」「ママがちゃんとそばにいてくれるなら」という条件つきでしたが、“自分で選べる”ことが安心感につながったんだと思います

子どもにとって、行事って「やらされるもの」より「一緒に作っていくもの」の方がずっと記憶に残ります。
そしてその中で、「こうしたら楽しいかも」「こうしたら怖くないかも」と自分で考える力も育っていくのだと感じました。

節分に限らず、子どもが不安を感じるイベントには、大人の価値観を押しつけるのではなく、“どうしたらこの子が安心して過ごせるか”を一緒に考える姿勢がとても大切だと思います。
その関わり方次第で、同じ行事が「恐怖の思い出」にも「楽しい家族の時間」にも変わっていくのです。

年齢別!おすすめの節分アレンジ方法

未就園児(0〜2歳)

無理に鬼を出さない

この時期の子どもにとっては、「知らない存在」や「突然の音」が強いストレスになることも。
鬼のお面や怖い声は無理に見せず、“鬼の登場なし”でもまったく問題ありません
行事そのものに悪いイメージがつかないよう、まずは安心して過ごすことを最優先にしましょう。

豆の代わりにボールや新聞紙で

本物の豆は誤飲のリスクがあるので、この年齢では使わないのが基本。
わが家では、カラーボールや丸めた新聞紙を「豆」に見立てて投げる遊びにしていました。
「鬼さんボール投げしよう〜!」というだけでも、子どもは大喜び。

的あてゲームのようにして楽しめるように工夫すると、節分=楽しい遊びとして定着していきます

手遊びや絵本で“楽しい”節分に

鬼が出てくる手遊び歌や絵本は、節分の雰囲気に自然と親しめる良いツール。
たとえば、

  • 『おにのパンツ』(うた遊び)

  • 『いろいろおにのたいじ』(絵本)

  • 『おにのこ あかまる』(感情教育にも◎)

など、楽しい・かわいい印象の作品を選ぶと“鬼=こわくない存在”として受け入れやすくなります

幼児(3〜5歳)

鬼を登場させるなら“かわいい系”で

この時期になると、節分というイベントの意味も少しずつ理解しはじめる年齢。
ただし、まだ“リアルな鬼”は怖すぎる場合もあるため、かわいくアレンジするのがおすすめです。

  • 手作りのフェルトマスク

  • おしゃれな鬼カチューシャ

  • ゆるキャラ風の鬼さんぬいぐるみ

など、子どもが笑って見られる“鬼”の姿にすることで、「退治する」ことを遊びの一部として楽しめるようになります

役割ごっこや劇仕立てにする

親子で配役を決めて、ちょっとした“豆まき劇”をするのも大盛り上がり!
たとえば、

  • ママが泣き虫鬼

  • パパが怒りんぼ鬼

  • 子どもが勇者になって豆でやっつける!

など、ごっこ遊びの延長として節分を取り入れると、楽しさと達成感の両方を味わうことができます

豆まき後はたっぷり褒める

豆を投げたあとは、「すごい!泣き虫鬼をやっつけたね!」と、たっぷり褒めてあげましょう。
怖がっていた子も、「ぼく、鬼やっつけた!」と自信につながります。

このポジティブな経験が、“来年の節分もやってみようかな”という前向きな気持ちに育っていきます。

小学生以降

心の中の鬼をテーマに話し合い

小学生になると、「鬼=感情や行動の象徴」という概念も理解できるようになります。
「怒りんぼ鬼」「忘れんぼ鬼」「だらだら鬼」など、自分の中にいる“追い出したい鬼”について家族で話し合ってみましょう。

うちでは、「最近怒りっぽいママ鬼を追い出したいです!」と笑いながら言われて、ハッとしたことも(笑)。
節分をきっかけに、自分自身と向き合う時間にもなります

家族それぞれの“退治したい鬼”を発表

豆まきの前に、紙に「退治したい鬼」を書いて発表してから、それに向かって豆を投げるのもおすすめです。

  • 「YouTubeだらだら鬼」

  • 「ケンカしちゃう鬼」

  • 「忘れ物しちゃう鬼」

など、自由な発想でOK!
自分のことも、家族のことも、ちょっとユーモアを交えて振り返れる楽しい行事になります

自分で鬼役をしたがることも!

年齢が上がると、今度は“鬼役をやってみたい!”と言い出すこともあります。
「弟をびっくりさせたい」と張り切るお兄ちゃんや、全身仮装で登場する子も。

この場合も、怖がりすぎないようにルールを決めて、

  • 鬼は登場しても1分だけ

  • 豆を投げられたら退場

  • お面の下は必ず家族の顔とわかるように

など、“怖がらせすぎない節分”を心がけると、家族全員で笑顔になれるイベントになります

子どもの年齢や性格に合わせて、無理のない形で節分をアレンジすることが、行事を楽しむ第一歩。
「鬼を登場させない」「楽しいごっこ遊びにする」「心の中の鬼に向き合う」――
それぞれの家庭に合った節分の形を、ぜひ探してみてくださいね。

「節分=怖い行事」にならないために

節分というと、「鬼に豆をまいて追い払う」という古くからの行事。
厄払いの意味があり、日本ならではの大切な風習のひとつです。
でも、行事の本来の目的って、“伝統を守ること”だけじゃないと思うんです。

家族みんなで笑ったり、驚いたり、心を通わせながら過ごせる“特別な時間”であることが一番大切。

なのに「昔からやっているから」「これが正しい形だから」と、大人のペースで無理に進めてしまうと、
子どもにとっては「怖い」「イヤな日」というイメージになってしまうこともあります。

うちの子も、最初の頃は鬼をとても怖がっていて、節分が近づくたびに「今年もくる?」「泣かないかな…」と不安そうな顔をしていました。
その姿を見て、「あ、これは“伝統行事だから”という考えを押しつけすぎていたのかも」と気づいたんです。

そこからは、“いまこの子にとって無理がない形”で節分を楽しむ方法を考えるようになりました。

  • 鬼は登場させない年もあっていい

  • 豆まきはせずに恵方巻だけでもいい

  • 手作りのかわいい鬼で笑うだけでも十分

とにかく、「怖い」を強要せず、“この子が楽しめる形の節分”にアレンジしていくことを大切にしたんです

そうしたら、だんだんと子ども自身が「ちょっと鬼やってみようかな」と言い出すようになり、
節分が「嫌な日」から「ちょっと楽しみなイベント」に変わっていきました。

行事の形に正解はありません。
子どもが笑って過ごせるなら、それが一番の成功だと私は思います。

親の関わり方ひとつで、“節分=こわい行事”を“節分=家族で笑い合える日”に変えられる。
そのことを、実体験を通して強く実感しました。

まとめ|“楽しい節分”は、子どもの気持ちに寄り添うことから

節分で泣いたあの日、私自身もどうしていいかわからず戸惑っていました。
でも子どもの気持ちをちゃんと受け止め、「どうしたら安心できるか」を一緒に考えるようにしてから、毎年の節分がちょっとずつ楽しみに変わってきました。

「怖がってるけど、節分はちゃんとやらなきゃ…」と悩んでいる方こそ、無理に伝統にこだわらなくてもいいと思います。
お子さんの様子に合わせた“わが家流の節分”を見つけて、ぜひ今年は笑顔で豆まきを楽しんでくださいね。