毎日のように見ている「雨」や「雲」。
でも、ある日、息子に「雨ってどこからくるの?」と聞かれて、うまく説明できなかった私。
なんとなく「雲から降ってる」とは答えたものの、「じゃあ水道の水と関係あるの?」と続けて聞かれてドキッとしました。
あたり前のように使っている水が、実は大きな自然の循環の中にあると知って、私自身も改めて「すごいな」と思わずにはいられませんでした。
今回は、親子で楽しく学べる「水の循環の仕組み」について、我が家の会話やちょっとした実験も交えてご紹介します。
目次
水はどこから来て、どこへ行くの?

私たちが毎日使っている水は、実は目には見えない“長い旅”を続けています。
でもその旅のこと、どれくらい知っているでしょうか?
ある日、雨が降った日のお風呂あがりに、息子からこんな質問が飛んできました。
「ママ、雨ってどこからくるの?」と。
一瞬、うまく答えられずに「雲からだよ」と言ったものの、息子は「でも雲ってどうやってできるの?」とさらに深掘りしてきて……。
正直、内心ドキッとしました。
雨が降るのはどうして?
「雲から雨が降る」というのは、たしかに子どもでも知っている定番の知識です。
でも、“雲ができるまで”をきちんと説明しようとすると、意外と難しいものですよね。
私は「お湯を沸かすと湯気が出るでしょ?あれが空にのぼって冷たくなって、白くなって雲になるんだよ」と話しました。
ちょうどそのとき、お湯を沸かしていたタイミングだったので、「この湯気をよく見てごらん」と一緒に観察。
「わあ〜煙みたい!」と息子。
「これが空の高いところに行って冷えるとね、ギュッと集まって白いモヤモヤになるんだよ。それが雲なんだ」
「えっ、じゃあこの湯気が雲になるの?!」と目をまんまるにして驚いていました。
さらに続けて、「雲の中が冷たくなって、水が重たくなるとポタポタ落ちてくる。それが雨なんだよ」と説明しました。
すると「雲って水だったの?!」と、またまたびっくり。
水は、太陽の力で温められて蒸発し、空へ上がり、冷えて雲になり、雨として地上に戻ってくる。
これが“水の循環”の最初のステップだと、私自身も改めて思い出すきっかけになりました。
雨はすぐになくならないの?
さらに息子はこんな質問もしてきました。
「でも、雨ってすぐ乾いちゃうよね?それってどこに行っちゃうの?」
たしかに、子どもの目線では「地面に落ちた雨=すぐ消えるもの」というイメージかもしれません。
私も昔そう思っていた記憶があります。
「雨はね、地面にしみこんだり、川に流れて海に行ったり、いろんな場所に行くんだよ」
そう説明しながら、一緒に紙に「水の旅マップ」を描いてみました。
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雨が降る
→ 地面にしみこむ
→ 地下水になる(ここで「井戸水とかのことだよ」と補足)
→ やがて川に流れ込む
→ 海へ
→ 太陽でまた蒸発して空へ
これを“ぐるぐる回ってる”ことから「水の循環」って呼ぶんだよ、と伝えると、
「えー!また空にもどるの?」「じゃあ、雨ってリサイクルされてるの!?」と、すごく興味津々。
「じゃあ昨日の雨が、また今度降ってくるかもしれないの?」と聞かれて、
「そうだね。もしかしたら何百年前の水が、今ここにあるかもしれないよ」と話すと、急に空をじーっと見上げていました。
水の循環ってどんな流れ?
私自身も改めて調べてみると、「水ってこんなふうに旅してるんだ…」と、図で見て初めて実感できた気がします。
だからこそ、子どもに伝えるときは、なるべくシンプルな流れを意識して説明するようにしています。
「水の循環」は、一言で言えば“水が空と地上をぐるぐる巡っている”ということ。
でも、その流れを具体的に知ると、水のありがたさや自然の力強さにも気づかされます。
水の旅はこんな流れ
我が家では、子どもにもわかりやすいように、紙に簡単なイラストを描きながらこう説明しました。
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太陽の熱で水が蒸発する
海や川、湖などの水が、太陽のあたたかさで蒸発して、水蒸気になります。 -
蒸発した水が空にのぼり、雲になる
上空で冷やされた水蒸気が集まり、小さな水の粒となって雲ができます。 -
雲が冷えて水に戻り、雨や雪として地上に降る
水の粒が重くなって落ちてくると、雨や雪になります。 -
雨水は川や地下を流れて、また海へ戻る
地面にしみこんだり、川に流れて、やがてまた海や湖に戻ります。
そして、また太陽の力で蒸発して空へ戻る――
この流れをぐるぐると繰り返すのが「水の循環」です。
「水って止まらずにずっと旅してるんだね」と息子が言ったとき、私はなんだかとても嬉しくなりました。
言葉だけでは伝わらないことも、こうして一緒に“たどって”いくと、ちゃんと心に残るんだなと実感しました。
家でできる!簡単な水の循環実験

「見えないこと」を伝えるって、なかなか難しいですよね。
だからこそ、実際に目で見て、手で感じられる“実験”があると、子どもにとっては一気に理解が深まるなと感じています。
我が家では、キッチンで簡単にできる「ジップロック実験」をしてみました。
用意するもの
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ジップロック(小さめでOK)
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水(少量で大丈夫)
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油性ペン(黒・青など)
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セロテープまたはマスキングテープ
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晴れた日の窓ガラス
実験の手順
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ジップロックに水を少しだけ入れる
水はほんの数センチでOK。入れすぎると重たくなって貼りづらいので注意。 -
ジップロックの外側に雲や太陽の絵を描く
子どもと一緒に「これは太陽、こっちは雲ね」と言いながら描くと盛り上がります。 -
密封して、窓に貼る
日当たりの良い場所にペタッと貼ります。セロテープなどでしっかり固定。 -
時間が経つと、水が袋の内側に水滴として現れる
これは水が蒸発して、袋の内側で冷やされて水に戻った証拠です。 -
その水滴が下に流れていくと…まるで雨!
「わぁ!ほんとに雨みたい!」と息子も大興奮。
目に見えない蒸発→雲→雨の流れが、袋の中で再現されるこの実験。
とてもシンプルですが、子どもにとっては“発見の連続”なんです。
「この水も空に行って、また雨になるのかな?」
そんな風に、実験がきっかけで子どもの想像力もぐんと広がっていくのを感じました。
水道の水も“循環”している?
ある日、夕食の片づけをしているとき、蛇口から流れる水を見ていた息子が、ふとこんなことを言いました。
「ねえ、ママ。水道の水って、雲から来てるの?」
あまりにするどい質問に「えっ」と思わず手を止めてしまいました。
でもこれ、実はとっても本質的な問いなんですよね。
水道の水はどうやって届いているの?
息子に「そうだね、元をたどれば雲からかもしれないね」と答えたあと、私自身も改めて調べてみました。
水道の水も、もともとは自然の水なんです。
川や湖、ダムの水を「浄水場」という場所できれいにして、長い管を通して、私たちの家まで届けてくれているんですね。
「えー、じゃあダムの水を飲んでるの?」とびっくり顔の息子。
「うん、でもきちんときれいにしてから来てるから安心だよ」と答えると、「水って、旅してるんだねぇ」と感心したようにうなずいていました。
そして、使い終わった水はそのまま捨てられるわけではなく、下水道を通って下水処理場へ。
そこでまた時間をかけて処理されて、川や海など、自然へ戻っていきます。
「人が使った水も、ちゃんと自然に戻るんだよ」と話すと、息子はなんだかホッとしたような顔に。
きっとどこかで「使ったら終わり」と思っていたのかもしれません。
水道の水も、ちゃんと循環の一部になっている――それに気づけたことが、我が家にとっては大きな一歩でした。
水を大切にしたくなる気持ち
「水ってぐるぐる回ってるんだね」と何度も言っていた息子。
それ以来、ちょっとずつ行動にも変化が現れはじめました。
たとえば、以前は歯みがきをしている間、蛇口を出しっぱなしにしていたのですが、
最近は自分で止めて、「水も休憩させてあげなきゃ」と言うように。
また、お風呂の残り湯で洗濯をしているときに「これも循環だね」と言ってくれたときは、ちょっと感動しました。
「水は限りあるもの」「自然とつながっているもの」という意識が、子どもなりに育ち始めていることを感じます。
私自身も、蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水が、どれだけたくさんの人や自然の働きで支えられているのかを考えるようになりました。
そしてその水が、またどこかで雨となり、また誰かのもとへ届いていく――そんな壮大なスケールを想像すると、ちょっとロマンチックな気持ちにもなります。
小さな「どうして?」から始まった水の話が、親子での“気づきの循環”にもなっている気がします。
雨の日の会話が変わった

「また雨か…」「洗濯物が乾かないなあ」
以前の私は、雨が降るたびについそんなふうにため息をついていました。
けれど、水の循環について息子と話すようになってから、我が家の“雨の受け止め方”が少しずつ変わってきたのを感じます。
雨=自然のサイクルの一部
ある朝、窓の外を見て私が「今日も雨だねぇ」と言ったら、息子がこんなふうに返してきたんです。
「今日の雨も、海から旅してきたのかな?」
そのひと言に、ハッとしました。
ただの“濡れるもの”“困るもの”だった雨が、息子の中では「旅をしてきた水」になっていたんです。
「そうだね。きっとお日さまに温められて、空にのぼって、雲になって、いまここに来たんだね」と答えると、
「じゃあ、また雲になるかな?」とニコニコしながら続けてきました。
こうしたやり取りが、なんだかとても嬉しくて。
以前だったら「雨=イヤなもの」としか見ていなかった自分が、今では雨を見ながら「今日も自然がちゃんと働いてるんだな」と感じるようになりました。
たとえば、雨がしとしと降っているのを見て「田んぼに届いてるかな」「川がよろこんでるかな」と話したり、
ベランダの植木鉢に溜まった水を見て「ほら、水が戻ってきたよ」と教えてあげたり。
“自然の働きの一部なんだ”と意識するだけで、同じ雨の日でもずいぶんと気持ちが変わるものなんですね。
まとめ|水の循環を知ると、子どもの世界が広がる
水の循環って、理科の知識だけじゃなくて、自然と人とのつながりを感じるきっかけにもなります。
息子と一緒に水の流れをたどる中で、「水を大切にしたい」という気持ちが自然と芽生えたように思います。
もし今、お子さんに「雨ってどうして降るの?」と聞かれたら、
ぜひ一緒に、水の旅を想像してみてください。
知ることの楽しさを、きっと親子で分かち合えるはずです。