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ローマ字のつはどっち?tsuとtuを子どもに教える最適な方法

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子どもが小学校でローマ字を習い始めた頃、「ママ、“つ”って tsu だっけ? tu だっけ?」と突然聞かれて、正直ドキッとしたことがありました。私自身、普段はスマホのフリック入力ばかりで、ローマ字の細かいルールを意識することなんて滅多にありません。でも、宿題を一緒に見ていると、意外と「小さい“っ”はどう書くの?」「“ちゃ”は?」など、ローマ字の疑問がどんどん湧いてきます。

この記事では、「つ」をローマ字でどう書くのが正しいのか、学校で習う方式とパソコン入力での使われ方、家庭で子どもにどう教えると分かりやすいのかをまとめました。私のちょっとした戸惑いと体験談も交えながら、親子でスッと理解できる内容にしています。

ローマ字の「つ」は“tsu”が基本

学校で習うローマ字の中でも、「つ」の表記は親でも迷いやすいポイントの一つ。結論から言うと、小学校で一般的に教えられるのは 「つ=tsu」 です。
これは文部科学省が示す「訓令式ローマ字」を土台にしながらも、実際の学校教育では読みやすさを重視した「ヘボン式ローマ字」が広く取り入れられているためです。
我が家でも、子どもが持ち帰ったプリントには大きく“tsu”と書かれていて、「あ、やっぱりこっちなのね」と私自身も納得しました。

ヘボン式で「tsu」が使われる理由

ヘボン式は“英語話者が読んだときに自然に発音できるか”を基準として作られています。そのため、「つ」は t と s を組み合わせて “tsu” という表記になります。
たとえば外国の方が “tu” と書かれた文字を見ても、日本語の「つ」にはたどり着きにくいですが、“tsu” なら比較的近い音をイメージできます。

さらにヘボン式では、

  • ツァ → tsa

  • ツィ → tsi

  • ツェ → tse
    と派生表記も自然に書けるため、「つ」の音を系列で説明しやすいという大きなメリットがあります。

また、パスポートや駅名・市町村名などの“公的表記”は基本的にヘボン式で統一されています。そのため、子どもがこれから出会う文字の多くは“tsu”で書かれることになり、結果として日常生活でも“tsu”が標準的な表記として定着しているわけです。

子どもにどう伝えると分かりやすい?

ローマ字の説明は理屈ばかりになると子どもに伝わりにくいもの。私自身、初めて子どもから「なんで“つ”は tsu なの?」と聞かれたときは少し言葉に詰まりました。
そこで私は、できるだけ“音の感覚”から説明するようにしています。

たとえば、
「“つ”って発音するとき、口の中で“ツッ”っていう音がするでしょ?この“ツッ”が t と s が合わさった音なんだよ」
と伝えると、子どもも「ほんまや!」とすぐ理解してくれました。

そこからさらに、
「“つぁ・つぃ・つぇ”って言えるのも、もともと“ts”の音があるからなんやで」
と派生音の話をすると、より納得度が上がります。

発音の仕組みを一緒にまねしながら説明すると、「ローマ字はただの暗記じゃなくて、音とつながってるんだ」という気づきにもなり、子どものローマ字への抵抗感がグッと減るのを感じました。

「tu」も間違いではない? 訓令式ローマ字の考え方

「つ=tsu」ばかりが正解のように感じますが、実は「つ=tu」も正式なローマ字表記のひとつです。国語の教科書の巻末や辞書のローマ字表を見ると、「つ」の欄に tu と書かれていることがあり、「あれ?学校で習ったのと違う」と戸惑った経験がある方もいるかもしれません。
この tu は、日本国内向けに作られた「訓令式ローマ字」という方式に基づいた表記です。訓令式は、日本語の音の並びを規則的に整理することを重視しており、日本人が国語としてローマ字を学ぶときに扱いやすいルールを目指して作られた方式です。

訓令式で「tu」が採用される理由

訓令式の特徴は、「た行は全部 t でそろえる」という考え方です。
そのため

  • ta

  • ti

  • tu

  • te

  • to

という形で、母音だけが変わる整った並びになります。「つ」だけ tsu と書いてしまうと、ここだけ子音が増えてしまい、規則から外れてしまいますよね。そこで訓令式では、「例外をできるだけ無くそう」という発想から「つ=tu」を採用しています。

こうした考え方は、ローマ字を“表”として眺めたときにはとてもきれいですし、「た行は全部 t+母音」と説明できるので、文法的・体系的には分かりやすいと言えます。
ただ、日常生活の中で目にするローマ字(パスポート、駅名、看板など)はほとんどがヘボン式で書かれています。そのため、実際に街中で「tu」の「つ」を見る機会はかなり少ない、というギャップが生まれているんですね。

家庭で混乱しないためのポイント

問題は、子どもがこの「2つの表記」に触れたときです。
我が家でも、宿題のプリントでは tsu と書いてあるのに、教科書の巻末の表には tu が載っていて、「どっちが本物なん?」と子どもに聞かれました。

そんなとき、私は
「ローマ字には“言い方が少し違う2つのルール”があるんだよ。どっちも間違いじゃないよ」
と前置きをしたうえで、
「でも、学校のテストやパソコン入力では“tsu”を使うことがほとんどだから、まずは tsu を覚えておけば安心
と伝えるようにしています。

親が「こっちは間違い」と決めつけてしまうと、後で別の表記に出会ったときに子どもが余計に混乱してしまいます。

  • ルールが複数あることをサラッと伝える

  • そのうえで“今使う場面ではどれを選べばいいか”を教える

この2つを意識しておくと、「tu を見てもパニックにならないけれど、普段は tsu で書く」というちょうどいい落としどころを親子で共有しやすくなります。

パソコン入力ではどちらが正解?

最近は、小学校でもパソコンやタブレットの時間が増え、ローマ字を学ぶ目的が「キーボード入力とつながっている」ことを子ども自身が実感しやすくなっています。だからこそ、「つ」をどう打つのが正しいのかは、親にとっても気になるポイント。
結論から言うと、パソコン入力の世界では “tsu” でも “tu” でも、どちらでもちゃんと「つ」が入力できます。
これは日本語変換を支える IME(日本語入力ソフト)が、学習しやすさと柔軟性のために複数の入力パターンを認識しているからです。

IME(日本語入力ソフト)の仕様

試しに子どもと一緒にパソコンで「つ」を入力してみると、その柔軟さに驚くはずです。
実際に入力してみると――

  • “tsu” → つ

  • “tu” → つ

  • “twu” → つ(ややマニアックな入力ですが、対応しているIMEもあります)

つまり、ローマ字表記としては違っていても、IMEは「この音は“つ”に変換したいんだな」と理解してくれる仕組みになっているのです。
特に“tu”のように訓令式での表記にも対応させているのは、ユーザーごとに入力のクセが違っても困らないようにという配慮があります。

この柔軟性のおかげで便利な反面、子どもに教える側としては「じゃあ結局どれを覚えればいいの?」と迷いがちです。

最初に教えるなら“tsu”が安心

我が家では、はじめは迷わず“tsu”を教えるようにしています。その理由はとてもシンプルで、
“学校で習うローマ字表記と、キーボードの入力を一致させたほうが混乱が少ない”
からです。

子どもがローマ字を覚えるときは、書く・読む・打つの3つが同時進行します。ここで複数のパターンを許可してしまうと、
「どっちやったっけ?」
と毎回立ち止まってしまい、覚えるスピードが落ちてしまうことがあります。

一方、“tsu”に一本化しておけば、

  • 学校のテスト

  • プリント

  • パソコン入力
    のどこでも同じ方法で使えるため、子どもにとって分かりやすい「ひとつの軸」ができるんですよね。

もちろん、慣れてきたら子ども自身が“tu”のほうが打ちやすいと感じる場面も出てきます。でも、それはもうローマ字に十分慣れてからの話。
最初のうちは、家庭として「まずはtsuで覚えようね」と決めてあげたほうが、ローマ字学習がスムーズに進みます。

この“ひとまず統一しておく”という小さな工夫が、子どもにとって大きな安心感につながると、私自身の経験からも感じています。

小さい「っ」はどう書く? 親がつまずきやすいポイント

「つ」の話をすると、必ずセットで出てくるのが「小さい“っ”」。
私自身も小学生のころ、「ローマ字表には“つ”はあるのに、どうして小さい“っ”は載ってないんだろう?」と不思議に思っていました。
子どもから同じ質問をされると、つい「そういえば…」と答えに詰まりがちですよね。

小さい“っ”は、あくまで「音を一瞬止める記号」のような存在で、ひらがなの“つ”そのものとは役割が違います。この違いをイメージできるようになると、ローマ字の覚え方がぐっとラクになります。

小さい「っ」は子音を重ねる

基本ルールはとてもシンプルで、「小さい“っ”が出てきたら、次の文字の子音をもう1つ重ねる」 というものです。

  • がっこう → gakkou

  • きって → kitte

  • バッグ → baggu

声に出して読んでみると、がっ・こう、きっ・て、ばっ・ぐ、というように、息が一瞬止まる場所がありますよね。この「一瞬のつっかえ」をローマ字では子音を重ねることで表しています。

子どもと一緒に声に出しながら、
「ここで止まってるところに“っ”があるんだよ」
と確認していくと、ただの暗記ではなく“体で覚える”感覚に近くなります。そうすると、「がっこうは gakkou、じゃあ“はっぱ”は?」と、自分で考えて当てはめられるようになってきます。

“っ”が「つ」になる場面もある

少しややこしいのが、「小さい“っ”なのに、ローマ字では“tsu”を使ったり“t”を足したりするパターン」です。

たとえば、

  • まっすぐ → massugu

  • こっち → kocchi

このあたりは、辞書によって表記が揺れたり、ヘボン式・訓令式で書き方が変わったりします。ローマ字表を見比べると大人でも混乱するくらいなので、子どもが戸惑うのも無理はありません。

そこで我が家では、まず最初に
「小さい“っ”は、ひらがなの“つ”とは別物だと思ってね」
と線を引いて説明しています。

  • ひらがなの「つ」→ tsu / tu で“音そのもの”を表す文字

  • 小さい「っ」→ 次の音を強くするための「待つ記号」

というイメージを共有しておくと、子どもも「じゃあ“っ”があるときは、とりあえず次の子音を2つにするんやな」とルールを整理しやすくなります。細かい例外や表記の揺れは、ローマ字に慣れてきてから少しずつ教えれば十分。最初はシンプルなルールひとつに絞っておくほうが、親子ともにストレスが少ないと感じています。

家庭でローマ字を教えるときのコツ

ローマ字は、“理屈”と“慣れ”のバランスがとても大事です。
テキスト通りにきれいに説明しようとすると、親のほうが緊張してしまいますが、実際は「だいたい分かる」「なんとなく打てる」を少しずつ積み重ねていく学び。ローマ字は“完璧に説明してから始めるもの”ではなく、“触りながら慣れていけばいいもの”くらいに構えておくと、親子ともに気持ちがラクになります。
子どもがつまずきやすいポイントを少しだけ押さえておくと、「ママ(パパ)も一緒に練習しよう」というスタンスで、自然な形で教えていけます。

覚える順番は「読む」より「打つ」

我が家では、まず「ローマ字表を見て覚える」のではなく、子どもがよく使う言葉を一緒にパソコンで打ってみるところから始めました。
たとえば

  • 自分の名前

  • 家族の名前

  • 好きな食べ物やゲームのタイトル
    など、子どもにとって身近な単語からスタートします。

“つ”や“っ”はもちろん、

  • “shi” と “si”

  • “chi” と “ti”
    といった表記ゆれが多い文字も、実際にキーボードで打ってみるほうが「こっちは出るけど、こっちは出ないんや」「どっちでも出るんや」と体感として覚えやすいんですよね。

紙の上だけでローマ字を覚えようとすると、「覚えさせられている感」が強くなりがちですが、キーボード入力だとゲーム感覚で取り組めます。
「今日覚えたのは“つ”と“っ”ね」「次は“きゃ・きゅ・きょ”にチャレンジしてみようか」と、小さなステップに区切ってあげると、子どもも「できた!」を実感しやすくなります。

親が間違えても大丈夫

正直に言うと、私は今でも“tsu”のつづりを一瞬ど忘れすることがあります。
でも、そのときに「やばい、親なのに分からない」と焦るのではなく、
「ママも忘れてたわ。一緒に調べてみよっか」
と子どもと並んで検索したり、ローマ字表を開いたりしています。

その時間が、ただの“勉強”ではなく

  • 「分からないことを調べる練習」

  • 「大人だって完璧じゃないんだと知る機会」
    にもなっていると感じます。

子どもから
「ママでも忘れるんやね」
と笑われることもありますが、それくらい肩の力が抜けていたほうが、ローマ字へのハードルも下がります。
親が答えを即答できないことよりも、「一緒に考える姿勢」を見せるほうが、長い目で見ると子どもの学びにはプラスになっていきます。

混乱しがちな部分は“ひとまず1つに決める”

ローマ字には、どうしても「どっちでも正しい」表記がいくつかあります。

  • つ → tsu / tu

  • し → shi / si

  • ち → chi / ti

  • ふ → fu / hu

など、教える側から見ても「いろいろありすぎる」と感じる部分ですよね。

そこで我が家では、家庭内ルールとして

  • “つ”は tsu に統一

  • 小さい“っ”は「次の子音を重ねる」
    この2つだけ、しっかり決めています。

教科書やネットで別の表記を見つけたときには
「これもアリやけど、家と学校ではまずこっちを使おうね」
と伝えておくと、子どもも「あ、これは“もう1つの言い方”なんやな」と受け止めやすくなります。

ノートの最後のページなどに

  • 「わが家のローマ字ルール」
    としてまとめておくのもおすすめです。
    宿題のときに子どもが迷ったらそこを一緒に確認するだけで済むので、「毎回説明し直す」という小さなストレスも減ります。

ルールを増やしすぎると親も覚えきれなくなってしまうので、最初は

  • つ → tsu

  • っ → 子音を重ねる
    この2つくらいからで十分。あとは、子どもが成長してから必要に応じて「実は他の書き方もあるんだよ」と少しずつ広げていけば間に合います。

まとめ|まずは“tsu”でOK。親子でゆっくり慣れていけば大丈夫

ローマ字の「つ」は、学校でもパソコンでも“tsu”が最もよく使われる表記です。訓令式での“tu”が間違いというわけではありませんが、家庭で学ぶ段階では表記をひとつに決めておくほうが、子どもにとって圧倒的に分かりやすいです。
ローマ字は「正しさ」よりも「使いやすさ」が日常生活に直結するので、まずは迷わずに書ける・打てることを大切にしたいところです。

学校のプリント、タブレット学習、パソコンでの入力、そして家でのちょっとしたメモ――親子が触れる場面のすべてで、同じ表記が使えるという安心感は大きいもの。子ども自身も、「あ、これ前も見た」「これで合ってるんや」と自然に自信をつけていきます。

また、“つ”だけでなく“小さいっ”の扱いなど、ローマ字にはどうしても迷いやすいポイントがつきものです。そんなときに、「家のルールはこれ」と決めておくと、子どもが立ち止まらずに学習を進めやすくなります。親にとっても説明がブレなくなるので、宿題時間がグッとスムーズになります。

そして何より、ローマ字は“完璧さ”を求めすぎなくて大丈夫。今日の宿題の時間に、お子さんと一緒に
「つってどう書くんだっけ?」
と軽く確認し合うだけでも、それは立派な学びになります。

親子で声に出してみたり、パソコンで一緒に入力してみたり、ちょっとしたやり取りの中でローマ字は自然と身についていきます。あせらず、一歩ずつで十分。
ローマ字は、“使いながら慣れていく”くらいの気持ちがちょうどいい と、私自身も子どもと学びながら実感しています。

これからも、親子のペースでゆっくり進めてくださいね。