毎年、どこかで起こる自然災害。ニュースを見て「うちも準備しないと」と思っても、実際に行動に移すのって難しいですよね。私もそうでした。
でも、子どもが生まれてから「この子を守れるのは私しかいない」と思うようになり、防災グッズを見直すようになったんです。やってみてわかったのは、「そろえること」よりも「定期的に見直すことの大切さ」。
この記事では、わが家の防災グッズのそろえ方・見直し頻度・実際に役立ったものなど、体験を交えてご紹介します。忙しい毎日でもできる、無理のない備え方のコツを一緒に見直してみませんか?
目次
なぜ防災グッズの見直しが必要なの?

子どもの成長や季節で必要なものが変わる
わが家には今、小学生と保育園児がいます。子どもが赤ちゃんの頃にそろえた防災グッズには、粉ミルクや哺乳瓶、おしりふき、ベビーフードなどが入っていましたが、今では全く必要なくなりました。
代わりに、成長とともに「絆創膏」「消毒液」「子ども用マスク」などがマストアイテムに。さらに、学校で薬の管理が必要になったタイミングから「常備薬」も入れるようになりました。
子どもが成長するたびに、防災バッグの中身はアップデートが必要になるんです。赤ちゃん時代のままの中身では、いざというとき「これじゃ足りない」と焦ってしまうかもしれません。
また、季節によっても必要なものはガラリと変わります。
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夏は、熱中症対策として「塩分タブレット」や「冷却シート」「飲みやすいゼリー飲料」などがあると安心。
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冬は、毛布や使い捨てカイロ、防寒アルミシートがないと不安です。
私自身、寒い日の避難訓練で「カイロがあるだけで心強い」と感じた経験があります。季節に応じた中身の入れ替えは、実はとても重要なポイントなんですよね。
賞味期限・使用期限があるものも多い
もうひとつ大きな理由が、「中身の劣化」です。防災食や水、乾電池、薬、簡易トイレなど、意外と多くのアイテムに賞味期限や使用期限があります。
「いざというときのために」と買った非常食や水も、使わないまま数年放置していると、気づかないうちに期限切れになっていることが本当に多いです。
実際、私も一度、防災リュックの中から2年前に期限切れになっていた乾パンを発見して青ざめました…。そのとき「ただ入れておくだけじゃダメなんだ」と痛感しました。
乾電池も同様で、いざというときに使おうと思ったら液漏れしていた、なんてことも。モバイルバッテリーも充電したまま長期間放置していると、バッテリーが劣化して使えなくなってしまう可能性があります。
こうしたことを防ぐためにも、年に1〜2回は中身を全部出してチェックする「点検の日」を決めておくのが安心です。
わが家の防災グッズ、見直し頻度はどれくらい?

年2回の“点検デー”を決めています
防災グッズの見直しって、正直ちょっと面倒に感じますよね。「備えなきゃ」と思っていても、つい後回しにしてしまいがち。でも私は、ある日ふと「もし今、地震が来たら…」と考えたときにゾッとしたんです。
防災リュックは押し入れの奥、子どもが生まれた頃に慌てて買ったもののまま。何が入ってたっけ…?と思って開けてみたら、サイズアウトした服や期限切れの水ばかりで、愕然としました。
それを機に、わが家では毎年4月と10月の年2回、「防災点検デー」を家族の行事にすることにしたんです。ちょうど新年度のスタートと、衣替えの時期。生活が切り替わるこのタイミングで「防災グッズも見直そう!」と決めておくと、忘れにくくなりました。
当日は、家族みんなで防災バッグをリビングに持ってきて中身を全部広げます。
「これ、まだ使える?」「この缶詰、去年も見た気がする〜」「あ!このおやつ食べていいの?」なんて、子どもたちも大はしゃぎ(笑)。
家族で笑いながら確認するだけでも、災害への意識がぐっと高まる気がしています。
子どもが小さい時期は季節ごとに
乳児〜未就園児の時期って、本当に成長が早いですよね。
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1か月前まで使っていたオムツが、もう小さい
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離乳食期が終わってレトルトおかゆが不要になった
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おむつ卒業後は、逆に着替えの数を増やすようにした
などなど、子どもが成長するたびに、防災バッグの内容を見直す必要がありました。
特にわが家では、トイレトレーニング中に災害が起きたら…という不安から、「おねしょ対策用のパッド」や「簡易おまる」も防災用として車に積んでいたことがあります。
小さな子どもがいる家庭は、季節だけでなく「今の育児フェーズ」に合わせて中身を見直すのが本当に大事だと感じました。
頻度としては、最低でも年2回。でも、乳幼児期は「季節の変わり目ごと(春・夏・秋・冬)」に軽くチェックするだけでも安心感が全然違います。
防災グッズ、何をそろえたらいい?

基本セットは「72時間を生き抜く」ためのもの
災害時に支援が届くまでの時間は、一般的に「72時間(=3日間)」と言われています。だからまずは、この72時間を自力で乗り越えるための備えが必要です。
私が最初にそろえたのは、いわゆる“基本セット”。インターネットで調べて、楽天で「防災士監修」のリュックを購入しました。届いたときは「これで安心!」と思ったのですが…中身を開けてみてびっくり。想像していたよりも内容がシンプルで、「これだけで本当に足りるのかな?」と不安になったのを覚えています。
基本セットに入っていたのは、こんなアイテムでした。
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飲料水(1人あたり1日3リットルが目安)
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非常食(レトルトご飯・缶詰・栄養補助食品など)
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簡易トイレ
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モバイルバッテリー
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懐中電灯・携帯ラジオ
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救急セット(ガーゼ・消毒液・絆創膏など)
この中でも、飲料水と非常食は人数分をしっかり確保しておくことが最優先だと感じました。特に水は、調理や歯みがきなどにも使うので、思っている以上に必要です。
また、モバイルバッテリーは「普段の生活でも使えるもの」を選ぶと管理もしやすく、日常の中での充電忘れも防げます。
わが家で追加した「わたし仕様の防災グッズ」
基本セットだけでは、正直「我が家には足りない」と感じた私。そこからは、家族の暮らしや子どもの年齢に合わせて、中身をカスタマイズしていきました。
追加したものの中で、実際に「これは入れてよかった!」と思えたのは次のようなアイテムです。
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子ども用の服(下着・靴下も含めて1セットずつ)
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使い慣れた薬(市販薬・アレルギー薬・解熱剤など)
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家族の写真(スマホが使えなくなった時の身元確認用にも)
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ポリ袋・食品用ラップ(食器の代用や衛生対策に)
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ウェットティッシュ(手洗いできないときに)
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子どものおやつ(チョコ、ラムネ、ビスケットなど)
特に、子どものおやつは心の支えになる大事なアイテムだと思っています。災害時って、大人でも不安になるもの。そんなとき、「おやつがあるだけでホッとする」と、子ども自身が言ってくれたことがありました。
それ以来、わが家では「賞味期限が切れる前に入れ替えて、期限の近いものは“点検デー”のお楽しみに食べる」というサイクルを作っています。
また、家族の写真を入れておくのは、スマホの電池切れ対策でもあります。避難所で家族と離れたときの確認用や、身分証代わりになるケースもあると聞いて「なるほど」と思って入れるようになりました。
「わが家らしい防災グッズ」こそ、本当に役立つ備えになると感じています。テンプレ通りではなく、「うちに必要なものって何だろう?」と考える時間が、備えそのものになるのかもしれません。
家族構成に合わせた備えが大事

子どもがいる家庭の備え方
子どもがいると、大人だけの家庭とは違って、災害時の不安材料がぐっと増えます。大人なら「ちょっと我慢しよう」と思えることも、子どもにとっては大きなストレスになるんですよね。
たとえば、
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慣れないニオイ
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暗い空間
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周囲の人のざわめきや音
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トイレが自由に使えない不便さ
など、想像以上に敏感に反応します。
私自身も、避難所で子どもが泣き出してしまったら…と不安になったことがあります。周囲に迷惑をかけないか、子ども自身が怖がらないか、親としては心配が尽きません。
そこで、わが家では防災リュックに「心の安心グッズ」を入れるようにしました。
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お気に入りのぬいぐるみ
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折り紙セットやクレヨン
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小さめの絵本(読み聞かせ用)
「お母さん、これもっていっていい?」と息子が選んだのは、小さなミニカー。子どもが自分で選んだ「お守りアイテム」は、不安な場面でも安心感を与えてくれる存在になります。
また、おやつやラムネなどの“楽しみ要素”も、子どもの気持ちを落ち着かせる大切な助けになります。
さらに、避難所では子どもが泣いてしまったり、おむつのにおいが気になったりと、まわりへの配慮が必要になる場面も多いと聞きます。そんなときのために、「おむつ用の消臭袋」や「使い捨ておむつマット」なども備えておくと安心です。
「子ども目線で想像すること」が、親の備えに欠かせない視点だなと、準備を通して感じました。
共働き家庭は「家にいない時間」も想定
共働きの場合、平日の日中に災害が起きたら、子どもと別々の場所にいる可能性が高いですよね。
それなのに、私は以前まで「家にある防災グッズ」だけで満足してしまっていました。
でもふと、「その時間、私は職場にいるじゃん…」と気づいてゾッとしたんです。
そこから、次のような備えを始めました。
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子どもが通う保育園や学校の防災方針を確認する
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緊急時の引き取りルールや避難先を家族で共有する
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職場に「簡易防災セット」を常備するようにした
私の職場用セットには、以下を入れています。
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ペットボトルの水(500ml × 2本)
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歩きやすいスニーカー(ヒール靴のままだと危険)
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笛(身動きが取れないとき用)
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小型ライト(暗闇での移動に)
たとえ自宅の防災リュックが完璧でも、「その場にいなければ使えない」ことを忘れちゃいけないなと思いました。
子どもとの連絡手段が限られる災害時には、事前に「こういう時はこうする」と家庭内で決めておくだけでも、かなりの安心材料になります。
実際に使ってわかった、備えておいてよかったもの

震度5の地震を経験して感じたこと
数年前、わが家の地域で震度5弱の地震がありました。夜の時間帯で、子どもたちと自宅にいたのですが、突然の揺れに加えて、そのあと数時間の停電と断水が起こり、いつも通りの生活が一変しました。
電気が止まると、家の中が真っ暗。子どもが「こわい…」と泣き出しそうになったとき、すぐに取り出せた懐中電灯が本当に頼りになりました。
手持ちのLEDライトは電池式だったのですが、光が安定していて長時間使えたのがありがたかったです。ライト1つで、子どもの不安を和らげられることを実感しました。
その次に役立ったのが、食品用ラップと使い捨ての紙皿・紙コップです。水が出ない中、食器を洗うことができず、使い捨てできるものの便利さを痛感。
とくに「お皿にラップを敷いて使う」方法は、想像以上に衛生的で、ゴミも最小限。これ以降、ラップは防災リュックに2本常備するようになりました。
そして、意外だったのが「トイレットペーパー」。地震から数日間、スーパーの棚から姿を消しました。私たちはたまたま予備が家にあったのですが、日常で使う消耗品こそ、ストックを切らさない工夫が必要だと強く感じました。
「災害用」として買うのではなく、「いつもより少し多めに買っておく」というだけで、いざというときの安心感が変わります。
SNSや地域アプリでの情報収集も有効
もうひとつ、地震のあとに重要だと実感したのが「情報収集」。
テレビが映らない中、スマホが唯一の情報源になりました。Twitter(現在のX)では、近所の人の投稿やリアルタイムの被害状況、給水所の場所などがすぐにわかり、自治体アプリでは避難所の開設情報や注意報が通知で届きました。
ただ、そのとき気づいたのは、「フォローしていなければ情報が流れてこない」ということ。
災害が起きてからでは遅いので、事前に自治体や地域の防災アカウントをフォローしておくことがとても大事です。
また、スマホが命綱になる反面、電池が切れると何もできなくなるため、モバイルバッテリーの重要性も改めて実感。
私は、普段使いしているモバイルバッテリーとは別に、防災用に「ソーラー充電対応」のものを1つ用意しています。多少時間はかかりますが、晴れた日であれば繰り返し使えるのが安心ポイント。
子どもが寝静まったあと、ラジオを聞きながら情報をチェックしていた時間は、「知っていることが安心につながる」ということを深く感じた瞬間でもありました。
まとめ|防災グッズは「そろえて終わり」じゃない!
防災グッズは一度そろえたら終わり…ではなく、「定期的な見直し」が何より大切だと実感しています。
子どもの成長、季節の変化、生活スタイルに合わせて、中身はどんどん変わっていくもの。完璧じゃなくても、「今のわが家に合った備え」を続けることが安心につながります。
まずはカレンダーに「点検デー」を決めてみませんか?
年2回だけでも、見直すだけで心の余裕が変わります。
家族の命を守るために。忙しい日々の中でも、できることから少しずつ備えていきましょう。