「お手伝いって、どうやったら習慣になるんだろう?」
子どもにお手伝いを頼んでみても、最初だけで続かない…。
私自身も、何度もそんな悩みにぶつかってきました。
でもあるとき、「親子で一緒に楽しむこと」が一番の近道だと気づいたんです。
今では、お手伝いがわが家の日常にしっかり根づいてきました。
この記事では、そんな私の体験を交えながら、子どもがお手伝いを楽しく・自然に習慣化していくためのコツをご紹介します。
目次
お手伝いが「続かない」理由を考えてみた

最初はやる気満々でも、なぜか続かない…。
「よし、やってみよう!」と一度は乗り気になってくれた子どもが、数日経つと「今日はいい〜」「めんどくさい」と言い出す。
そんな繰り返しに、私もついイライラしてしまっていた時期がありました。
でもある日、「どうして続かないのか」を、子どもの立場になって考えてみたんです。
すると見えてきたのは、大人目線では見落としていた“気持ちの壁”でした。
「やらされてる」と感じてしまう
私もよく、「もう何回言わせるの!」「早くやりなさい!」と、つい強めの口調になってしまっていました。
忙しいときほど、命令形での声かけになりがちなんですよね。
でもよく考えると、大人だって同じです。
「これお願いしていい?」「手伝ってもらえると嬉しいな」って言われるのと、
「やって!」とだけ言われるのでは、気持ちの入り方が全然違います。
子どもだって、自分の意思で動きたいし、「自分でやろう」と思えるきっかけが必要なんだと思います。
それからは、なるべく「命令」ではなく、「提案」や「お願い」に変えてみました。
たとえば、
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「お皿を運ぶの、〇〇ちゃんの係にしてもいい?」
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「ママひとりじゃ大変だから、ちょっと手伝ってもらえる?」
そう伝えると、不思議なくらい素直に動いてくれることが増えたんです。
「やらされ感」をなくす声かけだけで、子どもの反応は大きく変わります。
成功体験がないと、やる気が続かない
「できた!」「やった!」という気持ちって、すごく大事なんだと実感しています。
でも以前の私は、それを邪魔してしまっていたかもしれません。
たとえば、靴を並べてくれた子どもに対して、
「それ、逆になってるよ」とか「もう少しきれいに並べてね」と、つい言ってしまったことが何度もあります。
でも考えてみたら、せっかくの“やってみよう”の気持ちに水を差していたんですよね。
それ以来、最初はどんなに不格好でも、まずは感謝と称賛。
「ありがとう!助かった!」「わあ、きれいにしてくれたね!」と、オーバーリアクション気味なくらい褒めるようにしたら、
子どもの表情がぱっと明るくなるのを感じました。
「自分にもできた!」という達成感が積み重なることで、
「次はこれもやってみようかな?」と、自発的な行動につながっていきます。
そして、うまくいかなかったことも「どうしたらうまくいくか?」を一緒に考える時間に変えれば、学びの機会にもなります。
「習慣化」のカギは“楽しさ”だった!

「どうすれば、毎日続くようになるんだろう?」
私も最初は、“仕組み”や“ルール”ばかりに目を向けていました。
でも、子どもと一緒に過ごす中で気づいたんです。
いちばん大事なのは、「楽しい!」と感じること。
大人でも、イヤイヤやることは長続きしませんよね。
子どもだって、遊びの延長で楽しめることの方が、自然と毎日の中に溶け込んでいきます。
わが家で効果のあった“楽しさ重視”の工夫をいくつか紹介します。
選ばせるだけでやる気アップ
「これやって」ではなく、「どれがいい?」と選択肢を出すだけで、子どもの表情が変わります。
小さなことですが、「自分で決めた」という感覚が、やる気のスイッチになるんです。
うちでは、ホワイトボードに「今日できるお手伝いリスト」を書いておいて、
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洗濯ものをたたむ
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お皿を並べる
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玄関をほうきで掃く
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テーブルを拭く
など、簡単なものを並べておきました。
子どもは「今日はコレにする!」と、自分で選んだものに責任を持って取り組んでくれるようになりました。
「やらされる」ではなく、「やりたいからやる」感覚を持たせてあげるだけで、毎日が前向きに。
ごっこ遊び感覚でやってみる
子どもって、“なりきり”の天才です。
先生ごっこ、警察ごっこ、レストランごっこ…。どんな日常も遊びに変えてしまいます。
ある日、おもちゃを片づけてもらおうとしたときに、
「お片づけ係さん、出動お願いしまーす!」と声をかけてみたら、思った以上にノリノリでやってくれたんです。
それからは、
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「お掃除ロボット隊、お願いします!」
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「本日のレストラン係さんはこちら〜」
など、ちょっとした呼び方や演出だけで“ごっこスイッチ”が入るようになりました。
遊びとお手伝いの境界線をあえてあいまいにすることで、
「しなきゃいけないこと」ではなく、「やってみたいこと」に変わっていくのが面白いです。
タイマーで「チャレンジ感」をプラス
子どもって、競争やチャレンジにも弱いんですよね。
ある日、「3分でどこまで片づけられるかな?」とキッチンタイマーをセットしてみたら、
ものすごいスピードでおもちゃを片づけ始めた息子にビックリ。
それからは、「タイマーチャレンジ」がわが家の定番に。
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5分で靴を全部そろえられる?
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お皿を配るの、1分でできるかな?
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ストップウォッチで“新記録”に挑戦!
など、時間を区切るだけでゲーム感覚になり、飽きずに続けられるようになりました。
兄弟がいる家庭なら、「どっちが早いか勝負!」も盛り上がりますし、
一人っ子でも「昨日より早くできた!」が自信につながります。
終わったあとは、必ず拍手と笑顔で「がんばったね〜!」のひとこと。
この小さな達成感が、次のやる気に変わっていきます。
「お手伝いリスト」で見える化すると変わる!

「毎日ちがうお手伝いを考えるのって大変…」
そう感じていた頃、わが家で取り入れたのが「お手伝いリスト」でした。
最初はA4サイズのホワイトボードに、子どもでも読めるようにイラスト付きで書き出しただけ。
でも、それだけで子どもの“やる気スイッチ”が格段に入りやすくなったんです。
たとえば、こんな風にリストを作成しました。
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洗濯物をたたむ
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テーブルを拭く
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靴をそろえる
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お箸を並べる
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おもちゃを片づける
できたら、名前の横にシールを1枚ペタッ。
たったそれだけなのに、「今日はこれやる!」と張り切ってリストを見に行くようになりました。
ごほうびは“家族時間”にすると楽しい!
ポイント制にすると、どうしても“物”がごほうびになりがちですが、
うちではあえて「一緒に過ごす時間」をごほうびにしています。
たとえば、
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シール5枚で「お菓子作りDAY」
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10枚で「好きな絵本を買いにいこう」
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15枚たまったら「おうち映画館ナイト」
など、“家族のイベントとして楽しめること”を設定することで、やりがいとワクワク感が続きます。
シールをためていく過程も、「あと1枚でお菓子作れるね!」と親子で盛り上がれるので、モチベーションも長続き。
お金をかけずにできるごほうびでも、工夫次第で特別な時間になります。
「ありがとう」の見える化もセットで

お手伝いをしてくれたあとの「ありがとう」って、本当に大切だなと感じています。
最初の頃は、やってくれたことより「もっとこうしてほしい」が先に出てしまって、反省することもありました。
でも今は、どんなに小さなことでも“ありがとう”を伝えることを意識しています。
「〇〇してくれて助かったよ」
「今日は忙しかったから、本当にありがたかった」
そんなひとことを添えるだけで、子どもの目がキラッと輝くんです。
「ありがとうカード」で記録に残すと自信に変わる
ある日、「今日もありがとう」をもっと残したくて、カードに書いてみたんです。
ちょっとしたメモ帳に、「〇〇してくれてありがとう!」と一言書いて渡すだけ。
すると、子どもがそのカードを大事に机に飾っていて。
それを見たとき、「言葉って目に見えると、より心に残るんだな」と実感しました。
今では「お手伝いアルバム」も作成中。
写真+お手伝いの内容+コメントを貼っていく形式で、見返すたびに親子でニコニコできます。
目に見える「ありがとう」は、子どもの“自己肯定感”をじわじわ育ててくれる気がしています。
失敗してもOK!「ゆるく、楽しく」が続く秘訣

正直に言うと、私もこれまでに何度も挫折しています。
「よし、これから毎日やっていこう!」と意気込んで、お手伝いの仕組みを整えてみたものの…
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初日で飽きてしまう
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リストを見ても「今日はやらない」と言われる
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せっかく作った仕掛けが無視される
なんてことも、日常茶飯事でした。
そんなとき、「どうしたらうまくいくんだろう?」と考えて気づいたのが、「完璧を求めすぎていた」ということ。
子どもが続けられないのは当たり前、親の理想どおりに動かないのも当たり前。
そう思えた瞬間から、気持ちがふっと軽くなりました。
今では、「今日は何もできなかったな〜」という日があっても、まったく気になりません。
1つでもできたら十分、ゼロでもまた明日がある。
そう考えることで、親も子も無理なく続けられるようになりました。
“完璧”を目指さないからこそ、長く続く
以前は、「せっかくここまで続いたのに、今日はできなかった…」とガッカリすることもありました。
でも、そういうネガティブな気持ちって、子どもにも伝わってしまうんですよね。
だから今は、できなかった日は「そっか〜、今日はお休みだね」とサラッと流します。
逆に、できた日は思いきり喜ぶ。
続いていることよりも、今日の“ひとつ”を大事にすることで、自然とリズムが生まれてきました。
子どもにとっても、「やらない日があってもいいんだ」と思えることで、気がラクになるようです。
“毎日やる”ことよりも、“またやりたくなる”気持ちの方が大切。
そう思えるようになったら、親の私自身も気持ちがぐっと楽になりました。
「親が楽しむ姿」を見せる
結局いちばん大切なのは、「親の姿勢」かもしれません。
どれだけ工夫を凝らしても、親がイライラしたり、面倒そうにしていたら、子どもは敏感に感じ取ります。
逆に、私が「よーし!今日はお皿洗い選手権〜!」と、ふざけながら台所に立っていると、
「なになに?手伝うー!」と寄ってくることもあります。
「家事を楽しんでいる大人の姿」は、子どもにとって最高の教材。
楽しそうに取り組んでいる姿を見せることで、「お手伝いって大変だけど、悪くないな」と感じてもらえるようになります。
特別なことはしなくてもいいんです。
ニコニコしながら「今日は〇〇やるね〜」と口にするだけでも、子どもには伝わります。
「お手伝い=しんどいこと」「やらされるもの」ではなく、
「家族の一員として、自然に関わっていくもの」だと感じてもらえるように。
そのためには、まずは親が“お手伝いを楽しむ心”を忘れずにいたいと思っています。
年齢別・おすすめのお手伝い内容

子どもの年齢によって、できること・楽しめることは大きく違います。
無理なく取り組める内容を選ぶことで、「できた!」という達成感が生まれ、次のやる気にもつながります。
ここでは、わが家で実際にやってみてよかったお手伝いを、年齢別にご紹介します。
それぞれの時期に合った声かけや関わり方のポイントも一緒にまとめました。
未就学児(3〜6歳ごろ)
この時期は「お手伝いごっこ」からスタート。
遊びの延長として関わることで、楽しみながら習慣化の土台が作られていきます。
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洗濯物をカゴに入れる
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ティッシュやリモコンを運ぶ
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机をふく(ウエットティッシュでもOK)
どれも短時間で終わる、シンプルなお手伝いが◎。
あらかじめ失敗しても大丈夫な環境を作っておくと、安心して任せられます。
「ありがとう〜助かる〜」の一言で、笑顔が一気に広がるのがこの年齢。
褒められることそのものがモチベーションになるので、少し大げさなくらいに喜んでみせるのがおすすめです。
「すごい!ママよりきれいにふけてる〜!」なんて言うと、子どもは得意げな顔に。
小学生低学年(7〜9歳ごろ)
ルールや順番も少しずつ理解できるようになってきて、お手伝いの幅が広がる時期です。
「自分の役割」として任せると、責任感も育っていきます。
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テーブルの配膳・片づけ
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洗濯物をたたむ(靴下だけ、タオルだけなど部分的でもOK)
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玄関の靴を並べる・下駄箱に入れる
この頃の子どもは、「自分がやるべきこと」を明確にしてあげると動きやすくなります。
「今日の〇〇係はお願いできる?」と名前をつけて役割化するのも◎。
お手伝いのあとは、「じゃあ次は何する?」と自然に次の動作につなげるのがポイントです。
「配膳できたら、お茶を用意するところまでお願いできる?」と、ワンステップ追加すると、スムーズに流れが作れます。
また、「やってくれて助かった〜!」だけでなく、「自分だったらこのあとこうするかな?」と一緒に考えるのも成長につながります。
小学生中学年〜高学年(10〜12歳ごろ)
この時期になると、作業の理解度や丁寧さがぐんと上がります。
また、「家族の一員としての自覚」も芽生えてくるので、あえて少し難しい仕事を任せてみると、驚くほど頼もしくなります。
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ごはんの炊飯セット(米とぎ・水加減・炊飯予約など)
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洗い物の食器を水切りカゴに並べる
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家族の予定表づくりなどの“書く系”サポート(ホワイトボードに予定をまとめるなど)
「任せてみる」と「見守る」のバランスが大切な時期。
少し不器用でも、「ここまでできるようになったんだ」と信じて任せることが、子どもにとって大きな自信になります。
また、目に見える形で“結果”が残るお手伝いが効果的。
たとえば、予定表を書いてもらったら、家族がそれを見て「助かる〜」「見やすいね」と反応するだけで、自信が深まっていきます。
役割を「お願い」するのではなく、「任命」するのもおすすめ。
「今日のリーダーお願いね!」と伝えると、自分で判断して動く力が育っていきます。
まとめ|“お手伝い=楽しい”が習慣化の第一歩
お手伝いを習慣化させたいなら、「楽しいからやる」「家族の一員としてやる」という感覚を育てることがいちばんの近道。
大事なのは、「完璧」を目指さないこと。
うまくいかない日があっても、「また明日ね」でいいんです。
子どもと一緒に笑いながら、お手伝いの時間を共有することが、何よりの学びになります。
今日からちょっとだけ、声のかけ方や関わり方を変えてみませんか?
きっと、お手伝いがもっと身近で、楽しいものになるはずです。