婚姻届といえば「二人そろって提出するもの」と思いがちですが、実際には一人で出すケースも意外と多いのをご存じですか?
「相手が仕事で行けない」「平日にしか役所が空いていない」など、さまざまな理由で一人で出す人が増えています。
私も結婚当時、夫が出張中でやむを得ず一人で提出しましたが、そのとき感じた“ちょっとした不安と達成感”はいまでも忘れられません。
この記事では、一人で婚姻届を出す人の割合や理由、注意点をわかりやすく紹介します。
目次
一人で婚姻届を出す人はどれくらいいる?
婚姻届を一人で出す割合については、自治体による正式な統計は存在しませんが、ネット調査やSNSでの投稿をもとにすると、全体の2〜3割程度が「一人で提出した」と答えています。
つまり、10組に2〜3組は夫婦のどちらか一方が代表して婚姻届を提出しているということ。思ったより多いと感じませんか?
この背景には、「共働きの増加」や「役所の受付時間の制約」といった現代的な事情が深く関係しています。
実際、X(旧Twitter)などでは「旦那が夜勤だから私が行った」「出張中だったけど、どうしてもこの日に出したかった」といった声が多数見られます。
入籍日を「記念日」や「語呂合わせの日」に選ぶカップルほど、日にちにこだわるため、どちらかが代表して提出するケースが多くなるようです。
現実的な理由で「一人提出」を選ぶ夫婦たち
夫婦が共働きの場合、ふたり同時に役所へ行くのはなかなか難しいですよね。
平日しか開いていない窓口に合わせて休みを取るのは、どちらか一方でも大変です。
特に、転勤族やシフト勤務の夫婦では、「休みが合わない」「勤務地が違う」といった事情で、一人で提出するのが現実的な選択になっていることも多いのです。
私の友人も、「私が休みの日に出しておいて」と旦那さんに頼まれて、一人で婚姻届を提出したそうです。
「提出した瞬間、なんだか急に実感がわいて、ちょっと泣きそうになった」と話してくれました。
たとえ一人でも、その瞬間が“夫婦としての第一歩”になるというのは、きっと多くの人が共感できる感覚ではないでしょうか。
私自身の経験|“一人でも特別な日”だった
私も入籍当日、夫が出張中で不在だったため、一人で婚姻届を提出しました。
朝、夫から「よろしくね」とLINEが届き、私はその言葉を胸に役所へ向かいました。
受付で「おめでとうございます」と言われたとき、心の中で「これで夫婦になったんだ」と静かに噛みしめたのを覚えています。
周りにはカップルで記念撮影をしている人もいましたが、私は一人で婚姻届の控えを受け取り、外に出た瞬間、ほっと息をつきました。
一人で出したとしても、“結婚の重み”や“これからの人生への覚悟”はちゃんと同じだけ感じられるものなんだと、改めて思いました。
一人で出すことに不安を感じる人へ
「一人で行ったら寂しいかも」「ちゃんと受理されるかな」と不安に思う人も多いかもしれません。
でも、婚姻届は形式的な書類であり、提出する人が一人でも法的・実務的には何の問題もありません。
むしろ、共働きや忙しい現代の生活スタイルに合わせて柔軟に対応できるのは、今の時代ならではの利点です。
婚姻届を出す方法は人それぞれ。
どちらが持って行っても、ふたりの気持ちはちゃんと“ひとつ”です。
そしてその日が、二人にとって特別な「入籍記念日」であることに変わりはありません。
一人で提出することは法的に問題ない?
結論はシンプルで、婚姻届は一人で提出しても法的に問題ありません。
重要なのは「誰が持参したか」ではなく、届書の要件が満たされているかどうか。夫・妻のどちらが届け出ても、第三者が持参しても、記載内容が整っていれば受理されます。
必要な要件の例
夫婦本人の署名(原則、旧姓での署名)
証人2名の署名・生年月日・住所(成人の証人)
本籍地以外に出す場合は戸籍謄本(必要な人のみ)
本人確認書類(提出者が誰でも確認されます)
夜間・休日窓口へ出す場合は、形式チェックが簡易になることがあり、後日「補正(書き直し)」の連絡が来る可能性
受理日について
記載が完璧なら提出日が受理日になります。記載不備があった場合は、補正が完了した日が受理日になることも。記念日にこだわるなら、前もって役所で事前確認をしておくと安心です。あると安心なもの
書き損じに備えた予備の届書
記載見本の印刷(自治体サイトに掲載されていることが多い)
連絡がつく電話番号(不備時の連絡用)
代理人提出もOK
体調や仕事の都合で行けないときは、親族や信頼できる知人に「持参だけ」を頼めます。代理人は“提出係”であり、届書への署名は夫婦本人が事前に完了しておくことがポイントです。
代理提出の流れ
夫婦本人が届書をすべて記入(証人欄も完了)
代理人が本人確認書類を持参し、窓口で提出者として氏名を記入
その場で形式確認→受理/または後日補正の連絡
よくあるつまずき
証人欄の住所・生年月日の誤り
ふりがなの抜け・旧姓と新姓の書き分けミス
本籍地以外への届出で戸籍謄本を忘れる
ひと工夫で確実に
代理人用に「提出チェックリスト」を同封
役所からの連絡先に“本人+代理人”双方の電話番号を記載
郵送提出を可としている自治体もあるため、遠距離の場合は事前に窓口へ確認
一人でも、代理人でも、要件が整っていればきちんと受理されます。迷いがあるときは、提出予定の自治体へ電話で記入箇所を事前確認しておくと、当日の不安がぐっと減ります。
一人で婚姻届を出すときの注意点
「一人で出す」と決めたら、当日のバタつきを防ぐ準備がカギです。ここでは“よくある不備”を避けるための実践ポイントをまとめました。不備があると受理日がずれて記念日にならないことがあるので、事前チェックは必須です。
事前準備チェックリスト(持ち物)
婚姻届(清書+予備1枚)
証人2名の署名・生年月日・住所まで記入済みの届書
本籍地以外に出す人は戸籍謄本(最新のもの)
提出者の本人確認書類(運転免許証など)
連絡先(本人と予備として配偶者や代理人の番号)
印鑑(押印が任意の自治体も多いが、念のため旧姓の認印を携行)
記載見本のプリント(自治体サイトから入手できることが多い)
記入漏れ・印鑑忘れを防ぐコツ
署名は原則「旧姓」で統一。新姓との書き分け欄がある場合は見本どおりに記入
ふりがなは戸籍上の読みで。通称読みや旧字体・新字体の混在に注意
生年月日や住所の数字は算用数字で整える。西暦・和暦の混在を避ける
スマホで全項目を撮影→チェックリストと照合し、家を出る前に最終確認
証人欄の書き間違いをゼロに
住所は住民票どおりに番地まで。建物名・部屋番号も省略しない
生年月日の年号・西暦をそろえる
遠方の証人には、下書き用の見本と返信用封筒を同封して郵送でやり取り
証人の連絡先をメモしておき、当日不備があればすぐ確認できる体制に
夜間・休日窓口に出すときの注意
その場では形式的確認のみで、後日詳細確認→補正依頼となることがある
受理証明書などの発行は平日日中のみの場合があるため、必要書類は後日受け取りの想定でスケジュールを確保
封筒に入れて提出する自治体では、同封物の入れ忘れに注意(戸籍謄本、メモ等)
受理日と“記念日”を守る小ワザ
記念日にこだわるなら、提出前週に役所で「事前確認」をお願いすると安心
書き損じ対策に予備の届書を持参
どうしても当日に不安なら、朝イチで提出→不備があっても当日中に補正できるよう余裕を確保
提出後にスムーズに動くために
婚姻後の氏の選択が反映されたら、健康保険・銀行口座・運転免許・パスポート・クレカ・携帯など名義変更のToDoを早めに洗い出し
住所変更や世帯変更がある場合は住民票の手続きも同日に進めると二度手間が減る
受理証明書や受理通知が必要な手続き先(勤務先の扶養、保険会社など)を事前に確認しておく
「一人提出」は珍しくありません。落とし穴をふさぐ準備さえできていれば、気持ちよく“ふたりのスタート”を切れます。
私の体験談|一人で出して感じた“実感”
私が婚姻届を提出したのは、夫が長期出張に出る前日の夜。
「どうしてもこの日に出したい!」という気持ちが強く、翌朝、一人で役所へ向かいました。
書類を抱えながら歩く道中は、少し緊張と高揚が入り混じったような気持ち。
窓口で「おめでとうございます」と言われた瞬間、心の中で「これで本当に夫婦になったんだ」とじんわり実感が湧いてきました。
手続き自体は数分で終わるのに、その数分の間に人生が変わる。
書類を提出しただけなのに、名前の響きまで少し違って聞こえました。
「夫婦になる」というのは、書類の提出以上に“心が切り替わる瞬間”なんだと、あの日に感じました。
帰宅して、夫に「無事に出してきたよ」とLINEを送ると、
すぐに「ありがとう!おつかれさま」と返信が。
短いメッセージなのに、その言葉がすごく温かくて、ちょっと泣きそうになったのを覚えています。
夫がいなくても、ちゃんと二人で迎えた節目の日。
夜になってから、夫から「これで正式に夫婦だね」と電話がありました。
離れていても同じ気持ちで“新しい生活が始まった”と感じられたことが、とても嬉しかったです。
今でもあの日を思い出すと、「一人で出したけど、あの瞬間こそ二人の始まりだった」と思えます。
一人で婚姻届を出すというのは、少し寂しそうに聞こえるかもしれません。
でも、私にとっては“自分たちらしいスタート”を切れた特別な日。
夫婦のかたちはいろいろあっていいし、どんな形でもそこに込めた想いが一番大切だと、心から感じました。
一人で出す婚姻届に対する周囲の反応
「婚姻届って、ふたりで出すものじゃないの?」と思う人も少なくありません。
でも、実際には一人で出すケースが増えていて、SNSではさまざまなリアルな声が見られます。
たとえば、X(旧Twitter)では「一人で婚姻届を出したけど、意外と清々しかった」「提出した瞬間、ふと涙が出た」「誰もいなかったけど、自分の人生の節目を自分で見届けた気がした」などの声が多く投稿されています。
その一方で、「やっぱり少し寂しかった」「一緒に写真を撮りたかった」といった感情もあり、“一人で出す”という行動には、人それぞれの想いが詰まっていることが伝わってきます。
「自分で届け出る」という特別な達成感
多くの人が語るのは、“自分で提出した”ことによる達成感。
中には、「夫が忙しかったけど、自分が届けたことで結婚をより実感できた」という人も。
たった一枚の書類を出すだけなのに、「家族になる」という現実を自分の手で形にする——その行為に、深い意味を感じる人は少なくありません。
役所の窓口で「おめでとうございます」と言われ、思わず涙ぐんでしまったというエピソードも多く、そこには形式を超えた“心のセレモニー”のような温かさがあります。
周囲からの反応にも温度差がある
一人で出すことに対して、周囲の反応はさまざまです。
友人から「すごいね、えらい!」と励まされたり、「えっ、一人で行ったの?」と驚かれたり。
でも、共働き世帯や転勤族など「時間が合わない」事情を理解している人からは、「うちもそうだったよ」と共感されることも多いです。
つまり、一人で出すことは決して特別なことではなく、今ではごく自然な選択肢のひとつになっています。
形式は違っても「特別な日」であることに変わりはない
婚姻届を誰が持って行くかではなく、そこに込めた想いこそが大切です。
二人そろって提出できた人も、一人で出した人も、その日を「結婚記念日」として大切にする気持ちは同じ。
SNSでは、「後から二人で控えの婚姻届を記念撮影した」「提出後に一緒にケーキを食べてお祝いした」というエピソードも見られます。
形式は違っても、その瞬間を“夫婦の原点”として心に残すことができれば、それはもう十分に素敵なスタートです。
一人で婚姻届を出すという行為は、静かだけれど力強い決意の表れ。
誰かと一緒でなくても、自分たちの選んだ形で「夫婦になる日」を迎えることは、これからの時代の新しいスタンダードかもしれません。
まとめ|「一人で出す」も立派なスタートの形
婚姻届は、二人そろって提出するイメージが強いですが、今では一人で出す人も少なくありません。
忙しい毎日の中で、どちらかが代表して動くことも、夫婦の協力のかたち。
大切なのは“誰が提出したか”ではなく、“どんな思いでその日を迎えたか”です。
これから婚姻届を出す予定の人は、ぜひ一人でも自信を持って臨んでください。
その瞬間こそが、あなたたちの新しい人生のスタートラインです。













