子どもが生まれる前までは、朝の準備なんて15分もあれば済んでいたのに…。
今では「着替えた?」「早くごはん食べて〜!」と、まるで司令塔のように叫び続ける朝。
少しでもゆっくりコーヒーを飲む時間がほしいのに、毎朝が戦争状態でした。
でも、あるとき「このままじゃ毎日しんどい…」と感じて、わが家なりの“朝の時間割”を決めてみたんです。
すると、ほんの少しの工夫で、子どもも私も“穏やかに出発”できる朝が増えていきました。
この記事では、わが家の朝のルーティンを通して、バタバタしないためのコツや時間割の考え方をご紹介します。
目次
わが家の“朝バタバタ期”のリアル

着替えない・食べない・動かない…3重苦の朝
幼稚園に通い始めたころの朝は、本当にてんやわんやでした。
私が6時に起きて準備を始めても、子どもはなかなか起きない。ようやく起こしても、布団の中でゴロゴロしていて「まだ眠い〜」と体を丸めたまま動かない。やっと起きたと思ったら、今度は服を着たがらない。お気に入りの服が見つからなければ不機嫌になり、朝ごはんも一口食べて「もういらない」と言われてしまう。
その間に私は、自分の身支度・お弁当の準備・連絡帳の記入・持ち物の確認…と、気がつけば心も体もフル回転。でも子どもはソファでぼーっとテレビを見ている。
「ちょっと!もう時間だよ!」と焦る気持ちがあふれて、つい語気が強くなってしまう。
「ねぇ、何回言わせるの?」「早くしてってば!」
そんな言葉を繰り返す朝が何日も続きました。
イライラして怒ってしまった日は、出かけたあともずっと自己嫌悪。
子どもが振り返りもせず登園していく後ろ姿を見て、「さっきの言い方きつかったな」「泣きそうな顔してたな…」と胸が締めつけられるような気持ちになるんです。
家に戻ってからも、そのモヤモヤを引きずったまま1日が始まる。
ほんの数十分の朝が、その日1日の自分の心を左右してしまうことに気づいたとき、「このままじゃダメだ」と本気で思いました。
子どもを責めるより、まずは環境や声かけ、自分の動き方を見直してみよう。
そんな想いから、朝のルーティン改善に取り組みはじめたんです。
準備がスムーズになる“時間割”の考え方

「やること」と「時間」を見える化する
朝の時間をスムーズにするために、最初に私が取り組んだのは、「朝にやること」をひとつずつ書き出すことでした。
着替え、朝ごはん、歯みがき、トイレ、持ち物の準備、着替えた服の片づけ…。
当たり前すぎて意識していなかったけれど、こうして書き出してみると、思った以上にタスクが多いことにびっくり。
「どうして毎朝こんなにバタバタするのか」が、目に見えてはっきりしました。
次に、その“やることリスト”にざっくりと時間配分を当てはめてみたんです。
たとえば、こんな感じです。
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7:00〜7:10 起床
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7:10〜7:30 朝ごはん
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7:30〜7:50 着替え・トイレ・歯みがき
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7:50〜8:00 持ち物確認・出発準備
この“ざっくり時間割”を作っただけで、「今なにをする時間か」が子どもにも伝わりやすくなり、声かけのトーンも変わってきました。
「早くして!」ではなく、「今はごはんの時間だよ〜」と落ち着いて伝えられるように。
時間を“見える化”することで、自分自身の焦りも減った気がします。
ゆとりをもたせた時間設定がカギ
とはいえ、最初からピッタリ時間通りにいくわけではありません。
うちの子はどちらかというと“朝が弱いタイプ”で、起きてもすぐには動けないんです。
そこで、起床からごはんまでの間にあえて10分の「ぼーっとタイム」を入れました。
これは、布団の中でゴロゴロしたり、ぬいぐるみを抱っこしながら目を覚ますための時間。
一見ムダなようでいて、この時間があるかないかでその後のスムーズさが全然違うんです。
逆に「時間がないから早く着替えて!」と急かすと、機嫌が悪くなって余計に時間がかかることも…。
だからこそ、“あえて余白を残す”ことも、朝の時間割ではとても大事だと実感しています。
完璧なスケジュールじゃなくていい。
多少ズレてもいいから、「流れ」として習慣づける。
そんなふうに柔軟に考えることで、家族にとっても負担が少なく、続けやすいルーティンになりました。
わが家の“朝ルーティン”実例(平日バージョン)

6:30 起床(ママ&子ども)
私がまず目覚ましで起きて、洗顔と簡単なスキンケア、髪をまとめて服に着替えるところまでを済ませます。
この10分ほどの“自分時間”があるだけで、朝の心の余裕が全然違うんですよね。
そのあと、寝室に戻って子どもを起こします。
とはいえ、いきなり「起きて!」と言っても機嫌が悪くなるので、まずはお布団の中でしばらく抱っこして“まったりタイム”。
「今日は何曜日だっけ?」「幼稚園で何するのかな〜」なんて話しながら、ゆっくり目覚めていきます。
“起きる前のスキンシップ”が、その後の動き出しのスムーズさにつながるので、この時間は私にとっても大切にしている時間です。
6:45〜7:10 朝ごはん
キッチンに移動したら、すぐ朝ごはん。
とはいえ、朝から1から作るのは大変なので、前日の夜にある程度の下準備をしておくのがポイントです。
ごはんはタイマー炊飯、お味噌汁は多めに作っておいて温め直し、卵焼きだけ朝に焼く…といった感じで、5分〜10分で出せるようにしています。
メニューはワンパターンでもOK!
「迷わない」「すぐ食べられる」がいちばんの時短です。
朝ごはんの時間は、なるべく子どもと向き合って過ごすようにしています。
「今日は〇〇先生いるかな?」「お友だち来てるかな?」と話すだけで、子どもの気持ちが落ち着いて、次の行動にもつながりやすくなるんです。
7:10〜7:30 歯みがき・着替え・トイレ
食べ終わったら、「7:10になったよ〜」とタイマーでお知らせ。
わが家では、タイマーの“ピピッ”という音が朝の区切りになっていて、子どもも自然と動きやすくなりました。
歯みがきは一緒に洗面所へ。「ママも磨くから、一緒にしよっか」と声をかけると、自分から動いてくれます。
着替えのときは、「今日はこの服どう?」「こっちとどっちがいい?」と選択肢を渡すことで、自分で決めた感覚があると、素直に着替えてくれることが多いです。
この時間帯は、焦らせずに“テンポよく進める”のがカギ。
とにかく「早くして」ではなく、「次これしよっか」とリズムで動けるよう意識しています。
7:30〜7:50 荷物チェック・保育園準備
朝の支度の最後は、保育園バッグの準備と忘れ物チェック。
水筒、ハンカチ、帽子など、用意するものはある程度決まっていますが、子ども自身が「今日は何が必要?」と考える機会を持たせるようにしています。
リストを貼るのもいいですが、うちでは「これはもう入れた?」「あれも持った?」と声かけしながら、あえて一緒にやる方式にしています。
“親が全部やる”のではなく、“一緒に確認する”ことで習慣づけを育てたいという思いがあるからです。
この時間帯は、余裕があれば子どもの爪をチェックしたり、髪型を直したりもしています。
朝の「いってらっしゃい」の前に、身だしなみを整えるのは、私自身にもいいリズムになっています。
8:00 家を出発!
わが家では、8:00ちょうどに出発するのが基本ルール。
でも、実際には「7:45までに準備を全部終わらせる」ことを目標にしています。
というのも、出発直前に「あ!帽子がない!」とバタバタすると、子どもも私もイライラしてしまうから。
出発前の5〜10分が“心の余白時間”になるようにすると、朝の満足度が格段に上がるんです。
この数分でお茶を一杯飲む時間ができたり、子どもとちょっとおしゃべりできたり。
「ママ、今日はなんの仕事?」なんて聞いてくれる会話に、私の気持ちもほぐれていくような気がします。
そして、時間になったら一緒に「いってきます!」。
慌てず、笑顔で玄関を出られた朝は、その日1日がちょっといい日に思えるから不思議です。
工夫したアイテム&声かけのコツ

タイマーとホワイトボードが大活躍
「時間を守って行動する」って、大人でもむずかしいですよね。
子どもにとっては、なおさら“時計の針がどこを指しているか”なんて分かりにくいもの。
そんなときに取り入れたのが、キッチンタイマーとホワイトボードのコンビでした。
タイマーは、朝のルーティンごとにセットして「ピピッ」と音で合図。
「そろそろ着替えの時間だね」「ごはん終わったよ〜」と音が“次の行動のスイッチ”になってくれるんです。
とくに、デジタル時計よりもタイマー音の方がわかりやすく、遊びに夢中になっていても切り替えやすい印象です。
ホワイトボードには、朝のやることリストをイラストつきで簡単に書いています。
「起きる」「ごはん」「歯みがき」「トイレ」「準備OK」などをマグネットや絵で表すことで、子ども自身が“今どこまで進んだか”を確認できるように。
視覚的に流れを把握できるだけで、ぐんとスムーズに進むようになりました。
“見える・聞こえる仕組み”を取り入れることで、声かけの回数が減って、朝が穏やかに。
私にとっても、怒らずに済むことが増えて、気持ちに余裕が持てるようになりました。
「指示」より「一緒に」スタイルに変えてみた
以前の私は、とにかく“急がせる声かけ”ばかりしていました。
「着替えて!」「まだ歯みがきしてないの?」と、知らず知らずのうちに命令口調になっていたんです。
でもある日、「子どもが全然動かないのは、言い方のせいかも…?」と思って、声かけのスタイルを“指示”から“一緒に”へ変えてみることにしました。
たとえば、
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「一緒に歯みがきしようか」
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「今日はどっちの服がいいと思う?」
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「着替えたら、ママとチェックインしよっか!」
こうした“巻き込み型”の声かけに変えたことで、子どもがグンと前向きに動くようになったんです。
子どもって、「やらされる」よりも「自分で決めた・できた」に喜びを感じるもの。
小さなことでも「選べる」「任されている」という感覚があると、朝の行動もどんどんスムーズになっていきました。
「ありがとう」「できたね!」の声かけを積み重ねることで、子ども自身も“やる気のスイッチ”が入るように変わってきた気がします。
もちろん毎日うまくいくわけじゃないけれど、以前のような怒鳴り声はぐんと減りました。
“やらせる”じゃなくて“一緒にやる”朝の時間は、お互いにとって心地よいスタートになります。
休日ルーティンは“緩やかバージョン”でメリハリを

「予定がない日こそゆったり過ごす」
平日の朝がどうしても慌ただしくなりがちだからこそ、土日くらいは少し緩めに過ごしたいというのが、わが家の基本スタンスです。
でも、何も決めずに完全にフリーにしてしまうと、
「朝ごはんが11時」「ずっとパジャマで過ごす」…なんて日も出てきて、月曜が本当にツラくなるんですよね。
そこで我が家では、休日もあえて“ざっくり時間割”を意識するようにしています。
「9時までにごはん終わらせようね〜」
「お昼までに外に行けるようにしようか」
といった**“ゆるい目安”だけを決めておくことで、生活リズムが崩れにくくなる**んです。
もちろん時計を見ながらきっちり動くわけではないですが、
「今ちょっとダラダラしすぎてるかな?」という軸があるだけで、1日が気持ちよく流れるようになります。
平日は時間通りに動く、休日は余白を楽しむ。
この“メリハリ”があると、家族みんなの心のバランスも整いやすい気がします。
朝のうちに“今日やりたいこと”を共有
土日は予定がなければのんびり過ごすことも多いですが、
わが家では、朝のうちに「今日どう過ごすか」をざっくり話す時間を大切にしています。
「今日はなにして遊ぶ?」「どこか行きたいとこある?」
「雨だからおうち遊びにする?」「おやつ作ってみようか?」
そんなふうに子どもと一緒に話して決めることで、1日がなんとなく過ぎてしまうのを防げるんですよね。
天気がいい日は、少しだけ早起きして散歩に出ることもあります。
近所の公園まで歩いたり、季節の花を見つけたりするだけでも、朝から気持ちよく体を動かすと、その日がすごく充実するんです。
逆に、予定が詰まりすぎて疲れてしまう日が続くと、
「休日なのに休めてない…」と感じることもあったので、今は**“ゆるく過ごす日”をあえて作るように**しています。
「今日は家でのんびりしようね」とあらかじめ共有しておけば、子どもも納得してダラダラを楽しめるし、
その分翌日のスタートもスムーズになります。
休日こそ、心と体を整える“調整タイム”。
家族にとって心地よいペースを大切にしたいなと思っています。
まとめ|“自分たちに合う時間割”で、朝が変わる
朝の準備をスムーズにする一番のコツは、「わが家に合ったペースでルールを作ること」でした。
時間割はガチガチにする必要はありません。
余白も楽しみながら、「うちのスタイル」を見つけていくことで、子どもも大人も気持ちよく1日をスタートできます。
忙しい朝だからこそ、ルーティンの力を借りて、家族みんなが笑顔で出かけられるようにしたいですね。
まずは、明日の朝からできそうなことを、ひとつだけ取り入れてみてください。