「初夢って、元日の夜に見るんじゃないの?」
そう思っていた私ですが、ある年の三が日に夫と話していたとき、「あれ?実は違うのかも…」と気になって調べてみたことがあります。
年の始まりに見る夢だからこそ、「いい夢を見たい」「縁起のいい年にしたい」って思いますよね。でも、そもそも「いつ見た夢」が“初夢”なのか、意外と知られていないかもしれません。
今回は、初夢を見るタイミングや、縁起がいいとされる夢の種類、その由来まで、わが家の会話や体験談も交えながらわかりやすくご紹介します。
目次
初夢って「いつ」の夢のこと?

一般的には「1月2日の夜」に見る夢
「初夢っていつ見るの?」と聞かれると、私もつい「元旦の夜」と答えてしまいそうになるんですが、実は違うんです。
一般的には、1月2日の夜から3日の朝にかけて見る夢が“初夢”とされています。
この話を最初に聞いたとき、「え?お正月の“初”って言うなら、元旦の夜じゃないの?」とちょっと混乱しました。でも、歴史をさかのぼると、江戸時代にはすでに「2日の夜」が主流になっていたそうなんです。
なぜ2日かというと、どうやら元日は初詣や新年の挨拶、おせちの準備などで忙しく、夜も親戚と集まっていたり、テレビを見たりでなかなかしっかり眠れない…というのが理由のひとつ。
その点、1月2日の夜は日常に少し戻ってきていて、落ち着いた気持ちで眠りにつける。だからこそ、「2日の夜こそが“新年最初のちゃんとした睡眠”」とされていたのかもしれません。
我が家でも、元日はつい遅くまでお酒を飲んだり、初売りの準備でバタバタしたりして、寝た記憶すら曖昧になることが多いです(笑)。その分、2日は少しペースがゆるくなって、家族でのんびり過ごせる時間もできるので、初夢を見るにはぴったりの日なのかもしれませんね。
地域や考え方によっても違いがある
ただし、これはあくまで「一般的な考え方」。
実は、初夢のタイミングにはいくつか説があって、「大晦日の夜に見る夢」「元日の夜に見る夢」も初夢とされることがあるんです。
私の実家(四国の方)では、「元日の夢でもいいんじゃない?」という雰囲気でした。実際、祖母に「初夢見た?」と聞かれたのは元日の朝だった気がします。地域や家庭の考え方でけっこう違いがあるんですね。
さらに、古い文献では、「節分までに見た夢の中で、一番印象に残った夢が初夢になる」なんていう説まであるんだとか。
もはや“初夢”の定義とは…?となりそうですが(笑)、それくらい、夢って昔から人々にとって大切な“お告げ”だったんだなと感じます。
初夢の「定義」にこだわりすぎなくていい
だからこそ、私は最近「いつの夢か」よりも、「どんな気持ちで眠りについたか」のほうが大事なんじゃないかなと思っています。
年明けの最初の夜、静かに自分と向き合って、「今年はこんな年にしたいな」「いいスタートを切れますように」って願いながら布団に入る。その気持ちこそが、初夢を特別なものにしてくれるんじゃないかなと。
結論としては、「その年に入ってから最初に見た夢」が初夢でOK。
1月2日でも、元日でも、自分にとって意味のある夢であれば、それが“初夢”なんです。
縁起がいいとされる「一富士二鷹三茄子」の意味

なぜこの3つが縁起がいいの?
「初夢といえば、“一富士二鷹三茄子(いちふじ にたか さんなすび)”」
この言葉、どこかで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
私も小さい頃、母に「縁起がいい夢って、富士山とか鷹とか茄子なんだよ〜」って言われて、「えっ?茄子!?なんで?」と不思議に思った記憶があります(笑)。なんとなく言葉だけが先に頭に残っていて、その意味までは知らないまま大人になってしまっていたんですよね。
調べてみると、この「一富士二鷹三茄子」という言い回しは、江戸時代に広まった“縁起の良い夢ベスト3”のようなものだそうです。
では、それぞれの意味をもう少し詳しく見てみましょう。
-
富士…日本一高い山であり、その姿が末広がりの形をしていることから、「繁栄」「成功」「上昇」の象徴とされています。また、「不死(ふじ)」ともかけて、長寿や健康を意味するという説も。
-
鷹…鋭い爪や力強い飛翔力から、「目標をしっかり見据える力」「高みを目指す姿勢」、さらには「賢さ」や「出世運」の象徴とも言われています。戦国武将の間でも鷹狩りがステータスだったことから、強さと知性の象徴とも言える存在ですね。
-
茄子…これはちょっとユニークで、「成す(なす)=成し遂げる」という語呂合わせがベースにあります。夢の中にナスが出てくると「願いが叶う」「物事が成就する」と考えられていたようです。また、ナスは高級野菜で、昔は初物として珍重されていたことも背景にあるそうです。
こうして意味を知ってみると、単なる語呂合わせ以上に、日本人らしい願いや価値観が込められているなあと感じます。
ちなみにうちの息子にこの話をしたら、「じゃあ、マリオが富士山の上を飛んでて、ナスを投げる夢は最強?」なんて言い出して、思わず吹き出してしまいました(笑)。夢って自由でいいですね。
実は「四・五・六」もある!?
この「一富士二鷹三茄子」には、実は続きがあるという説もあります。あまり知られていませんが、「四扇(しおうぎ)、五煙草(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)」と続くバージョンがあるんです。
それぞれ、こちらもまた日本らしい意味が込められています。
-
扇(おうぎ)…末広がりの形から、「発展」や「繁栄」を象徴する縁起物です。広がる未来、というイメージですね。
-
煙草(たばこ)…煙がふわっと上にのぼることから、「運気が上がる」「物事がうまくいく」とされてきました。現代だと少しイメージが変わるかもしれませんが、昔は神聖な香のような意味合いもあったようです。
-
座頭(ざとう)…これは少しわかりにくいのですが、いわゆる琵琶法師や盲目の旅芸人のような人を指します。「座頭」は髪の毛を剃って坊主頭にしていたことから、「毛がない」=「怪我がない(けががない)」という洒落で、無病息災を願う意味が込められていると言われています。
こうした言葉には、昔の人のユーモアや祈りの気持ちが込められていて、ただの言葉遊び以上の深みを感じますよね。
「夢に茄子や扇なんて出てこないよ~」と思うかもしれませんが、こうした縁起物の意味を知っていると、たとえば子どもと夢の話をしたときに、「それってもしかして縁起がいいかもよ?」なんて会話も生まれたりします。
我が家では、「夢に茄子が出たらその日はラッキーデー!」というルール(?)ができていて、ちょっとしたおまじない感覚で楽しんでいます。
初夢にいい夢を見るための風習やアイテム

枕の下に七福神の絵を敷く?
「宝船の絵を枕の下に入れると、いい夢が見られる」
この風習、聞いたことはありますか?
私は子どもの頃に祖母から聞いて、なんとなく「ふ〜ん、そんなおまじないがあるんだ〜」と半信半疑だったのを覚えています。でも、実はこれ、江戸時代から伝わるれっきとした風習なんです。
宝船には七福神が乗っていて、七福神=福をもたらす神様たち。その絵を枕の下に忍ばせることで、「夢の中でも福に出会えるように」「いいスタートが切れるように」という願いが込められているんですね。
実際に、江戸時代の人々はこの宝船の絵に和歌を添えて、「悪い夢を見たときはこの絵を川に流して災いを遠ざける」といった風習も行っていたようです。夢には“意味”や“運気”が宿ると信じられていたからこそ、真剣にこうした準備をしていたのかもしれません。
最近では、初詣のおみくじに小さな宝船の絵が入っていることもありますし、ネットで「宝船 七福神 初夢 PDF」などと検索すれば、無料で印刷できるデータも出てきます。
我が家でも去年、子どもと一緒に宝船のイラストを印刷して、「よし、今年はいい夢見るぞ〜!」と盛り上がりながら枕の下に入れてみました。
結果はというと…
私は「朝ごはん作ってる夢」で特に印象なし。でも、息子は「お寿司食べ放題の夢だった!最高だった!」と朝からテンション爆上がり(笑)。
それを聞いて、「ああ、こういうやりとりこそが“福”だなあ」なんて、しみじみ思ってしまいました。
寝る前の気持ちも大事
実は、いい夢を見るために一番大切なのは、寝る前の“気持ち”や“心の状態”だとも言われています。
「今日はどんな夢が見られるかな」「楽しい夢になりますように」と、前向きな気持ちで眠りにつくと、ポジティブな夢を見やすいという研究結果もあるそうなんです。
私自身、疲れきってイライラしたまま寝た日は、変な夢を見たり、夢自体を覚えていなかったりすることが多くて…。逆に、少しだけストレッチをして、温かいお茶を飲んでから眠った日は、ふわっとした優しい夢を見ることが多い気がしています。
だから我が家では、初夢の前日はちょっと特別にしていて、
-
リビングの照明を少し暗くする
-
好きなアロマ(柚子とかラベンダー)を焚く
-
静かなBGMを流す
-
子どもと「どんな夢見たい?」っておしゃべりしてから寝る
みたいな“初夢ナイト”のような雰囲気づくりを楽しんでいます。
こうして眠る前の空気を整えるだけで、「いい夢を見る準備ができた」という安心感にもつながりますよ。
その他にもある!「いい夢」を引き寄せる小さな工夫
宝船やリラックス以外にも、こんな方法があります。
-
感謝日記を書く
その日にあった“ちょっと嬉しかったこと”を3つ書いてから寝ると、幸福感が高まり、前向きな夢につながりやすいそうです。 -
スマホを早めに手放す
寝る前のブルーライトやSNSは、脳が興奮したまま眠りについてしまう原因に。いい夢の敵かも? -
「夢のテーマ」を決めてから寝る
「今日は旅行の夢が見たいな」「推しが出てくるといいな〜」など、寝る前に軽くイメージするだけで夢に影響することがあるんです。
こういった工夫は、ただ“夢のため”だけでなく、新年のスタートを大事にするための心の準備にもなります。
家族で「どんな夢を見たい?」なんて話す時間そのものが、幸せな記憶として残っていく気がします。
実際どうだった?わが家の“初夢エピソード”

子どもとの会話から気づいたこと
去年の初夢の朝、いつもよりちょっと早く目覚めた息子が、布団の中からワクワクした顔で「ママ〜!すごい夢見たよ!」と話しかけてきました。
「どんな夢だったの?」と聞いてみると、満面の笑みで
「空からお菓子がいっぱいふってきて、チョコとグミのプールで泳いだの!」と。
その目の輝きがまぶしくて、「うわあ、いい夢だったね〜!」と一緒に笑い合いながら、「ああ、こういう時間が“福”だな」って思ったんです。
夢の内容自体ももちろん面白かったけど、「その夢を嬉しそうに話してくれる姿」や、「それを笑いながら聞ける自分たちの空気感」こそが、縁起の良さなのかもしれないなと感じました。
それ以来、我が家では初夢の朝は「夢報告会」になっています。
お互いの夢を話して、そこに意味を見つけたり、笑ったり、時にはツッコミを入れたり。まるで家族で“夢占いカフェ”でもやっているような、不思議で温かい時間です。
「いい夢だった?」と聞くことが、「今年も一緒にがんばろうね」っていう合図のようにも感じられて、この習慣はこれからも続けていきたいなと思っています。
縁起が悪い夢を見たときはどうする?
とはいえ、いつも楽しい夢ばかり見るとは限りませんよね。
実は私も、数年前の初夢で「自分の家が火事になる夢」を見たことがあります。
目覚めた瞬間、「うわ、これって縁起悪いんじゃ…」と不安になって、思わずスマホで「初夢 火事 意味」って検索したのを覚えています。
そのときに知ったのが、「夢流し」という昔ながらの風習です。
これは、不吉な夢を紙に書いて川に流したり、紙を破いて気持ちを浄化するというもの。
江戸時代には、宝船の絵の裏に「悪い夢を見たらこの絵を川に流しなさい」と書かれていたこともあるそうで、夢には意味だけでなく“区切り”や“整理”としての役割もあったことがわかります。
私もその夢を見た日、白い紙に「火事の夢を見た。不安だった」とだけ書いて、思いきってビリッと破ってみました。なんだかそれだけで気持ちがスーッと軽くなったんです。
あとで調べてみたら、「火事の夢」は「情熱」や「環境の変化」「再スタート」の象徴でもあるそうで、実際にその年は仕事でも大きな転機があった年でした。
そう思うと、「悪い夢」って決めつけるのは早すぎたかもしれないな…と、今では少し感謝すらしています。
子どもが怖い夢を見たときの、わが家の対応
ちなみに、子どもが悪い夢を見て泣きながら起きてきたことも何度かあります。
そんなときは、「夢の中の悪いものは、ママが“夢ほうき”で掃除して捨てたから、もう大丈夫だよ」と伝えるようにしています。
実際に何かをするわけではないけれど、「気持ちを切り替えるおまじない」として、子どもなりに安心して眠りなおせるようになるんですよね。
大人だって、嫌な夢を見た翌朝はどこか気持ちが沈んでしまうもの。
でも、「夢の意味」に振り回されるよりも、「その後どう過ごすか」「どう受け止めるか」の方が、きっと未来につながっていくんだなと感じています。
縁起のいい夢・悪い夢の代表例とは?

こんな夢は縁起がいいとされている
せっかくの初夢、できることなら「縁起のいい夢」を見たいですよね。
昔から「これは幸先がいい」と言われている夢には、いくつか共通するテーマがあります。
たとえば、
-
富士山や日の出など、自然の美しい風景
→ 新しい年の「はじまり」や「昇る力」を象徴するとされます。 -
朝日や昇る太陽、明るい光に包まれる夢
→ 光は古来より「希望」「浄化」「再生」の象徴。暗闇から抜け出すような明るい夢は、気持ちまで前向きになりますね。 -
空を飛ぶ夢や、高いところへ登っていく夢
→ これは「運気の上昇」や「自己実現」「自由な発想」の暗示とも言われています。 -
金色や光るもの、宝石などが出てくる夢
→ 金や光は、豊かさや繁栄の象徴。金運アップのサインかも…と、ちょっと嬉しくなります。 -
大勢の人に褒められたり、拍手されたりする夢
→ 周囲からの評価や、社会的な成功の予兆とも言われます。
ちなみに私は、昔「空を飛んで、気球に乗って旅する夢」をよく見ていた時期があったんですが、不思議とその頃は仕事でも人間関係でもうまくいっていた記憶があります。
今思えば、「自由でありたい」という心の欲求が夢になって現れていたのかもしれませんね。
こうした夢は、単に「ラッキーな夢」ではなく、「あなたの心が今、ポジティブな状態にある」というサインでもあるんだと思います。
反対に縁起が悪いとされる夢
一方で、「あれ、なんか嫌な夢だったな…」というときもありますよね。
昔から「縁起が悪い」と言われてきた夢には、こんなパターンがあります。
-
火事や洪水、地震などの災害に関する夢
→ 生活が揺らぐような不安や、心の中にある強いストレスが反映されていることも。 -
高いところから落ちる、転ぶ、何かに刺されるなどの事故の夢
→ 自信喪失、失敗への恐れ、心のバランスが崩れているサインかもしれません。 -
誰かと争う、泣く、怒るといった感情的な夢
→ 感情の整理がついていなかったり、過去の出来事が未消化のまま心に残っていたりする状態を表していることもあります。
ただし、ここでひとつ覚えておきたいのが…
「悪い夢」=「悪い出来事」とは限らない
たとえば、火事の夢。
一見すると怖いし、「何か悪いことが起こるのでは…」と不安になりますよね。
でも実は、夢の解釈では「火」は情熱・エネルギー・再出発の象徴とされることも多いんです。
夢の中で家が燃える=古い自分を焼き尽くして、何かが始まるサイン。
まさに「一度リセットして再スタートを切るタイミングですよ」という“心からのメッセージ”とも受け取れます。
また、「誰かに怒られる夢」は、「もっと認められたい」「わかってもらいたい」という気持ちの現れかもしれません。
つまり、夢はその人の“心理状態を映す鏡”のようなものなんですね。
現実の出来事を暗示するというよりも、「今の自分の心の状態を映し出している」と考える方が自然です。
どう感じたかが、一番大事
大切なのは、「夢の内容」そのものよりも、自分がその夢をどう受け止めたか。
同じ夢でも、「怖かったけど、起きたらスッキリした」「何か前に進める気がした」と感じたなら、それは“背中を押してくれる夢”だったということ。
逆に、楽しい夢だったのにどこか引っかかる…そんなときは、心の奥で無理をしているサインかもしれません。
夢は、良い悪いで判断するものではなく、「自分の気持ちを見つめるチャンス」として活用していくのがいいなと、私は思っています。
まとめ|初夢は「いつ見たか」より「どんな気持ちで見るか」
初夢は、1月2日の夜に見るのが一般的。でも実際は「年が明けてから最初の夢」と考えればOKです。
縁起のいい夢を見たいなら、
-
寝る前にリラックスした状態をつくる
-
宝船の絵を枕の下に入れてみる
-
いい夢を「見たいな」と思って眠りにつく
それだけでも、新しい年の始まりを前向きにスタートできる気がします。
夢の内容よりも、「どんな年にしたいか」という気持ちの方が大切なのかもしれません。
今年の初夢、あなたはどんな夢を見ましたか?
ぜひ、家族で話してみてくださいね。