子供を車に乗せるときの安全対策はきちんとしていますか?
道路交通法に基づいてチャイルドシートの使用義務化が進められていますが、いったい何歳までチャイルドシートの着用が必要なのでしょうか?
また義務化に伴い罰則が設けられていることを知っていますか?
この記事ではチャイルドシートの着用が何歳から何歳まで必要なのか、さらに着用義務に違反したときの罰則についてまで、詳しく解説していきます。
安全なドライブのためにも、ぜひ最後までご覧ください。
目次
チャイルドシートの着用義務は何歳から何歳まで?
チャイルドシートの着用義務は0歳から6歳までです。
6歳未満の幼児には、車に乗る際にチャイルドシートの着用が義務付けられています。
道路交通法第14条3項では幼児とは6歳未満の子供とされています。
なので0歳から6歳未満の幼児であるうちは、チャイルドシートの着用が必要です。
シートベルトの対応年齢も関係している
チャイルドシートが必要な理由には、シートベルトの対応年齢が関わっています。
シートベルトは身長140cm以上の人を対象に設計されているため、小さな子供ではしっかりとシートベルトを装着することができないのです。
[voice icon=”https://shittoko.com/wp-content/uploads/2023/02/914506のコピー.jpg” name=”” type=”l”]したがって6歳未満の子供や身長が140cm以下の子どもたちは、車に乗る際には必ずチャイルドシートを着用することが大切なのです。[/voice]
チャイルドシートの着用義務違反をしたときの罰則
車に乗る際、チャイルドシートを着用せずに子供を乗せてしまった場合、どのような問題が発生するのでしょうか。
道路交通法によると、幼児を乗車させるときには、座席ベルトに代わる機能をして座席に固定して用いることができる幼児用補助装置を使用しなければならないとされています。
つまり車に幼児を乗せるときは、チャイルドシート(幼児用補助装置)の着用が義務づけられているのです。
[aside type=”boader”] この幼児用補助装置は、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ幼児の発育の程度に応じた形状を持つものでなければなりません。[/aside]
道路交通法第71条の3第3項によれば、運転者は幼児用補助装置を使用せずに幼児を車に乗せて運転することは禁止されていて、違反すると「幼児用補助装置使用義務違反」になります。
それではチャイルドシートの着用義務違反をしたときの罰金や反則金、違反点数について解説します。
チャイルドシートの着用義務違反の罰金や反則金は?
チャイルドシートの装着義務違反による反則金は「無し」となっています。つまり罰金や反則金が課せられることはありません。
罰金や反則金が無いなら、違反を気にする必要がないという方がいるかもしれません。
しかしチャイルドシートを装着しないで子供を車に乗せると、その子の生命に危険が及ぶ可能性もあります。
したがって子供の安全を守るためにも、チャイルドシートは絶対に装着しましょう。
チャイルドシートの着用義務違反の違反点数は?
チャイルドシートを装着しなかった場合、交通違反点数が1点加算されます。
交通違反点数とは、運転者が交通事故や交通違反をした際に与えられる点数のことです。
違反点数がある一定基準に達した場合、運転免許の取り消しや停止などの厳しい処分が下されます。
具体的には違反点数が累積で6点以上になった場合、運転免許が停止されます。
また累積で15点以上になった場合、運転免許が取り消されます。免許取り消しの場合、再度免許を取得するためには、講習や試験を受けなければなりません。
[voice icon=”https://shittoko.com/wp-content/uploads/2021/01/915546c.jpg” name=”” type=”l”]つまりチャイルドシートを装着しない違反は、運転免許に大きな影響を与える可能性があるものです。[/voice]
チャイルドシートの着用義務が免除される7つのケースとは?
チャイルドシートはほとんどの場合は装着が義務付けられていますが、特定の条件下では装着を免除される場合があります。
緊急なときや装着が難しい状況にある場合には免除されるため、事前に確認することが重要です。
ここではチャイルドシートの着用義務が免除される7つのケースを紹介します。
このようにチャイルドシートの使用にあたっては、適切な情報を収集し安全に利用することに気をつける必要があります。
1.チャイルドシートの取り付けが難しい車
チャイルドシートを取り付けることが難しい車については着用義務は発生しません。
このような場合には、シートベルトが装着されていない車や3点式や4点式などの特殊なシートベルトが搭載されている車があげられます。
ただしチャイルドシートを使用せずに助手席に座るのは危険なため、後部座席で大人と一緒に座るようにしましょう。
2.チャイルドシートを装着すると全員が車に乗れなくなる場合
たとえば5人乗りのコンパクトカーに大人2人と6歳未満の子ども3人で乗車する場合、3人分のチャイルドシートを装着すると大人1人が乗れなくなるでしょう。
このような場合には子供1人分の装着が免除されますが、その他全員はシートベルトやチャイルドシートを着用する必要があります。
3.身体的な理由でチャイルドシートの使用が難しい場合
身体的な理由でチャイルドシートの使用が難しい場合、装着義務は発生しません。
具体的には肥満体型でチャイルドシートに座るのが困難なケースや、首はすわっていないのに体が大きめでベビーシートの固定が難しいケースがあります。
ただし事故に遭遇した場合にはケガをする可能性が高いため、適切な対策を講じるようにしましょう。
4.病気や怪我でチャイルドシートの使用が困難な場合
病気やケガによってチャイルドシートの使用が困難な場合、装着義務は免除されます。
自閉症などの精神病を抱えている子供についても、装着義務は発生しません。
ただしトラブルを避けるためには診断書などの証拠を用意することが望ましいでしょう。
5.授乳やオムツ替えが必要なとき
授乳やおむつ替えをする必要がある場合には、装着義務が免除されます。ただし授乳やおむつ替えをする際には以下の2点に注意が必要です。
自家用車で子供を運ぶ際には、ドライバー以外でも授乳やおむつ替えをすることができます。
授乳やおむつ替えが終わったあとは、再びチャイルドシートを使用する必要があります。ただし安全上の理由から、車を停止させた上で子供の世話をするようにしましょう。
6.路線バスやタクシーに乗るとき
路線バスや貸切バス、タクシーなどの公共交通機関に乗る際はシートベルトが未装着、チャイルドシートの設置が難しい場合があります。
しかしタクシーの場合は子供の乗車予測ができず、事前に用意することが困難です。このためバスやタクシーにおいては、チャイルドシートの装着義務は発生しません。
ただし貸切バスを利用する際には、チャイルドシートの設置を希望する場合は、事前にバス会社に相談しておきましょう。
過疎地域での移動手段として利用される自治体の過疎バスに乗る場合は、バスやタクシー同様、チャイルドシートの設置が難しいため、装着義務は適用されません。
ただし幼稚園の送迎目的であれば、チャイルドシートの装着義務が発生することに注意しましょう。
7.病院に救急搬送されるとき
病院に緊急搬送される際には、救急車が運転する場合は負傷者や急病人を病院に運ぶことが役割です。
ただし自家用車で医療機関に緊急搬送する場合は、チャイルドシートの装着義務は適用されません。
また官公署に迷子を連れていく際にも、チャイルドシートを装着しなくても運転することができます。
ただし通常時においては、チャイルドシートの装着義務が適用することに留意しましょう。
子供が嫌がっても着用義務は免除されない
「チャイルドシートを子供が嫌がってかわいそうだからやめておきたい」また「泣いて仕方がないからチャイルドシートを使用しなくてもいい」と思うかもしれません。
しかしこのような考え方は誤ったものです。子供が嫌がってもチャイルドシートの着用義務は免除されません。
チャイルドシートは子供の安全を守るために必須であり、車での移動において適切に使用することが求められます。
[voice icon=”https://shittoko.com/wp-content/uploads/2020/11/915546A.jpg” name=”” type=”l”]子供が泣いたり嫌がったりしてかわいそうな気がするかもしれませんが、それでも我慢してチャイルドシートを使うことが大切です。[/voice]
チャイルドシートを選ぶ時のポイント3つ
チャイルドシートは、事故の際に子供を守るために必要な装置です。
しかし今では多くのメーカーがチャイルドシートを販売しているため、どのように選べばいいのかわからない方もいるかもしれません。
ここではチャイルドシートを選ぶ際に重要なポイントをご紹介します。
1.チャイルドシートは子供の成長に合ったタイプを選ぶことが大切
チャイルドシートには子供の成長に合わせて選ぶべき3つのタイプがあります。それぞれのタイプには、年齢や身長・体重の制約があり、適切に選ぶことが必要です。
また最近では新生児から7歳まで使用できるロングユースタイプのチャイルドシートも販売されています。長期間使用することができるため、費用を抑えたい方にはおすすめです。
子供を乗せる車内シートには、一般的に「チャイルドシート」というイメージがありますが、実は種類が3つあります。
[box class=”glay_box” title=”チャイルドシートの種類”]
- 「ベビーシート」・・・このシートは1歳までの赤ちゃんに使われるもので、キャリータイプになっており、隣で寝ていても簡単に装着や脱着ができます。
- 「チャイルドシート」・・・このシートは4歳までの子供に使われるもので、進行方向に向かって装着するようになっています。
- 「ジュニアシート」・・・このシートは4歳以上の子供に使われるもので、座面が高く設計されており、大人用のシートベルトを使うことができます。
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このように子供用のチャイルドシートには、上記の3つのタイプがあるということです。
ヨーロッパの安全基準で作られたチャイルドシートがおすすめ
どのようなチャイルドシートを選べば良いか迷うかもしれませんが、おすすめは日本より厳しいヨーロッパの安全基準で作られたマキシコシ(MAXI-COSI)のようなチャイルドシートです。
マキシコシはしっかりした安全基準に基づいて作られているので値段は張りますが、新生児から4歳頃までと長く使えるので、長い目で見ると割安ですよね。
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もっと長く1つもモデルを使いたいという方には、15ヶ月〜12歳頃まで使えるマキシコシ(MAXI-COSI)のタイタンというシリーズのチャイルドシートも、コスパがかなり良いのでおすすめです。
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マキシコシ(MAXI-COSI)のチャイルドシートは、日本製のものと違い座席の足元のスペースを有効に使えるので、軽自動車の方にもおすすめです。
2.チャイルドシートは安全基準をクリアしたものを選ぶ
さらにチャイルドシートには安全基準が設けられていて、クリアしているものを選ぶことが大切です。
安全基準をクリアしているチャイルドシートには、「Eマーク」が添付されています。購入の際には、添付の有無を確認しましょう。
また2006年9月30日より前に型式指定を受けたチャイルドシートには「自マーク」が添付されているため、中古のチャイルドシートを購入する際には注意が必要です。
3.チャイルドシートが自分の車に装着できるものか事前に確認しておく
最後に自分の車に装着できるかどうかも確認しておく必要があります。
チャイルドシートには、シートベルト固定タイプとISOFIXタイプの2種類があります。自分の車に合ったタイプを選ぶことが大切です。
以前は車に乗る際に必ず装着しなければならないシートベルト固定タイプのチャイルドシートが一般的でした。
しかし現在では車の固定金具に直接連結するISOFIXタイプが主流となっています。
ISOFIXタイプは装着が簡単で安全な固定が可能なため、多くの方に利用されています。装着に不安がある方は、ISOFIXタイプを選ぶことをおすすめします。
ただし注意点として、年式の古い車にはISOFIXタイプに対応していない場合があります。そんなときには、シートベルト固定タイプのチャイルドシートを選ぶことが必要です。
まとめ
車に子供が乗るときはチャイルドシートを使う必要があります。しかし何歳まで必要か知っていますか?
日本では、6歳未満の子供はチャイルドシートを使うことが義務付けられています。
義務化されているのは、交通事故で怪我をするリスクが高いからです。
チャイルドシートを使うことで、子供が正しく座ってシートベルトが体にフィットしているので、事故が起こったときでも、怪我をしにくくなります。
もしチャイルドシートの装着義務違反をすれば、罰金や反則金はないものの、違反点数が1点加算されます。
親御さんは必ずチャイルドシートを使って、子供を守ってあげてください。