子どもとの濃密な時間を過ごした育休期間。復帰を楽しみにしていたはずなのに、いざ仕事が始まると「思うように動けない」「周りに迷惑をかけている気がする」と感じたことはありませんか？
私も復帰直後は、「あれ、こんなにできなかったっけ？」と落ち込み、まるで新人に戻ったような日々に戸惑いました。
でも大丈夫。育休明けのポンコツ感は一時的なもの。正しい心構えと小さな工夫で、少しずつ自信は戻ってきます。この記事では、実際に私が試して効果を感じた「ポンコツ感を乗り越える7つのヒント」を紹介します。
目次
育休明けのポンコツ感とは？
育休明けに感じるポンコツ感とは何か
復帰して最初に感じたのは、「頭が回らない」「ミスが増えた」「段取りがうまくいかない」といった“できなさ”でした。
かつてはサクサクこなせていた仕事が、今は時間がかかる。報告・連絡・相談のタイミングもつかめず、まるで新人に戻ったような感覚に襲われます。
久しぶりの職場では、システムや業務フロー、担当者の顔ぶれまで変わっていることも多く、まるで浦島太郎のような気分。
以前の自分と今の自分を比べてしまい、「前はもっとできていたのに…」と落ち込むこともあるでしょう。
でも、それは「能力が落ちた」わけではなく、ブランクによる一時的なズレ。脳も体も“仕事モード”に切り替わるまで時間がかかるのは当然のことです。
さらに、復帰直後は「久々の出社」「限られた勤務時間」「子どもの送迎時間」といった制約が重なり、焦りが募りやすくなります。
「ちゃんとやらなきゃ」と思うほどプレッシャーがかかり、空回りしてしまう――そんな状態こそが、いわゆる“ポンコツ感”の正体です。
育休復帰後の心理的な変化
育休明けは、単なる「仕事復帰」ではなく、「新しい生活への再スタート」でもあります。
職場復帰と同時に、家庭でも新しいリズムが始まります。夜泣きや保育園の準備、急な発熱による呼び出し…。
どれも想定内のはずなのに、いざ続くと心身のバランスを崩しやすくなります。
特に厄介なのが、「常に100％の自分でいたい」という完璧主義の罠。
「職場でも家庭でも手を抜けない」「迷惑をかけたくない」と気を張るほど、余裕がなくなり、ミスや焦りにつながってしまいます。
私も復帰当初は「前のように働けない自分」にイライラして、何度も自己嫌悪に陥りました。
けれど、ふと立ち止まってみると、家庭と仕事の両立をしているだけでも十分すごいことなんですよね。
“前の私”と比べるのではなく、“今の私”を受け入れることが大切。少しずつ慣れていけば、確実に以前の感覚を取り戻せます。
職場での扱いと自信喪失の関係
「子どもがいるから仕方ないよ」と優しくされると、ほっとする反面、どこか“特別扱い”されているような気がして、複雑な気持ちになることもあります。
「もう任せられない」と思われていないか、「期待されていないのでは」と不安になる瞬間もありますよね。
実は、職場の“配慮”や“遠慮”が、無意識のうちに「以前より戦力外かも」という自己評価の低下を招いてしまうこともあります。
そしてその不安が、さらに行動を消極的にし、悪循環に陥ることも。
私は復帰当初、「大丈夫？」と声をかけられるたびに、心の中で「そんなに頼りなく見えるのかな…」と落ち込んでいました。
でも、ある時先輩に「今は“慣らし期間”なんだから、無理しなくていいよ」と言われてハッとしました。
そう、今はまだ“助走期間”。少しずつスピードを上げていけば十分なんです。
職場の期待に応えようと無理をするより、「今の自分にできること」を誠実に積み重ねることが、自信回復への近道。
焦らず、できる範囲で役割を果たしていけば、周囲も自然と「頼れる存在」として見直してくれるようになります。
育休明けにポンコツを克服するための心構え
自分を責めないためのマインドセット
育休明けの復帰直後は、「前と同じように働けない」「思うように動けない」と感じて落ち込む瞬間が何度もあります。
けれどそれは、決して“能力が落ちた”のではなく、「生活リズムと優先順位が変わっただけ」。
仕事・育児・家事という3つのバランスをとる新しいステージに立っているのですから、今まで通りにいかないのは当たり前です。
私自身も復帰初日は、パソコンを開いてもなかなか思考がまとまらず、「なんでこんな簡単なことに時間がかかるの？」と自分にイライラしてしまいました。
でも、後から振り返ると、できないことばかりに目を向けていたんです。そこで、「今日はこれができた」「昨日よりスムーズに進められた」と、“できたこと”をメモに残す習慣を始めました。
たとえ小さなことでも、「前進している」と感じられるだけで気持ちは前向きになります。
完璧を目指すよりも、“昨日より少し成長した自分”を認めることが、ポンコツ感から抜け出す第一歩です。
異動や職場環境の変化への適応
育休明けに部署異動や担当変更があると、環境の変化がいっそうストレスになります。
「前の職場なら分かっていたのに」「一から関係を築くのは大変」と感じるのも無理はありません。
特に、復帰直後は“聞くことすら申し訳ない”と感じ、わからないことを抱え込んでしまう人も多いです。
でも、実は「わからない」と正直に伝えることが、職場で信頼を得るきっかけになります。
私も以前、「こんな初歩的なことを聞いたら恥ずかしい」と思って黙っていたら、結局ミスにつながってしまった経験がありました。
その時に学んだのは、「素直に聞く勇気」は「一人で抱え込む不安」よりもずっと価値があるということ。
わからないことは、“成長途中のサイン”。
「教えてください」「確認させてください」と一言添えるだけで、周囲の印象はむしろ良くなります。
“聞ける自分”になることは、復帰後の環境適応をスムーズにする最大の武器です。
目標設定の重要性と具体的な方法
復帰直後に「以前のように成果を出さなきゃ」と高いハードルを掲げると、現実とのギャップに苦しむことになります。
そこで大切なのは、「長期目標よりも、短期・小ステップ目標にシフトすること」です。
たとえば、こんな目標を立ててみてください。
「1日1つ、“できたこと”を振り返る」
「17時退勤をスムーズにするために、15時に1度タスク整理する」
「1週間に1回は、上司に業務の進捗を共有する」
こうした“具体的で小さな目標”は、すぐに達成感を得られ、モチベーション維持に直結します。
「今日もダメだった」と思う日があっても、ノートを見返すと「意外とやれてる自分」に気づくはず。
また、目標を「仕事面」「家庭面」「自分時間」の3つに分けて設定するのもおすすめです。
バランスよく進めることで、“仕事ばかり”や“家庭ばかり”に偏らず、心の安定を保ちやすくなります。
復帰直後の自分に必要なのは、「完璧な成果」ではなく「少しずつ前に進んでいる実感」。
小さな成功体験を積み重ねることで、失った自信は自然と戻ってくるのです。
ポンコツを克服するための具体的な行動
仕事と育児の両立に向けた工夫
育休明けは、1日の中で「仕事モード」と「家庭モード」を何度も切り替えなければなりません。
朝は保育園の準備と出勤準備、昼は業務に集中、夕方はお迎えと帰宅後の家事…。
どれも中途半端に感じて、「どっちもちゃんとできていない」と落ち込むことがあるかもしれません。
そんなときにおすすめなのが、「退勤後の5分間」を“切り替えタイム”にすること。
私の場合、帰宅前に車の中で深呼吸をして「ここからはお母さんモード」と声に出すようにしました。
このわずかな時間が、頭の中の“職場のモヤモヤ”を整理するリセットタイムになります。
また、通勤中に好きな音楽やポッドキャストを聴くのもおすすめです。
気持ちを切り替える“トリガー”を決めておくことで、家庭に持ち帰るストレスが減り、子どもやパートナーに笑顔で向き合える自分に戻ることができます。
家事負担を軽減する時短テクニック
仕事と育児に加え、家事まで完璧にこなそうとすると、どんなに頑張っても心が追いつきません。
「家事＝自分がやるべき」と思い込まず、“自分を助ける仕組み”を作ることが、両立を続けるための鍵です。
たとえば、次のような工夫が役立ちます。
週末に下味冷凍をまとめて仕込む（平日は焼くだけ・煮るだけ）
乾燥機・食洗機・ロボット掃除機など時短家電の導入
ネットスーパーや宅配サービスの活用で買い物時間を短縮
「完璧じゃなくていい」ルールを決めて、無理なく継続
私も以前は「平日もきちんと手作りしなきゃ」と思い込んでいましたが、思い切って冷凍食品やカット野菜を取り入れたら、夕方のバタバタがぐんと減りました。
「手を抜く」ではなく、「暮らしを回す工夫をする」と考えると、罪悪感が薄れます。
“誰かの助け”や“便利なサービス”を味方につけることは、怠けではなく戦略。
心と体の余裕を生み出すことが、ポンコツ感を克服する一歩です。
コミュニケーションで職場の理解を得る
育休明けの大きな壁の一つが、職場でのコミュニケーション。
「子どもが熱を出して早退します」と伝えるのも、最初は気が引けますよね。
「また休むの？」と思われていないか不安になり、必要以上に謝ってしまうこともあります。
私も最初は「申し訳ありません」「ご迷惑をおかけしてすみません」と口癖のように言っていました。
けれど、ある先輩ママ社員から「それ、謝ることじゃないよ」と言われてハッとしました。
子どもの体調不良は避けられないもの。必要なことを伝えるのは、責任感のある行動です。
そこで、私は事前に上司へ「今後、急な呼び出しがあるかもしれません。引き継ぎしやすいようにタスクを整理しておきます」と共有するようにしました。
この一言で、相手も予定を立てやすくなり、信頼関係が深まったと感じます。
さらに、定期的に「今の業務量で無理がないか」「改善できる点はないか」を話す時間を設けると、周囲もサポートしやすくなります。
オープンなコミュニケーションは、“理解してもらう”だけでなく、“信頼してもらう”ことにつながる大切な習慣です。
仕事と育児の両立には、個人の努力だけでなく、周囲とのチームワークが不可欠。
「助けてください」と言える関係性を作ることこそ、ポンコツ感を乗り越える最大の近道です。
育休明けのポンコツを支える周りの人たち
家族のサポートを活用する方法
育休明けに「仕事・育児・家事」を1人で全部こなそうとすると、どうしても心が折れてしまいます。
まず意識したいのは、「自分だけが頑張らなきゃ」という考えを手放すこと。
家庭の中でも“チーム”として動く意識を持つと、気持ちがずっと軽くなります。
たとえば、我が家では「朝の支度は夫」「夜の寝かしつけは私」と役割を明確にしました。
最初は「言わなくても察してほしい」と思っていましたが、実際は伝えなければ伝わらないもの。
スケジュール表や家事リストを共有し、担当を“見える化”することで、負担の偏りが減り、イライラも少なくなりました。
また、パートナーが協力してくれないと感じるときは、「お願い」よりも「一緒にやってくれると助かる」と伝えるのが効果的です。
命令ではなく“感謝ベースのお願い”にすると、相手も自然と動きやすくなります。
家庭を“チーム”として動かす意識が、育休明けの働き方を支える土台になります。
家族と協力し合える体制が整えば、「仕事も家庭も、どちらも大切にできている」という実感が生まれ、自信の回復にもつながります。
同僚や上司とのコミュニケーション
職場に復帰して間もないころは、「何を頼っていいのか」「どこまで話していいのか」が分からず、孤立感を覚えることもあります。
特に、復帰直後はまだペースがつかめず、周囲との連携が取りづらい時期。
それでも、無理に頑張って“完璧な自分”を見せようとするより、「まだ慣れなくて…」と正直に話す方が信頼されることが多いです。
私はよく、昼休みやちょっとした雑談の中で「久しぶりの業務で緊張してます」と話すようにしていました。
すると、「私もそうだったよ」「分かる分かる」と共感してもらえることが増え、自然と職場の輪に戻ることができました。
また、上司には「今の業務量で無理がないか」や「時短勤務中のタスク管理」など、定期的に相談するようにしています。
復帰直後は、自分の状況をオープンに共有しておくことで、理解とサポートを得やすくなります。
“できない自分”を見せることは、恥ずかしいことでも迷惑でもありません。
むしろ、「信頼される人ほど、自分の課題を伝えられる」のです。
職場で孤立せず、チームの一員として支え合う関係を築くことが、長期的な安定につながります。
育休中の経験を活かすための工夫
「育休中は仕事を離れていたからブランクがある」と感じる人も多いですが、実はその期間にも大切な学びがたくさんあります。
たとえば、赤ちゃんの様子を見ながら臨機応変に対応する力や、短時間で家事を終わらせる段取り力、計画通りに進まない中での柔軟性。
これらはすべて、職場でも求められる“問題解決力”や“マルチタスク能力”につながります。
私自身、育休中は「今の時間で何ができるか」を常に考えるようになったことで、復帰後のタスク管理が上手になりました。
限られた時間の中で効率よく動く力は、仕事の優先順位をつけるうえでも非常に役立ちます。
さらに、子育てを通して培われた“観察力”や“共感力”も大きな強みです。
チーム内でのコミュニケーションや、後輩指導にも活かせるスキルとなり、「家庭で得た経験が、仕事にも価値をもたらしている」と感じられる瞬間が増えます。
育休は、キャリアの“空白期間”ではなく、“成長期間”。
その中で得た力を意識的に仕事へ転換していくことで、「ブランクがある自分」ではなく「新しい強みを持った自分」として、ポンコツ感を払拭していけます。
育児と仕事の両立に成功するためのコツ
日々の生活に取り入れる時短アイデア
育児と仕事の両立には、時間を「どう増やすか」よりも、「どう使うか」がカギになります。
一日の中で「迷う時間」「探す時間」「考える時間」を減らすことが、心の余裕をつくる第一歩。
そのためには、“決める仕組み”を整えて、日々のルーティンを自動化していきましょう。
たとえば、朝は“やることリスト”を固定化して、動きをパターン化。
「朝食」「歯みがき」「持ち物チェック」などを、紙に書いて見える場所に貼っておくと、家族全員の動きがスムーズになります。
我が家では、子どもの服を曜日ごとにまとめてセットしておくようにして、朝のバタバタを大幅に解消しました。
「今日は何を着せよう？」と迷わなくなるだけで、朝のストレスが激減します。
夜も同じように、「明日の準備」をルーティン化。
バッグの中身チェック、明日の予定確認、子どもの連絡帳サインなどを“決まった順番”で終わらせることで、忘れ物防止にもつながります。
こうした「考えない仕組み」をつくることこそ、余裕ある毎日への第一歩です。
「頑張る」よりも「仕組みで支える」。それが両立を長く続ける秘訣です。
育児と家事の分担を通じて得られる余裕
夫婦で家事や育児を分担すると、「自分だけが頑張っている」という感覚が減り、心にゆとりが生まれます。
たとえば、朝の送りは夫、夜の片付けは私、週末の掃除は一緒に――など、ざっくりでも担当を決めておくと、自然とチーム感が出てきます。
最初から完璧に分担するのは難しいので、まずは「やってもらえること」を1つずつ増やしていくのがコツ。
たとえば「ゴミ出しだけお願い」「洗濯物を畳むのを手伝ってもらう」など、小さな一歩から始めると、無理なく定着します。
また、分担のうえで大切なのが、「ありがとう」を言い合うこと。
お互いに感謝を伝えるだけで、家の空気がやわらぎます。
「当たり前」ではなく「助け合い」として認識できると、自然と協力体制も強まります。
心の余裕ができると、仕事にも好循環が生まれます。
「家のことがうまく回っている」という安心感が、職場での集中力や前向きさにつながり、結果的に両立の質を高めてくれます。
職場での自信を取り戻すためのステップ
復帰直後は、周囲のスピードに追いつけず焦ったり、「前のようにできない自分」に落ち込むことがあるかもしれません。
でも、最初から完璧を目指すのではなく、「昨日より少しできた」という小さな進歩を意識することが大切です。
たとえば、昨日より早く資料をまとめられた、上司に報告を一回で通せた、同僚から「ありがとう」と言われた――。
こうした小さな成功を一つずつ積み上げていくと、自然と自信が戻ってきます。
私は毎日、ノートに「今日できたこと」を1行だけ書くようにしました。
それを続けていくと、「こんなに成長していたんだ」と実感できる日が必ず訪れます。
さらに、周囲の「ありがとう」や「助かったよ」という言葉は、あなたの努力を認めてくれている証。
自信を取り戻すための最大のヒントは、他人の評価よりも「自分がどう頑張れたか」に目を向けることです。
成長の実感をしっかり味わうことで、自己肯定感が少しずつ回復していきます。
焦らず一歩ずつ、昨日より今日の自分を褒めてあげましょう。
自分自身の成長と育休明けの新たな可能性
新人扱いから脱却するための戦略
育休明けは、どうしても「ブランクがある人」「サポート対象」と見られがちです。
けれど、そこで落ち込むのではなく、「教えてもらう側」から「貢献する側」に意識を切り替えることが、信頼回復への近道になります。
まず大切なのは、“得意分野”を活かすこと。
あなたにしかできない経験やスキルを職場で発揮できれば、周囲の見方は自然と変わります。
私の場合、前職での資料作成スキルを活かし、チームで共有するフォーマットを作ったところ、「すごく助かった！」と声をかけてもらいました。
その一言が大きな自信につながり、「自分もチームの一員として貢献できている」と実感できたのです。
また、わからないことがあっても、質問ばかりではなく「こうしてみるのはどうでしょう？」と自分なりの提案を添えると、より前向きな印象を与えられます。
「復帰したばかりだから…」と引いてしまうより、「自分の経験を活かせる場を探してみよう」と一歩踏み出すことが、職場での立ち位置を大きく変えるきっかけになります。
周囲の評価は、「できる・できない」よりも、「どう貢献しているか」で決まります。
だからこそ、自分の強みを再確認し、少しずつ活かせる場を増やしていくことが大切です。
育休復帰後のキャリアについて考える
育休からの復帰は、キャリアをリセットするタイミングではなく、「これからの働き方を再設計するチャンス」です。
「子どもがいるから働けない」ではなく、「子どもがいるからこそ働き方を考える」。
この視点を持つだけで、選択肢の幅はぐっと広がります。
フルタイム勤務が難しいなら、時短勤務や在宅勤務といった柔軟な働き方も検討してみましょう。
重要なのは、誰かの真似をすることではなく、“自分にとって最適なバランス”を見つけること。
「仕事も家庭も大切にしたい」「今は無理なく続けることを優先したい」――どんな選択も、あなたの人生に合っていれば正解です。
また、育休中に感じた価値観の変化をキャリアに反映させるのも一つの方法。
たとえば、以前より人との関わりを大切に感じるようになったなら、サポート職や教育分野に目を向けてみる。
「時間を大切にしたい」という思いが強くなったなら、効率化や業務改善に関わる仕事を目指すのも良いでしょう。
“キャリア＝昇進”だけが成長ではありません。
“自分らしく働く”という選択も、立派なキャリアの一歩です。
今の自分に合った形で、少しずつ理想の働き方を築いていきましょう。
適応障害への理解と回復への道
もし復帰後に、眠れない・食欲がない・涙が出る・集中できない――そんな状態が続くようであれば、それは単なる疲れではなく、心からの「助けて」のサインかもしれません。
適応障害や軽度のうつ症状は、環境の変化や責任感の強さから起こることもあり、決して「弱さ」や「甘え」ではありません。
まずは、自分を責めず、「これは体からのSOSなんだ」と受け止めましょう。
そして、早めに産業医や専門機関に相談することが大切です。
医師やカウンセラーは、職場と連携しながら、無理のない働き方や復帰ペースを一緒に考えてくれます。
私の知人も、復帰直後に心身の不調を感じ、勇気を出して産業医に相談しました。
最初は「休むなんて申し訳ない」と言っていましたが、実際に数週間休養を取ったことで、見違えるほど明るい表情に戻りました。
その後、徐々に業務を調整しながら復帰し、今は以前よりも安定して働けています。
大切なのは、“がんばり続けること”ではなく、“自分を守ること”です。
少し立ち止まることも、前に進むための大事な一歩。
焦らず、自分のペースで回復していけば、また笑顔で働ける日が必ず来ます。
育休明けを乗り越えるために必要なこと
ポンコツ感は一時的なもの
育休明けに感じる「思うように動けない」「集中できない」「判断が鈍った気がする」といった“できない感覚”は、決してあなただけではありません。
実は、これは多くの人が経験する一時的なブランク反応のようなもの。
久しぶりの職場環境、変化したチーム体制、そして家庭との両立という新しい日常。
そのすべてに慣れるまでは、どうしてもギアが噛み合わないような違和感がつきまとうのです。
けれど、それは「能力が落ちた」わけでも「自分がダメになった」わけでもありません。
単に「今は再調整の時期」なだけ。
焦らず受け止めて、小さなステップで慣れていくことが何より大切です。
たとえば、1日ごとに「昨日より少しできたこと」「今日うまくいったこと」を振り返る時間を持つと、自分の中の成長が見えるようになります。
そしてある日ふと気づくはずです。
「もう“ポンコツ”なんて感じていないな」と。
ポンコツ感は、あなたが頑張っている証拠。
新しい環境に適応しようと懸命に踏ん張っているからこそ、そう感じるのです。
一歩ずつ前に進むうちに、必ず“本来の力”が戻ってきます。
育児・仕事の状況の変化に柔軟に対応
育休明けの生活は、毎日が変化の連続です。
子どもの体調、家庭の事情、職場の状況――すべてが流動的。
「昨日できたことが今日はできない」なんてことも珍しくありません。
そんな中で求められるのは、完璧を目指すことではなく、“柔軟さ”を持つこと。
「こうあるべき」と自分を縛るのではなく、「今できる最善」を選び取る力こそが、両立の鍵になります。
たとえば、子どもが熱を出した日。
「また早退か…」と自分を責めるのではなく、「ここまでできた自分、よくやった」と肯定する。
完璧を求める代わりに、「できる範囲で最善を尽くす」ことを自分に許すと、気持ちがぐっと軽くなります。
また、職場の変化にも柔軟でいることが大切です。
時短勤務の制約があるなら、「その中で成果を出す方法」を工夫する。
在宅勤務が可能なら、効率的な働き方を模索する。
どんな選択であっても、「自分に合ったやり方」を見つけることが、長期的な安定につながります。
“変化を恐れず、順応していく力”こそが、育休明けの最大の強み。
家庭も仕事も、日々アップデートしながら、あなたらしいリズムを築いていきましょう。
自分にとっての成功を見つけるために
育休明けは、つい周りと比べてしまう時期でもあります。
「同じ時期に復帰した同僚はもう活躍している」「私はまだ慣れていない」と焦ることもあるかもしれません。
でも、“人と比べない勇気”こそが、あなたの心を守る一番の方法です。
成功の形は人それぞれ。
大きな成果を出すことも立派な成功ですが、「子どもを笑顔で送り出せた」「定時で帰って家族とご飯を食べられた」――それも立派な一歩です。
「小さな成長を喜ぶ」ことを日々の中に取り入れるだけで、自己肯定感はゆっくりと戻ってきます。
私も以前は、「もっと頑張らなきゃ」「もっと結果を出さなきゃ」と自分を追い込んでいました。
けれど、ある日子どもの寝顔を見ながら思ったんです。
“仕事も家庭も、ちゃんとやれてる。今の私、十分がんばってる”って。
それ以来、「自分なりの成功」を大切にできるようになりました。
育休明けの私たちは、ポンコツなんかじゃありません。
むしろ、新しいライフステージを生き抜く力を、ちゃんと身につけた存在です。
「今の自分」を受け入れながら、一歩ずつ前へ。
その積み重ねが、あなた自身のキャリアと人生を、確実に豊かにしていきます。
まとめ｜小さな自信を積み重ねて、未来の自分に笑顔を
育休明けの不安やポンコツ感は、決してあなたの能力の低下ではありません。
大切なのは、「できたこと」を一つずつ積み重ね、自分を信じ直すこと。
今日できた小さな一歩を、ちゃんと自分で褒めてあげましょう。
それが、明日の自信につながります。
