突然の停電って、本当に焦りますよね。私の家でも去年の台風のとき、夕飯前に電気が一気に落ちてしまい、子どもたちは不安そうに周りをキョロキョロ…。懐中電灯はどこだっけ?スマホの充電はもつ?料理はどうしよう?と頭の中が一瞬でいっぱいになりました。
でも、慌てて探してみると「家にあるものだけで意外となんとかできる」ことも多いんです。

この記事では、停電時にすぐ使える応急対策と、家族の安全を守るために日頃から揃えておきたい備蓄品をまとめました。
子育て中の家庭でも無理なくできる方法ばかりなので、ぜひ今日のうちに“できる準備”をひとつ始めてみてください。

家にあるものでできる明かりの確保

ろうそく+耐熱皿で簡易ランタン

停電した瞬間、まず感じるのは「暗いだけでこんなに不安なんだ」ということ。特に子どもがいる家庭だと、明かりの有無で安心感が大きく変わります。

ろうそくが1本あれば、耐熱皿とアルミホイルだけで安全性と明るさを両立した簡易ランタンが作れます。皿の上にホイルを敷くことで熱を逃がしやすくなり、ろうそくのロウが垂れても片付けがラク。さらにホイルが光を反射して、部屋全体がふんわり明るくなるんです。
私も実際に使ってみて「こんなに違うんだ」と驚きました。停電直後の最初の明かりが、家族の安心のスイッチになると実感した瞬間でした。

スマホライトを「紙コップ」で拡散させる

スマホのライトは便利ですが、光が一点に集まりやすく、逆に眩しく感じてしまうことがあります。そこで役に立つのが紙コップ。
ライトの上に紙コップをふわっとかぶせるだけで、光がほどよく拡散され、部屋のどこにいても柔らかい明るさを保てます。子どもが怖がらない優しい光になるので、我が家ではこの方法が大活躍しました。
紙コップがなければ、白いハンカチやティッシュでも代用可能。何気ない日用品が、停電時には心強い味方になります。

ペットボトル+ライトで簡易ランタン

透明なペットボトルにスマホライトや小型ライトを当てると、驚くほど明るいランタンになります。特にボトルの中に水を入れると、光の広がりが数倍になり、リビング全体がやわらかい光に包まれます。
私は子どもが不安がっていたときにこの方法を試したのですが、光が広がった瞬間に「わあ、明るくなったね!」と表情が変わったのを覚えています。停電中は明かりの確保が何より大切で、その光が“安心”そのものになるんだと感じました。

ペットボトルはどの家庭にもあるものなので、停電時には真っ先に試してみてほしい方法です。

料理・食事をどう乗り切る?家にあるものでできる工夫

カセットコンロがあれば最強

停電中に一番頼りになるのがカセットコンロ。ガスが止まっていなければ、電気がなくてもお湯を沸かしたり、簡単な加熱調理ができます。
特に子どもがいる家庭では、お湯があるだけでできる料理の幅が一気に広がります。インスタント麺、スープ、レトルトカレー、離乳食用のお湯など、家族全員の“とりあえずの食事”をすぐに用意できるのが大きな安心材料です。

また、カセットコンロは火力も安定しているので、冷えたままのご飯を軽く温めたり、温かい飲み物を作るだけでも心の落ち着き方が違います。「温かいものを食べられる」というだけで、停電時のストレスがぐっと下がります。

冷蔵庫は“開けない”が最大の節約

停電すると、つい中身の心配で冷蔵庫を開けたくなりますが、ここはぐっと我慢が必要です。冷蔵庫の中の冷気はしばらく保たれるため、開けないほど食品が長持ちします。
どうしても開けるなら、必要な食材を一度にまとめて取り出すこと。何度も開け閉めすると一気に温度が上がってしまい、冷蔵庫としての“保冷力”がもたなくなってしまいます。

私は以前、何度も確認で開けてしまい、ヨーグルトが早めに傷んでしまった苦い経験があります。それ以来、停電したら「冷蔵庫は緊急時以外は開けない」と家族でルールにしています。

加熱不要の食品を活用

家にある食材だけでも、意外と停電中の食事はなんとかなるものです。缶詰、パン、シリアル、ナッツ類、おにぎりなど、火を使わずにそのまま食べられる食品は多くあります。
特に缶詰は保存性が高いので、いざという時の頼れる存在。ツナ缶やサバ缶はアレンジしやすく、栄養も十分。パンと合わせれば、子どもでも食べやすい簡単メニューになります。

我が家も停電のとき、ツナ缶+パン+少しのマヨネーズで即席サンドを作ったら、子どもたちが思った以上に喜んでくれて、気持ちがふっと軽くなったのを覚えています。停電中は料理の手間や後片付けも増えるので、「簡単で安全」「すぐ食べられる」ことが何より大切です。

停電時は不安が大きいですが、家にあるものを最大限に活かすだけで食事の心配はぐっと減ります。少しの工夫で、家族の安心につながる時間が作れます。

暑さ・寒さへの応急対策

夏の停電は「濡れタオル」が助かる

真夏の停電は、子どもがいる家庭にとって特に心配。エアコンや扇風機が使えないだけで室温は一気に上がり、熱中症のリスクが高まります。

そんなとき、すぐに使えるのが濡れタオル。タオルを水で濡らして軽く絞り、首・脇の下・おでこに当てるだけで体の熱を逃がしてくれます。小さな子どもには持たせておくだけでも効果があり、ぐずりがちな場面でも気持ちが落ち着きやすくなります。

また、家族で互いに扇いであげると風が生まれ、体感温度もかなり違います。停電中の不安な時間でもコミュニケーションが増え、気持ちが和らぐのを感じました。濡れタオルは準備いらずで、どの家庭でもすぐできる夏の必須対策です。

冬は毛布で“家族テント”に

冬の停電は、夏とは逆に寒さとの戦いになります。暖房が使えないと、室温はみるみるうちに下がってしまいます。
そこで有効なのが、家族みんなで一つの部屋(リビングなど)に集まり、毛布を使って“家族テント”のように体を寄せ合う方法。体温が合わさることで暖かさが保ちやすくなり、広い部屋に散らばっているよりも格段に暖かく感じます。

小さなライトをつけて「秘密基地みたいだね」と声をかけてあげると、子どもたちも遊びの延長のように感じて不安が薄れます。停電中はどうしても空気が重くなりがちですが、こうした工夫で“家族で乗り越える時間”に変えられます。

蒸しタオルで一時的に体を温める

電子レンジが使えない停電時でも、カセットコンロさえあれば蒸しタオルは簡単に作れます。
お湯を沸かしてタオルを浸し、しっかり絞ればすぐに温かい蒸しタオルに。冷えやすい首、手首、足首に当てると血流がよくなり、体温をキープしやすくなります。
特に真冬の夜は足先から冷えて眠れなくなることもあるので、寝る前に蒸しタオルで温めると安心です。カセットコンロは調理だけでなく、寒さ対策にも役立つ万能アイテムだと改めて感じました。

家電が使えない状況でも、家にあるものと少しの工夫で体の負担はぐっと軽くなります。停電が長引くほど気力も奪われがちなので、身体を守る“温度対策”はとても大切です。

情報確保・スマホの充電をどうする?

モバイルバッテリーがないときは“節電モード”

停電時は、スマホが“命綱”になります。家族との連絡、災害情報の確認、ライト代わり…すべてスマホに頼る場面が増えるからこそ、バッテリー管理が最重要です。
まずやるべきは、スマホを徹底的に省エネモードにすること。
画面の明るさを最低にし、Wi-Fi・Bluetooth・位置情報をオフにすると消耗が大きく変わります。通知も必要最低限に絞るとさらに安心。

私は以前、停電中にこれらを設定しただけで 「バッテリーが体感3倍もった」 と驚いたことがあります。ひとつの設定で情報収集の時間が大幅に伸び、安心感がまったく違いました。

車のシガーソケットで充電

家のコンセントが使えなくても、車がある家庭なら大きな助けになります。シガーソケット用のUSBアダプターがあれば、スマホの充電が可能。
特に長時間の停電では、途中でバッテリーが尽きる不安が大きくなるので、車が“臨時の電源ステーション”になってくれるのは心強いですよね。
ただし、注意したいのは 「換気の悪い場所では絶対にエンジンをかけない」 こと。車庫や狭い空間では一酸化炭素中毒の危険があるため、必ず屋外で換気の良い場所で充電するようにしてください。

私は一度、夜間の停電で車に避難し、子どもたちと一緒にスマホを充電しながら落ち着いて状況を確認したことがあります。車の中という“家とは別の安心スペース”があるだけで不安が和らぎました。

ラジオアプリが使えないときは“手回しラジオ”

スマホの充電が心もとないとき、もうひとつ大事なのが“情報源の確保”。
台風や大雨のような災害時は、通信状況が不安定になり、アプリやネットニュースが読み込みづらくなることがあります。そんなときに役立つのが手回しラジオや乾電池式ラジオ。
自分の手で回して電源を確保できるタイプなら、電池切れの心配もありません。ニュースだけでなく、気象情報や避難情報をリアルタイムで聞けるので、状況判断が正確になります。

停電中に情報源が途絶えるのは想像以上に不安になるもの。スマホに頼り切らず、電力不要の“バックアップ情報源”を持っておくことが家族の安全につながります。
ラジオが1台あるだけで、心の支えがまったく違います。

停電に備えておきたい“家族向け”備蓄リスト

1. 明かり

停電時、最も早く必要になるのが「明かり」です。
特に夜の停電は子どもが強い不安を感じやすく、家族が落ち着くためにも光の確保は最優先になります。

  • 懐中電灯(1人1本が理想)
     家族が別々に行動する可能性を考えると、1本では足りません。大人用・子ども用と分けると安心です。

  • LEDランタン
     部屋全体をふわっと照らしてくれるので、食事・作業・子どものケアなど幅広く使えます。吊るして使えるタイプは特に便利。

  • 予備の乾電池
     明かりがあっても電池切れでは意味がありません。定期的に残量をチェックして、必ずストックしておきましょう。
    停電中は「光があるかどうか」で気持ちの不安定さが全く違うので、明かりの備蓄は最優先で準備しておくべきポイントです。

2. 食料

電気が止まると調理の幅が大きく制限されるため、すぐ食べられる食品のストックはとても役立ちます。

  • レトルト食品
     カレー・スープ・親子丼など、湯煎ができれば温かく食べられるので気持ちも落ち着きます。

  • パン・シリアル
     調理不要で栄養も取りやすいので、子どもがいる家庭では特に重宝します。

  • 缶詰(子どもが食べやすいもの)
     ツナ缶・フルーツ缶・サバ缶は万能。非常時こそ栄養をしっかり取ることが大事なので、好きな味を揃えておくと安心です。

停電が長引くと食事の用意だけでも負担が大きくなるため、火を使わずに食べられる食品をある程度揃えておくと気持ちに余裕が生まれます。

3. 水

停電は水道には直接影響しない場合が多いものの、大きな災害時は断水の可能性もあるため、水の備蓄は必須です。

  • ミネラルウォーター(1人1日3Lを目安)
     飲み水だけでなく、調理・手洗い・うがいまで考えると消費が早いです。
     家族が3人なら「1日で9L」必要になる計算なので、複数日のストックがあると安心。

水は“重い”という理由で後回しにしがちですが、いざというときに困るものの代表例です。日常使いしながらローリングストックするのが続けやすい方法です。

4. 生活用品

電気が止まると、普段どれだけ家電に頼っていたかを実感します。少しの生活用品があるだけで、停電のストレスが大きく減ります。

  • カセットコンロ+ガスボンベ
     温かいスープやお湯を作れるだけで、心身の落ち着き方が違います。
     ボンベは4本以上のストックがあると安心。

  • 紙皿・紙コップ・ラップ
     洗い物ができない・増やしたくない状況では大活躍します。
     子ども用の軽いカップや取り皿を用意しておくと、停電中でも普段と近い形で食事ができます。

停電のストレスは「片付けができない」「家の中が暗くて動きづらい」など小さな不便の積み重ねから生まれるので、生活用品の備蓄は意外と重要です。

5. 子ども向けの安心アイテム

停電が長引くと、子どもの不安は大人より早く表れます。特に暗さや静けさは怖さにつながりやすく、心のケアがとても大切になります。

  • お気に入りのおもちゃ
     普段から大好きなものが手元にあると安心につながります。音の出ないものが◎。

  • ぬいぐるみ
     暗さで不安が増える子には、常に抱けるぬいぐるみが心の支えになります。

  • 小さなランタン(子ども専用)
     自分の明かりを持てるだけで、“怖い”が“守られている”に変わります。
     ハンドル付きの軽いランタンだと持ち歩きやすくて便利。

特に停電は「いつ復旧するか分からない」不安が大きいため、どもの心を落ち着かせるアイテムを用意しておくことは大人の安心にも直結します。

まとめ|今日ひとつだけ“停電対策”を整えてみる

停電はいつ起きてもおかしくない出来事ですが、たったひとつの備えでも家族の安心感は大きく変わります。とくに子どもがいる家庭では「明かりがあるか」「食べられるものがあるか」「寒さ・暑さをしのげるか」だけで、心の落ち着き方がまったく違います。
私自身、初めて停電を経験したときは焦りでいっぱいでしたが、備蓄がひとつあるだけで気持ちが軽くなることを実感しました。停電対策は“完璧に揃える”より、“少しずつ整えていく”ことが何より大切なんだと感じています。

今日できることは、本当に小さな行動でも大丈夫です。
懐中電灯の置き場所を決めるだけでもいいし、紙コップとスマホで簡易ランタンを一度試しておくだけでも立派な準備です。カセットコンロのボンベ残量をチェックしておくことも、未来の自分を助ける一歩になります。

その小さな一歩こそが、もしもの時に家族を守る“本当の安心”につながります。
今日、この記事を読んだこの瞬間から、あなたの停電対策はもう始まっています。無理のないペースで、ひとつずつ備えを整えていきましょう。