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おでんを圧力鍋で作ると危険?入れてはいけないものと失敗しないコツ

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寒い季節になると、家族で囲むおでんの鍋は最高のごちそうですよね。私の家でも冬になると「今日はおでんにしようか!」が合言葉のようになっています。
でもある日、時短のつもりで圧力鍋を使ったら…具材が崩れ、味もボヤけてしまったんです。おでんは圧力鍋に向かない食材があることを、そのとき初めて知りました。

この記事では、私の失敗談をもとに「おでんに入れてはいけない食材」と「圧力鍋で上手に作るコツ」を紹介します。これを読めば、家族が喜ぶ“ほっこりおでん”が失敗なく作れます。

圧力鍋でおでんを作るときに注意すべき理由

圧力鍋は「時短の救世主」として頼もしい存在ですが、実はおでんに関しては注意が必要です。
短時間でしっかり火が通る一方で、“おでんらしさ”である素材ごとの味や食感を損なってしまうことがあるからです。
我が家でも以前、「仕事帰りでもすぐできる!」と意気込んで圧力鍋を使ったところ、想像とは違う仕上がりに…。見た目はおいしそうなのに、味も香りもどこか物足りない、そんな“もったいないおでん”になってしまいました。

煮込みすぎて味が「混ざりすぎる」

おでんの一番の魅力は、具材ごとの個性が生きていること。
大根のやさしい甘み、練り物の旨み、卵のコク。それらがひとつの鍋の中で、じっくりと時間をかけて調和していくことで、「染みてる〜!」と感じる味わいが生まれます。

しかし圧力鍋では、その過程を一瞬で終わらせてしまいます。
短時間で全ての具材が同じ圧力と温度にさらされるため、味が均一化しすぎて「深み」ではなく「平坦さ」が残ってしまうのです。
特に練り物は出汁を強く吸うため、全体の塩分が濃くなり、他の具材の風味をかき消してしまうことも。

「味はしっかりしてるのに、なんだか物足りない」――そんな仕上がりになった経験がある人は、まさにこの“味の混ざりすぎ”が原因かもしれません。

香りや食感が飛んでしまうことも

圧力鍋の中は、100℃を超える高温・高圧の世界。
短時間で柔らかくなる反面、素材が持つ繊細な香りや食感が損なわれやすいのです。

例えば、こんにゃくは本来プリッとした弾力が持ち味ですが、加圧調理するとスポンジのようにスカスカに。
卵も、白身が硬くなり、黄身はポソポソとしてしまいます。
この状態になると、せっかくの出汁を含みにくくなり、口の中で「パサパサ」「もそもそ」とした印象になってしまうんです。

また、具材が柔らかくなりすぎて箸で持てないほど崩れてしまうこともあります。
特に大根は、圧力が強すぎると外側と内側の食感に差ができ、「外はぐにゃっと、中はスカスカ」という残念な状態に。

おでんは“煮る”のではなく“じんわり味をしみ込ませる”料理
圧力鍋はそのスピード感が魅力ですが、味と食感のバランスを重視するなら、少し時間をかけた方がおいしく仕上がります。

圧力鍋を使うときは、「時短」と「風味」のバランスを見極めることが大切です。
具材によって加圧時間を変える、柔らかい食材は後入れにするなど、ひと工夫するだけで失敗を防げます。
家族が「おいしい!」と笑顔になるおでんを作るためには、“圧力をかけすぎない勇気”も大切かもしれませんね。

おでんに「入れてはいけない」圧力鍋NG食材

私が実際に失敗した食材も含めて、圧力鍋では避けたほうがいいものをもう少し詳しく解説します。ポイントは「加圧せず、後から温める・含ませる」に切り替えることです。

1. はんぺん・ちくわなどの練り物系

練り物は空気を含んだふわふわ構造で、加圧すると膨張→破裂→崩壊の流れになりがち。うま味成分もスープに流れ出し、鍋全体が塩辛く平坦な味になります。
練り物は加圧後の“残り火”で5〜10分温めるだけで十分。味を含ませたいときは火を止めた鍋に入れて放置(予熱浸し)がベストです。香りも食感も守れます。

2. こんにゃく・しらたき

こんにゃくは加圧で水分が抜け、網目構造がつぶれてスカスカ食感に。出汁は染みたように感じても、噛むとパサつきます。
下処理(塩もみ→熱湯で2〜3分下茹で)をして、加圧が終わってから投入。味が気になるときは、鍋を止めてから20〜30分おいて含ませればOK。切り目は浅く両面に入れると浸透が均一になります。

3. 卵

卵は高温高圧で硫黄臭が出たり、黄身がボソボソになりやすいのが難点。白身も締まりすぎてゴムっぽくなります。
卵は別茹で(半熟なら7〜8分、固茹でなら9〜10分)→殻をむき、加圧後の出汁で温めるだけ。仕上げに10分ほど浸しておくと、黄身の周囲からきれいに色づきます。

4. ちくわぶ・餅入り巾着

でんぷん主体のちくわぶは加圧で形が崩れ、鍋がどろりと濁る原因に。餅巾着は膨張して破裂し、最悪は蒸気口の詰まりリスクも。
巾着・ちくわぶは“別鍋で短時間”が安全。ちくわぶは下茹で3〜4分→仕上げ合わせ、餅巾着は弱火で2〜3分温めてから食卓直前に投入すると、形も食感も守れます。

共通のコツ(後入れ運用のしかた)

  • “固いものだけ先に加圧”(大根3〜5分/牛すじ15〜20分など)→自然放圧→火を止めてから柔らかい具材を入れる

  • 味を含ませたいときは、再加熱よりも「保温放置(10〜30分)」を活用

  • 塩分は控えめに仕込み、練り物を入れてから味を最終調整(濃くなりすぎ防止)

家庭のペースに合わせて「加圧は下ごしらえ、仕上げは余熱」を意識すれば、時短しながらもお店みたいな“しみうま”おでんに近づきます。

圧力鍋で「入れてOK」のおでん食材

圧力鍋が苦手な食材もある一方で、「これは圧力鍋だからこそおいしくなる!」という具材もあります。
短時間で味がしみこみ、トロトロ食感に仕上がる食材を上手に使えば、忙しい平日の夜でも“じっくり煮込んだようなおでん”を楽しめます。ここでは、圧力鍋で入れてOKな代表食材と、そのコツを詳しく紹介します。

大根

おでんの主役といえば大根。圧力鍋との相性は抜群です。
普通の鍋だと1時間以上かかるところを、圧力鍋ならわずか5分で中まで柔らかくなります。
高圧で3〜5分にとどめ、加圧後は自然放置して味を含ませるのが最大のポイント。すぐにフタを開けてしまうと中まで味が入らないので、圧を抜かずに10〜15分ほど放置することで、芯までじんわり出汁が染み込みます。

大根の下ごしらえも忘れずに。厚めに皮をむいて面取りし、隠し包丁(十字の切り込み)を入れると、味の入り方がぐんと変わります。
我が家では、前日の夜に加圧→朝までそのまま放置しておくことも。翌朝、ふたを開けた瞬間の香りがたまりません。

圧力鍋を使うと、大根の甘みと出汁のうま味が一体になった“おでん屋さん級の味”になりますよ。

牛すじ・すね肉

硬い肉をほろほろにするのは、圧力鍋の得意技。特に牛すじや牛すね肉は、通常の鍋だと長時間煮てもなかなか柔らかくなりません。
しかし圧力鍋なら、高圧で20〜25分ほどでトロトロに。コラーゲンが溶け出してスープに深みが加わり、全体の味のベースを底上げしてくれます。

ただし、臭みが残るとせっかくのおでんが台無しになるので、最初に下茹でしてアクを取り除くことが大切。
下茹でした牛すじを一度水で軽く洗い、ネギやしょうがと一緒に再度圧力鍋へ。加圧後に冷ますことで、より味が染み込みます。

牛すじが入るだけで、「あ、今日は本格的!」と家族のテンションも上がる一品。
スープのコクを出したいときは、最初に牛すじだけ加圧してから、ほかの具材を加える“二段階おでん”もおすすめです。

じゃがいも・たまねぎ系

意外と見落とされがちですが、じゃがいもや玉ねぎも圧力鍋と好相性です。
ただし、加圧時間は短め(1〜2分)に設定しないと崩れやすくなるため注意。
特にメークインなど煮崩れしにくい品種を選ぶと、型崩れせずにホクホク感を保てます。
玉ねぎは半分に切って入れると、甘みがスープに広がり、おでん全体がまろやかになります。

がんもどき・厚揚げ

がんもや厚揚げも、短時間なら圧力鍋でおいしく仕上がります。
出汁を吸いやすい構造なので、加圧1〜2分でしっかり味が染みます。
長時間の加圧は避け、再加熱のタイミングで軽く温める程度がベスト
仕上げに入れると、出汁をじゅわっと吸い込んで食べごたえ満点になります。

こんにゃく以外の根菜類(にんじん・ごぼうなど)

にんじん、ごぼうなどの根菜も圧力鍋と好相性。特にごぼうは時間をかけずに柔らかくなり、香りが引き立ちます。
ただし、これらは味が強い具材なので、加圧後に軽く煮含めて味を調えるとバランスが良くなります。

圧力鍋でおでんを作るときは、具材の特性を見極めて“先入れ・後入れ”をうまく分けることがコツ。
固い食材(大根・牛すじなど)は先に加圧し、柔らかい食材(練り物・卵など)は後で加えることで、時短でも失敗知らずの完璧おでんになります。

私の体験談|家族のひとことがきっかけに

ある冬の夕方、仕事を早めに切り上げて帰宅した私は、「今日は時短でおでん作っちゃおう!」と意気揚々。
寒い日こそ、あつあつのおでんを食卓に出したい。でも、じっくり煮込む時間はない――そんなときに思いついたのが、圧力鍋でした。

「これなら一気に味が染みるはず!」と、具材を次々投入。大根、卵、こんにゃく、はんぺん、練り物…。
レシピアプリを片手に加圧ボタンを押し、あとは待つだけ。湯気とともに立ちのぼる出汁の香りに、私はすっかり満足気。
けれど――フタを開けた瞬間、その期待は一気にしぼみました。

はんぺんは溶けて姿を消し、大根は端が崩れてスープのような状態。
出汁も白く濁り、見た目はまるで「具沢山味噌汁」。
夫が鍋を覗き込み、「…これ、おでん?」と苦笑い。息子は「なんかスープみたい!」と笑ってくれましたが、その優しさが逆に刺さりました。
食卓には温かさよりも、少しの“残念感”が漂っていました。

食べながら、「あれ…なんか違うな」と思った私。味がしみているようでいて、どの具材も同じ味。
「おでんって、こんなに単調だったっけ?」と、自分でも驚きました。
その夜、洗い物をしながらふと夫が言ったんです。
「やっぱり、時間かけたおでんの方が好きかもな。昨日のじっくり煮たやつ、おいしかったよね」

その言葉にハッとしました。
“時短”ばかりを意識して、“おでんの良さ=ゆっくり煮込む時間”を忘れていたことに気づいたんです。
翌日は、圧力鍋を封印して、普通の鍋でじっくり煮込みました。弱火でコトコト2時間。大根の中まで透き通るようになり、出汁の香りも穏やかに広がっていきました。

夕飯の時間、夫が一口食べて「こっちのほうがおいしいね!」と笑顔。息子も「今日の大根、あまい!」と嬉しそう。
その瞬間、胸の中がふわっと温かくなりました。

たとえ少し時間がかかっても、“手間をかけることで生まれる味”には、家族の笑顔を作る力がある
圧力鍋の便利さを知ったうえで、あえて“ゆっくり”を選ぶ――それが我が家のおでんスタイルになりました。

まとめ|圧力鍋を上手に使って“時短でもおいしいおでん”を

圧力鍋でもおでんは作れますが、全ての具材を一緒に加圧するのはNG。
「時間のかかる具材だけを先に加圧 → 柔らかい具材は後で加える」ことで、失敗なく仕上がります。

家族が「おいしい!」と笑顔になるおでんのコツは、焦らず丁寧に作ること。
少しの手間で、食卓に幸せな香りが広がります。

次におでんを作るときは、圧力鍋と普通鍋の“いいとこ取り”で、あなたの家だけの絶品おでんを楽しんでみてください。