「そろそろ寝る時間だよ」――そう声をかけても、ゴロゴロしながら遊び続ける子どもに、私も何度ため息をついたことか。寝かしつけに1時間以上かかっていたわが家ですが、ある対策を試してから、驚くほどスムーズに寝てくれるようになりました。今回はその“実録”をまとめてご紹介します。
目次
なぜ子どもは夜寝ないの?わが家の悩み

寝る時間になってもテンションMAX
うちの子はとにかくパワフルで、日中はもちろん、夜になってもまったく疲れた様子を見せませんでした。むしろ、夕方以降からどんどんエンジンがかかっていく感じで、「夜の方が元気なんじゃ…?」と思うほど。
「ママ、まだ寝たくない!」「今日さ、幼稚園でね…!」と布団に入ってもテンションは高いまま。おしゃべりが止まらず、しまいには「ちょっとだけ遊んでから寝るね」とブロックや絵本を持ち出してくる始末。
最初は「寝る時間だよ、もう電気消すよ」と優しく声をかけていたのですが、毎晩それが通じず、次第に私もイライラ…。
「今寝てくれたら、少し自分の時間が持てるのに…」
「明日の朝も早いのに、寝不足になる…」
そんな焦りや疲れも重なって、声を荒げてしまったこともあります。寝かしつけは親の忍耐力との戦い…そんなふうに感じていました。
一番つらかったのは、「ようやく寝た…」と思って時計を見ると、22時をすぎていること。そこから食器を片づけたり、明日の準備をしたりしていたら、私自身が寝るのは深夜。自分の時間なんてとても持てず、毎日が「寝かしつけで終わる」ような生活でした。
生活リズムは守っているつもりなのに…
「寝つきが悪いのは、生活リズムの乱れかも?」と気づいてからは、家庭のスケジュールをかなり整えました。
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朝は必ず7時に起こす
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お昼寝は15時までに切り上げる
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夜は21時には消灯
テレビやタブレットも20時までには切り上げて、そこからは静かに過ごすように心がけていました。
でも…それでも寝ない。
お風呂に入って、歯みがきして、絵本を読んで…と一通りのルーティンを終えても、布団に入った途端に「まだ寝たくないモード」突入。寝返りをゴロゴロしながらおしゃべりしたり、寝かしつけ中の私の顔をつんつん触ってきたり。
正直、「こんなに頑張ってるのに、なんで…?」と、無力感を覚えることもありました。
「体質なのかな」「性格なのかも」「そのうち自然と寝るようになるかな」と自分に言い聞かせるようにしていたけれど、やっぱり毎晩続くとつらい。
そんなある日、「もしかしたら根本的な原因はほかにあるのかも?」と考え直すようになりました。
まず見直したのは“日中の過ごし方”

体をたっぷり動かす日→寝つきが早かった!
毎晩寝ないわが子を前に、「いったい何がいけないんだろう?」と悩んでいたときのこと。ある日、たまたま午前も午後もたっぷり公園で遊び、夕方には砂だらけになって帰ってきた日がありました。
その日は夕飯を食べるころにはすでに少し眠たそうで、「お風呂出たら寝る〜」と自分から言い出したんです。
「ほんとに?」「これはもしや…」と半信半疑でしたが、絵本を読み終えた頃にはすでに目がとろん。布団に入って5分もしないうちに、すやすや寝息を立て始めました。
いつも1時間以上かかっていた寝かしつけが、こんなにあっさり終わるなんて。
「これは偶然じゃないかも?」と感じた私は、次の日から意識的に“日中の活動量”を増やすようにしてみました。
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晴れの日は、近くの公園で1時間以上しっかり体を動かす(走る、登る、滑る)
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室内ではクッションを使ってジャンプ遊びをしたり、風船バレーで全身を動かす
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雨の日はYouTubeで「キッズダンス」や「幼児向け体操」を一緒に踊る
これがびっくりするくらい効果的で、身体を思いきり動かした日はほぼ確実に、寝かしつけがスムーズになりました。
寝る前にグズグズ言うことも減り、「今日は公園でいっぱい遊んだから、疲れた〜」と自分から言ってくれることも。やっぱり、子どもも“体が心地よく疲れている”と、自然と眠くなるものなんだなと実感しました。
昼寝は“しない”より“うまく使う”が正解
そしてもう一つ見直したのが「お昼寝の取り方」でした。
年少の頃は、保育園でも家でもお昼寝が2時間くらい。体力がついてくると同時に、昼寝後もけろっとしていて、むしろ夜はますます元気に。
「これは昼寝が長すぎるせいかも」と思い、思い切って昼寝をやめてみたこともあります。でもこれが大失敗で…。
まず、夕方になるとグズり始める。ごはんの準備中に泣き出したり、何でも「イヤ!」になったり。そして夜になったら、なぜか目が冴えて興奮状態。「疲れすぎて逆に寝られない」状態に突入してしまい、親子ともにストレスフルでした。
そこで、「昼寝をやめる」ではなく「見直す」に方向転換。
保育園が休みの日は、「お昼ごはんのあとに30分だけ、静かに横になる時間」を設けました。最初は「え〜寝たくない!」と言っていましたが、絵本を読んであげながら静かな時間を作ってあげると、次第に自然とまどろむように。
「15時をすぎたら絶対に寝かせない」こともルールにしました。
この“短く、早めに終わらせる昼寝”スタイルに変えてから、夕方の不機嫌も減り、夜の寝つきも安定。
夜のルーティンを整えたら、眠りのスイッチが入るように

“おやすみの流れ”をルール化
寝る前って、ただでさえバタバタしますよね。夕飯を食べさせて、お風呂に入れて、歯みがきして…。その合間に子どもが「まだ遊びたい〜!」と言い出したり、こっちが家事に追われていたり。
そんな毎日だったので、気づけば「寝かしつけ前の時間」はいつもバラバラ。今思えば、その“日によって違う過ごし方”が、子どもを余計に興奮させてしまっていたのかもしれません。
たとえば…
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「今日は疲れたから絵本なしで…」と省略してしまう日
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寝る直前までテレビをつけっぱなしで、「もう寝る時間だよ!」と突然切り替える日
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自分がスマホを見ながら、なんとなく添い寝してしまった日
この「毎日違う」感じが、子どもにとっては“いつが寝る時間なのか分からない”状態を作っていたのだと思います。
ある日、「毎晩同じことを繰り返せば、体が勝手に“眠いモード”になるかも?」と思い、思い切って夜の流れをルール化してみました。
わが家の夜のルーティンはこんな感じです。
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18:30〜 ごはんを食べる
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19:15〜 お風呂タイム(できるだけ楽しく)
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19:45〜 パジャマを着て歯みがき
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20:00〜 リビングの明かりを少し暗くする
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20:15〜 ベッドで絵本タイム(20分くらい)
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20:35頃 トントンしながら「おやすみなさい」
この流れを毎晩繰り返すことで、子ども自身の中にも「この順番が終わると寝る時間なんだ」という“スイッチ”のような感覚が生まれてきました。
特に、リビングの明かりを落とすときは「そろそろ寝る時間だよ〜」と声をかけながら、明るい白い照明から電球色のやわらかい光に変えるようにしています。これだけでも空気が落ち着いて、子どもも自然と気持ちが静まってくるのが分かります。
「毎晩同じ流れって大事なんだな」と、改めて実感しています。
絵本は“静か系”を選ぶように
もうひとつ、大きな気づきだったのが「寝る前に読む絵本の内容」でした。
最初の頃は、子どもがリクエストした本をそのまま読むようにしていて、それが恐竜図鑑だったり、電車の本だったり、戦隊モノの絵本だったり。
当然ですが…読むたびにテンション爆上がり。
「ママ、トリケラトプスは草食なのにツノがあるんだよ!」
「この電車、見たことある!今度また乗りたいな!」
と、おしゃべりが止まらなくなってしまい、「はいはい、もう寝ようね…」と、逆に寝かしつけが難しくなっていました。
そこで、寝る前の絵本は“選ぶ内容”を大きく見直すことに。
私なりに決めた3つのルールは、
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内容が静かめで、ストーリーに起伏が少ないもの
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絵に“余白”があり、見るだけでリラックスできるもの
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舞台が夜や眠りに近いテーマのもの
これに当てはまる絵本を探していった結果、わが家では次の絵本が“夜のおとも”として大活躍しました。
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『おつきさまこんばんは』:やさしい言葉と静かなイラストが心を落ち着かせてくれます
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『ねないこだれだ』:ちょっぴり怖いけど、最後には「ちゃんと寝ようね」に誘導できる
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『ぐるんぱのようちえん』:長すぎず、気持ちが穏やかになるストーリー
読む声のトーンも大切で、夜は意識して“少しゆっくり・小さな声”で読み聞かせるようにしています。これだけで、子どもがぐずることなく、絵本の途中からまどろみ始めることも増えてきました。
もちろん、その日の気分によっては「読みたくない!」となることもあります。でも、「読む・読まない」ではなく「どんな本を選ぶか」の方が、実は寝かしつけには重要だったんだな…と気づかされました。
寝室の環境を変えたら、驚くほど効果アリ
照明を“電球色”に変えたらすぐ眠くなった
寝かしつけに悩んでいた頃、「子どもが眠くならないのは、部屋の明るさのせいかも?」という話を目にしました。そういえば、うちの寝室はずっと明るい白色のLEDライト。目が冴える感じがするし、夜になっても部屋が“昼っぽい”ままでした。
「寝る前はオレンジ系の光がいいらしい」というのを聞いて、思い切って照明を“電球色”に変えてみることに。近所のホームセンターで電球をいくつか選び、リビングと寝室の2か所を交換してみました。
すると、その夜からさっそく変化が。
まず、部屋全体の雰囲気がふんわりと落ち着いた感じに。まるでカフェや旅館のような、リラックスできる空気に包まれる感じがありました。子どもも「なんかいつもと違う〜」「ちょっとねむくなってきた〜」と、自然とごろごろ布団に横になるように。
それまでは、「そろそろ寝るよ!」と声をかけても「まだ明るいし!」と返されていたのに、電球色に変えただけで“夜の雰囲気”が一気に伝わるようになったんです。
私自身も、パソコンやスマホを見ていたときの目の疲れが和らぎ、布団に入るとすぐにまどろむように。部屋の明かりって、こんなに体と心に影響するんだなと実感しました。
いまでは、寝室だけでなくリビングも夜になると電球色モードに切り替えています。これだけで「夜=休む時間」というリズムが自然とできて、親子ともに過ごしやすくなりました。
「すぐできて、確かな効果がある」寝室照明の見直しは、本当におすすめです。
布団にぬいぐるみ“1つだけ”作戦
もう一つ、寝室の環境で大きな変化があったのが“ぬいぐるみ”の扱い方でした。
うちの子はぬいぐるみが大好きで、気づけば10体近くが枕元に集結していたことも。クマにうさぎ、パンダにライオン…。寝室がまるでぬいぐるみパレード状態。
寝る前に「今日はどの子と寝ようかな?」と並べ始めて、「この子たちで戦隊ごっこしよ!」と始まり、結果的にテンションはMAX。寝るどころではありませんでした。
そこで、ある日思い切ってルールを作ることに。
「お布団に入るとき、一緒に寝るのは1つだけにしようか」
「お気に入りの子を選んで、一緒にぎゅーってして寝ようね」
最初は「え〜、みんなと寝たい!」と渋られたものの、「じゃあ、クマさんが代表で寝て、明日はうさぎさんね」と“順番制”を導入したところ、意外にもすんなり納得。
それからは、毎晩「今日はこの子」と自分で選んで、そっと抱えて眠るようになりました。
この“ぬいぐるみ1体だけルール”に変えてから、寝かしつけ前のごっこ遊びがなくなり、気持ちの切り替えもスムーズに。今では布団に入る=クマさんを抱く、という流れが定着してきています。
子どもにとってぬいぐるみは安心材料でもあるけれど、多すぎると“遊び道具”になってしまうんだなと実感しました。
どうしても寝ない日は“諦める勇気”も必要だった
「もう、今日はいいか」と割り切る日も
毎晩どれだけ工夫しても、「どうしても寝ない日」ってありますよね。
寝かしつけルーティンもこなした。
部屋の明かりも暗くした。
絵本も読み終えて、静かにトントン…。
それなのに子どもは全然眠くならない。むしろ目が冴えているように見えて、「ねえママ、ちょっとだけおしゃべりしよ」「今日の絵本、もう一回読んでもいい?」なんて言い出す。
私の方は仕事や家事でくたくたで、「早く寝て…」と願う気持ちが顔に出ていたと思います。声もだんだん強くなり、「もう静かにして!」「目をつぶって!」と怒ってしまったこともありました。
でも、そんなふうに感情をぶつけても、逆に子どもは不安そうな顔になるばかりで、ますます寝なくなる。結局、親子で気まずい気持ちのまま夜が終わることも…。
そんなある日、心底疲れ果てた私はふと、「もう、今日は寝かせなくてもいいか」と思ったんです。
「無理に寝かせようとしても、お互いしんどいだけだな」
「だったら、今この時間を“静かに過ごす時間”にしてみよう」
そう割り切って、「布団に戻りなさい」と言うのをやめ、リビングに明かりをつけて、静かな音楽を流しながら、子どもと一緒に絵本をパラパラ眺めたり、ひざに乗せて絵を描いたりして過ごしてみました。
すると、30分も経たないうちに「ママ、そろそろ寝よっか」と子どもの方から言い出したんです。
拍子抜けしたような、ほっとしたような不思議な気持ちになりました。
毎晩、戦うような気持ちで「寝かしつけなきゃ」と思っていたけれど、子どもにも子どものリズムや気持ちがあるんですよね。「眠れない」のではなく「今はまだ眠くないだけ」という日もあるんだ、と少し冷静になれた瞬間でした。
それ以来、どうしても寝ない日は、「今日は特別ね」と伝えて、一緒に穏やかな時間を過ごすことにしています。
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リビングでお茶を飲みながら絵本を読む
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ソファで並んで背中をさすってあげる
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小さな声で一緒に歌を口ずさむ
こうして“寝かしつけ”から“静かな共有時間”に切り替えることで、子ども自身も気持ちが整い、自然と眠りに向かっていくようになりました。
「戦い」ではなく「流れ」だと気づいてから、私がラクになった
かつての私は、寝かしつけを「親としてやるべき仕事」として捉えていて、「うまく寝かせられない=ダメな親かも」と、自分を責めていた部分もありました。
でも今は、寝かしつけは“戦い”じゃなくて“流れ”だと考えるようになりました。
毎日同じようにいかなくてもいい。
寝ない日があっても、それもまた成長の一部。
夜ふかししたって、翌日にちゃんと調整すれば大丈夫。
そう思えるようになってからは、自分自身がずいぶんラクになりました。
子どもが寝ないことで悩んでいたのに、実は一番苦しんでいたのは「寝かしつけに失敗した」と思っていた自分自身だったのかもしれません。
今は、「眠ること」よりも「気持ちよく夜を過ごすこと」を大切にしています。その結果として、いつの間にか寝てくれるようになった。そんなふうに感じています。
寝ない原因は“ママのイライラ”だったかも?
「早く寝なさい!」が逆効果だった…
いろいろと対策をしても、なかなか寝ないわが子。そのとき、私が最後に気づいたのは——一番の原因は「自分自身の気持ち」だったのかもしれない、ということでした。
毎日の仕事や家事、育児で、私の中には常に「早く寝かせてしまいたい」という焦りがありました。
「このあと洗い物もある」
「明日の保育園の準備もしなきゃ」
「少しでも自分の時間がほしい」
そう思えば思うほど、「もういい加減にして!」「早く寝なさいってば!」と強い口調になってしまっていたのです。
私としては、「注意してるだけ」「促しているだけ」のつもりでした。でも、よく見れば子どもは小さく体をこわばらせていたり、視線を外していたり。泣きはしないけれど、「また怒られちゃった…」という雰囲気をまとっていて、それが返って眠気どころか不安を生んでいたんですよね。
イライラの裏にあった“私の余裕のなさ”
思えば、「早く寝なさい!」と怒っていたのは、子どものためではなく、自分のためでした。
寝かしつけの時間が長引くほど、自分の時間がなくなっていく焦り。
毎晩22時近くまでかかって、「今日もまた何もできなかった…」と落ち込む繰り返し。
そうした気持ちが、子どもにぶつかってしまっていたのだと思います。
「寝ない子」にイライラしていたつもりが、実は「思うようにいかない毎日」に疲れていたんですよね。
それに気づいてからは、自分を責めるのもやめました。できない日はあって当然。疲れてるならごはんもレトルトでいいし、洗い物も朝でもいい。そう思えるようになってから、子どもへの接し方も変わってきました。
「一緒にゆっくりしようね」が子どもの心をゆるめた
ある日、仕事でぐったりして帰ってきた私は、もう「早く寝かせよう」と思う気力すらなくて、布団にごろんと横になりながら、ただ一言だけこう声をかけました。
「今日も一緒にゆっくりしようね」
その一言がすごく効いたんです。
子どもはなにも言わずに、私の隣にコロンと転がって、ぬいぐるみをぎゅっと抱いて、静かに目を閉じました。
「寝なさい」って言わなかったのに、「一緒にいよう」と言っただけで、気持ちが落ち着いたのかもしれません。
親がイライラしていると、子どもはそれを無意識に感じ取って不安になる。逆に、親が安心してゆったり構えていれば、子どもも自然と落ち着く。そんな“鏡のような関係”に、あらためて気づかされました。
今では「ちゃんと寝かせなきゃ」と思うよりも、「今日も隣で一緒に静かに過ごそう」という気持ちで寝かしつけに向かうようにしています。
その方がずっとスムーズだし、何より私自身がやさしい気持ちでいられるから。
寝かしつけって、子どもにとっては「寝る時間」だけじゃなくて、「一日の終わりに親と心をつなぐ時間」でもあるんですよね。
その大切さに気づけたことが、いちばんの変化だったのかもしれません。
まとめ|あの手この手を試しながら、“わが家流”を見つけよう
子どもが夜寝ない問題には、魔法のような正解はありません。家庭によって、子どもによって、最適な方法は違います。だからこそ、いろんな方法を“試してみること”が大切。
わが家も試行錯誤の連続でしたが、少しずつ「うちの子に合うスタイル」が見えてきて、今では寝かしつけに悩む日がぐっと減りました。
あなたのご家庭にも、ぴったりの方法がきっと見つかるはず。ぜひ、できそうなものから気軽に取り入れてみてくださいね。