保育園で使える七夕飾りの作り方完全ガイド！年齢別に紹介

「七夕行事が近づいてきたけれど、子どもたちが楽しめる飾りのアイデアが思いつかない…」そんな悩みを抱える保育士さんも多いのではないでしょうか？保育園での行事は、季節感を大切にしながらも、安全で簡単、そして子どもたちが夢中になれる工夫が必要ですよね。

この記事では、保育園で実際に取り入れやすい「七夕飾りの作り方」を厳選してご紹介。年齢に応じた飾りのアイデアから、製作準備のコツ、安全面の配慮まで、現場で役立つ情報をまとめました。忙しい毎日でも、子どもたちと一緒に笑顔で七夕を楽しめるヒントが満載です！

1 保育園で楽しむ七夕飾りのアイデア
2 簡単に作れる七夕飾りの作り方
3 七夕飾り製作のための準備
4 保育園向け七夕飾りの製作工程
5 子ども向けの七夕飾り遊び
6 七夕飾りのアレンジアイデア
7 保育園での七夕行事の進め方
8 七夕飾りを通して学ぶこと
9 七夕飾り作りのための動画とリンク集
10 まとめ｜七夕飾り作りで保育の時間をもっと楽しく！

保育園で楽しむ七夕飾りのアイデア

七夕飾りを楽しむための基本

七夕飾りといえば、短冊に願い事を書いて笹に結びつけるのが定番ですが、それだけではありません。星や吹き流しなど、さまざまな形や色の飾りを加えることで、保育室全体が一気に華やかな七夕ムードに包まれます。

特に、折り紙や画用紙を使ったカラフルな飾りは、子どもたちの目を引き、製作活動への意欲を高めてくれます。

また、子どもたちの年齢や発達段階に合わせて飾りの内容や難易度を調整することで、無理なく楽しく取り組むことができます。

例えば年少児には簡単なちぎり絵や輪つなぎ、年長児にはハサミを使った細かい製作など、成長に応じたアプローチが効果的です。七夕飾り作りを通して、季節の行事を感じながら、手先の器用さや表現力を育むことができます。

保育士が選ぶおすすめ七夕飾り

実際に保育の現場で働く保育士さんたちが選ぶ七夕飾りには、「安全」「簡単」「楽しめる」の3拍子がそろったものが多くあります。特に、小さな子どもたちが無理なく取り組める飾りや、材料の準備が少なく済むものは人気です。

紙コップちょうちん
　紙コップに色紙を貼ったり絵を描いたりして作るちょうちんは、簡単で見た目もかわいらしいため、年齢を問わず楽しめます。中にLEDライトを入れれば、夜の演出にも使える便利アイテムに。
折り紙星かざり
　折り紙一枚で作れるシンプルな星飾りは、保育の現場で長年愛されている定番アイテム。ハサミ不要で作れるバージョンもあり、安全面にも配慮されています。さまざまな色の星をたくさん作って飾ると、笹がより一層にぎやかになります。
ちぎり絵の短冊飾り
　まだハサミが上手に使えない年齢の子どもには、紙をちぎって貼るちぎり絵の短冊もおすすめです。指先を使うことで感覚遊びにもなり、表現の自由さも魅力です。

保育士の目線で選ばれた飾りは、現場の忙しさを考慮しつつも、子どもたちの笑顔と成長を引き出す工夫が詰まっています。安全かつ達成感のある製作を通して、七夕の行事を心から楽しめる時間にしていきましょう。

簡単に作れる七夕飾りの作り方

折り紙を使ったかわいい七夕飾り

折り紙は、七夕飾り作りの中でも最も手軽で人気のある素材の一つです。特に「星」や「輪っかつなぎ（チェーン飾り）」は、年少さんでも楽しく取り組める定番アイテム。折り紙1枚で星型を作る工程は、折り方を覚えることで図形の感覚も身につきます。

輪っかつなぎは、色や順番を自由に組み合わせることで、創造性を広げるきっかけになります。さらに、色のグラデーションやテーマカラーを決めてつなげることで、完成後の達成感もアップ。輪をつなぐだけというシンプルな工程なので、集中力が長く続かない子どもでも楽しく取り組めます。

作った飾りは笹に吊るしたり、保育室の壁面装飾として使ったりと、さまざまな活用が可能です。

画用紙で作るおしゃれな笹飾り

画用紙は、丈夫で色も豊富、自由に絵を描いたり切ったりできるため、子どもたちの創作意欲をかき立てる素材です。画用紙を細長く切ってくるくる巻いてみたり、星型やハート型に切り抜いて紐を通したりすることで、オリジナリティあふれる笹飾りが完成します。

好きな模様や絵を先に描いてから切る工程は、表現力を育てるだけでなく、「自分だけの作品」という達成感にもつながります。ハサミの練習にもなるため、手指の発達を促す点でも効果的です。

年齢に応じて簡単な形から複雑なものまで挑戦できるため、発達段階に合わせて楽しめるのも画用紙飾りの魅力。完成した作品は壁や笹の葉に吊るし、行事当日を華やかに彩ってくれます。

紙コップで簡単にできる七夕飾り

紙コップを使った七夕飾りは、立体感があり、子どもたちにも扱いやすく人気のある工作アイデアです。

特におすすめなのが、紙コップに顔を描いて「織姫と彦星」のキャラクターを作る方法。カラーペンやシールで表情を描いたり、毛糸で髪の毛をつけたりすることで、子どもたち一人ひとりの個性が出る作品に仕上がります。

また、マスキングテープや折り紙で着物風の装飾を加えることで、より華やかで可愛らしい見た目に。紙コップの底に穴を開けて紐を通せば、笹に吊るすことも可能です。立体的な作品づくりは、平面の製作とは違った楽しさがあり、完成した後には「見せたい！飾りたい！」という気持ちも高まります。

飾るだけでなく、おままごと遊びなどにも発展しやすく、遊びと学びを融合させた製作活動としてもおすすめです。

七夕飾り製作のための準備

必要な材料と道具

七夕飾りの製作に必要な材料と道具は、身近で安全に使えるものを選ぶことがポイントです。まず基本となるのは、折り紙や画用紙。さまざまな色や模様の紙を使うことで、飾りがより華やかになります。次に、はさみやのり、テープなどの接着用具。年齢に応じて、安全ハサミやスティックのりなどを選びましょう。

また、装飾に欠かせないクレヨンやペンは、顔や模様を描くのに役立ちます。髪の毛や帯などに使える毛糸、キラキラ感をプラスするホログラムシールなどもおすすめです。そして忘れてはならないのが、笹の葉（本物または紙製）。

完成した飾りを吊るすために必要なアイテムです。すべての道具は、子どもたちが安心して使えるように安全性に配慮して選びましょう。事前に材料を揃えておくことで、製作活動がスムーズに進行し、保育士の負担も軽減されます。

子どもと一緒に準備する楽しみ

製作の準備は、大人が全て整えてしまうのではなく、子どもたちと一緒に行うことで、その活動自体が貴重な学びと体験になります。例えば、「どの色の折り紙を使いたい？」「どんな飾りにする？」などと問いかけながら準備を進めると、子どもたちは自分の意見が尊重されていると感じ、活動への意欲が高まります。

材料を選んだり並べたりする作業は、観察力や選択力を育てることにもつながります。また、「自分で選んだ材料」で飾りを作ることで、完成した際の達成感や満足感もひとしおです。

年齢が小さい子には簡単なお手伝いから始め、年長児には材料の配布や道具の準備など、少し責任のある作業を任せるのもおすすめ。保育士や友だちと協力しながら進めることで、コミュニケーション力や自立心も育まれます。準備段階から七夕行事のワクワク感を高めていきましょう。

製作時の注意事項と工夫

七夕飾りの製作活動では、安全面に最大限の配慮をしながら、子どもたちがのびのびと創作を楽しめる環境を整えることが大切です。特に注意したいのは、はさみの使用。年齢やスキルに合わせて安全ハサミを用い、保育士が目を離さないようにしましょう。

また、工程は年齢に応じて細かく分けるのがポイントです。年少児には、のりを使って貼るだけの作業、年中児には折りや簡単な切り貼り、年長児にはデザインから仕上げまでを任せると、それぞれの発達段階に応じた満足感が得られます。

そして何より大切なのが、「失敗しても大丈夫」という雰囲気づくり。形が少しゆがんでいても、色の組み合わせが奇抜でも、それは子どもたちの“個性”です。型にはめすぎず、自由な発想を受け入れることで、創造性や表現力がぐんと伸びていきます。子どもたちが自信を持って「自分の飾り」を作れるような温かいサポートを心がけましょう。

保育園向け七夕飾りの製作工程

基本のもちものを使った工程

保育園で七夕飾りを製作する際は、基本的な材料とシンプルな工程を使うことで、子どもたちも安心して取り組むことができます。

まずは好きな色の折り紙を選ぶところからスタート。自分で選ぶことでモチベーションが高まり、色彩感覚も養われます。次に、型紙を使って星やハート、丸などの形を切り取る作業に進みます。

ハサミを使う工程では、安全に配慮しつつ、丁寧にサポートすることで手先の器用さを育むことができます。その後は、切り取ったパーツを組み立てて飾りを完成させる段階へ。のりやテープで貼り合わせたり、色を塗ったりすることで、作品にオリジナリティが加わります。最後に、紐や糊を使って笹の葉に飾りを取りつけると、七夕飾りの完成です。

工程が明確に区切られていると、子どもたちは次に何をすべきか分かりやすく、集中して作業に取り組めます。保育士の方は、それぞれのステップで声かけやサポートを行いながら、子どもの成長に寄り添う製作活動を心がけましょう。

短冊の書き方と飾り方

七夕といえば欠かせないのが「短冊」。子どもたちの願い事を書いて笹に飾るこの活動は、自己表現力や文字への関心を育てる絶好の機会です。まずは、子どもたちが自分の願いごとを考えるところから始めましょう。

まだ文字が書けない年齢の子には、保育士が「何をお願いしたい？」と優しく聞き取り、ひらがなで代筆してあげるのがおすすめ。書くことができる子には、文字の形やバランスにとらわれず、自分の言葉で自由に書く体験を大切にしましょう。

また、短冊に絵を描き足したり、シールで装飾したりすることで、より個性的で楽しい作品に仕上がります。完成した短冊は、紐やクリップで笹に吊るして飾るのが一般的です。吊るす際も、子ども自身の手で取りつけることで、自分の願いを「空に届ける」という実感が持てます。

みんなの願い事が集まった笹は、保育室を温かく彩り、七夕行事を盛り上げてくれる存在になります。

吹き流しとちょうちんの作り方

七夕飾りの中でも、吹き流しとちょうちんは視覚的に華やかで、保育室の雰囲気を一気に七夕らしく演出してくれるアイテムです。まず吹き流しは、長方形の紙を筒状に丸め、下部に細く切れ目を入れて垂らすだけのシンプルな作り。

折り紙や色画用紙を使えば、カラフルで風にゆらめく美しい装飾が完成します。紙の中央に星や模様を描いたり、ホログラムシールを貼ると、見た目がぐっと華やかになります。次にちょうちんは、折り紙を蛇腹（じゃばら）折りにして筒状に貼り合わせる方法が人気。

少し難しそうに見えますが、工程を分かりやすく示すことで、年中〜年長児でも楽しんで作ることができます。完成したちょうちんには、持ち手や紐をつけて吊るすと、より立体的で本格的な仕上がりに。

どちらの飾りも、保育園の天井や壁、笹に吊るすことで、七夕の世界観を演出する重要なアイテムとなります。子どもたちが「自分の作った飾りが飾られている！」と実感できるよう、みんなで飾りつけの時間を楽しむのもおすすめです。

子ども向けの七夕飾り遊び

七夕行事を通じて学ぶ遊び

七夕の行事は、製作や歌だけでなく、遊びを通して自然に学びを取り入れる絶好のチャンスです。たとえば「星を数える遊び」は、折り紙で作った星を笹や壁に貼り、それを数えたり色ごとに仕分けたりする活動。数や色の認識を促す知育遊びとして活用できます。

また、「願いごとリレー」は、子どもたちが自分や友達の願いを順番に伝えていくゲーム。友達の話をよく聞き、正確に伝える力や共感力を養うことができます。こうした遊びは、楽しみながらも認知面・社会性の発達を促す要素が満載です。

活動に意味を持たせることで、子どもたちの意欲がより高まり、行事への理解も深まります。保育士のちょっとした声かけやルールの工夫で、学びと遊びを上手に融合させましょう。

楽しみながら作る！七夕の遊び

七夕をもっと楽しく印象に残すためには、体を使った遊びを取り入れるのが効果的です。「織姫・彦星のなりきりごっこ」は、布や紙で作った冠や着物を身につけ、星の世界を舞台にしたごっこ遊び。簡単なストーリー仕立てにすると、子どもたちは役になりきって楽しめ、表現力や想像力も養われます。

また、「天の川ジャンプ」は、青い布やマットを川に見立て、その上をジャンプして渡るシンプルな遊び。身体を使うことで気分転換にもなり、活動にメリハリが生まれます。友達と手をつないで跳んだり、願いごとを叫びながらジャンプしたりと、アレンジも自在。

こうした季節感あふれる遊びを取り入れることで、子どもたちの記憶に残る七夕体験が生まれます。製作活動と合わせて行うことで、より深い満足感が得られるでしょう。

七夕をテーマにした絵本の紹介

七夕行事をより豊かにするためにおすすめなのが、七夕を題材にした絵本の読み聞かせです。ストーリーを通して、織姫と彦星の伝説や七夕の文化的背景に自然と触れることができます。

例えば『たなばたバス』（すずきみゆき作）は、キャラクターたちがバスに乗って七夕の世界を旅する楽しい内容で、子どもたちの想像力を刺激します。『たなばたまつり』（さいとうしのぶ作）は、リアルな祭りの様子や飾り、食べ物などが描かれ、行事全体への興味を広げてくれます。『おりひめとひこぼし』（松谷みよ子作）は、日本の昔話らしい語り口で七夕伝説をしっかりと伝えてくれる一冊。

これらの絵本は、製作活動の導入や、遊びの合間の静かな時間にもぴったりです。絵本を通して物語に親しむことで、七夕飾り作りにも自然と意味が生まれ、子どもたちの理解や関心が深まります。

七夕飾りのアレンジアイデア

色んな素材で作る七夕飾り

七夕飾りは、折り紙や画用紙だけでなく、フェルト・ホイル紙・ラメペーパーなどの多様な素材を使うことで、より特別感のある作品に仕上がります。フェルトは柔らかくて温かみがあり、小さな子どもにも扱いやすい素材です。

ハサミで切ってもほつれにくいため、星型やハート型の飾りにぴったりです。ホイル紙やラメペーパーは、光を反射してキラキラと輝き、保育室全体を華やかに彩ります。触ったときの「冷たい」「つるつる」「ふわふわ」などの異素材の感触は、子どもの感覚を刺激し、感性や探求心を育てる効果も期待できます。

素材が違えば、同じ形でも仕上がりの印象がガラッと変わるため、創作活動がより楽しく、表現の幅も広がります。素材を選ぶところから子どもと一緒に取り組むことで、興味関心や自主性も育まれます。

作品の個性を出すアレンジ法

七夕飾りをより「自分だけの作品」にするためには、個性を出せるアレンジの工夫が効果的です。たとえば、完成した飾りに名前入りのプレートをつけることで、作品に愛着が生まれます。クレヨンで自分の名前を書いたり、保育士が書いてあげてもよいでしょう。

また、短冊や星飾りに家族の願いごとを書いて一緒に飾るのもおすすめです。兄弟姉妹や保護者の願いを共有することで、家庭とのつながりも深まり、心温まる展示になります。飾りにリボンやシール、モールなどを追加すれば、色や形に変化が出て個性がより際立ちます。

「どんな飾りにしたい？」「もっと飾りたいものはある？」といった問いかけを通して、子どもの自由な発想を引き出す声かけも大切です。アレンジを楽しむことで、創造力や表現力が豊かに育まれていきます。

保育園での七夕行事の進め方

七夕行事の流れと準備

保育園での七夕行事は、子どもたちにとって特別な体験となる一日です。行事をスムーズかつ楽しく進めるためには、事前の準備とスケジューリングが重要です。一般的な流れとしては、まずは「七夕の由来」を子どもたちにわかりやすく伝える時間を設けましょう。

紙芝居や絵本を活用すると、年齢に合わせて興味を持たせやすくなります。続いて、笹飾りや短冊などの製作活動を行います。十分な時間を確保することで、焦らずゆったりと取り組める雰囲気が生まれます。製作後は、願いごとの発表タイム。

子どもたちに一人ひとりマイクを持たせると特別感が出て、自己表現にもつながります。そして、完成した飾りと一緒に写真撮影を行い、作品は持ち帰りましょう。保護者との会話のきっかけにもなります。ポイントは、無理のない時間配分と子どもたちのペースに寄り添う進行。余裕のあるスケジュール設定で、笑顔あふれる七夕行事を実現しましょう。

保育士の役割と子どもたちへの説明

七夕行事を成功させるうえで、保育士の役割は非常に大きなものです。ただ進行を行うだけでなく、子どもたち一人ひとりの気持ちに寄り添い、心に残る体験となるようにサポートする存在としての関わりが求められます。

七夕の由来や意味について話す際には、抽象的な内容を噛み砕き、子どもたちが想像しやすいような例えや物語形式で伝える工夫が効果的です。

「一年に一度しか会えない織姫と彦星ってどんな気持ちなんだろう？」と問いかけることで、感情移入や共感力を育てることもできます。また、製作中に「それ素敵な色だね」「願いごと、いいね！」といったポジティブな声かけをすることで、子どもたちは自信を持って表現するようになります。

保育士の姿勢一つで、子どもたちの行事に対する印象は大きく変わるもの。“行事を進める人”ではなく、“一緒に楽しむ仲間”として寄り添う姿勢が、より深い学びと楽しさにつながっていきます。

行事後の振り返りと感想の共有

七夕行事が終わった後は、単に「楽しかったね」で終わらせるのではなく、振り返りの時間を設けることが非常に重要です。

たとえば、子どもたち一人ひとりに「どんな願いごとを書いたの？」「どんな飾りが一番気に入った？」と問いかけることで、思い出を言葉にする力が育まれます。また、飾った短冊を改めてみんなで読み返すことで、お互いの夢や願いに関心を持ち、共感や仲間意識も深まります。

家庭とのつながりを意識するなら、「おうちの人とどんなお話をしたの？」という質問を投げかけ、家庭での会話のきっかけをつくるのも効果的です。保育室内に飾った写真や作品を見ながら思い出を共有するのもおすすめ。

振り返りの時間は、子どもたちにとって行事の意味を再確認し、自分の行動や気持ちを整理する貴重なひとときとなります。行事の余韻を大切にし、「やってよかった！」という気持ちで締めくくることが、次の行事への楽しみへとつながります。

七夕飾りを通して学ぶこと

織姫と彦星の物語

七夕といえば、やはり忘れてはならないのが織姫と彦星の物語です。この星の伝説は、子どもたちにとってわかりやすく、感情移入しやすい内容であり、「会いたい気持ち」や「がんばることの大切さ」、「願いを持つことの意味」といった心に残る価値観を自然に伝えることができます。

保育園では、紙芝居や絵本、パネルシアターなどを使って優しく物語を紹介すると、年齢の小さい子どもたちにもわかりやすく伝えられます。「どうして年に一度しか会えないの？」「会えてうれしかったかな？」など、問いかけを交えながら話すと、子どもたちは物語の中に引き込まれていきます。

製作活動や遊びに取り組む際にも、「これは織姫の星」「ここは天の川」といった形でストーリーと結びつけることで、七夕行事への理解がぐっと深まります。

七夕の意味と文化について

七夕は、日本の五節句のひとつであり、古くから伝わる伝統的な年中行事です。子どもたちにとっては「飾りを作る」「願いごとを書く」といった楽しい活動が中心になりますが、その背景には自然や季節、歴史、文化を大切にする心が込められています。

七夕の由来には中国から伝わった「乞巧奠（きこうでん）」という行事や、日本古来の棚機（たなばた）信仰が融合しているという説があります。保育園では難しい歴史を伝える必要はありませんが、「星に願いを届ける行事なんだよ」「昔の人も織姫や彦星に思いを馳せていたんだよ」といったシンプルで心に響く説明をすることで、子どもたちは文化の深さを感じ取ってくれます。

また、行事を通して「今は夏なんだ」「星がきれいな季節だね」といった季節の変化に気づくきっかけにもなります。こうした文化や自然に目を向ける心を育てることも、保育の大切な役割の一つです。