子どもが急に「頭が痛い」と言い始めると、胸がザワッとしませんか。私も朝の支度中に子どもが頭痛を訴えたことがあり、「疲れているだけ？それとも病気？」と心配で落ち着かなくなったことがあります。子どもの頭痛には、よくある一時的なものから、早めの受診が必要なケースまでさまざま。だからこそ、症状の見極めがとても大切です。

この記事では、子どもの頭痛の主な原因と、自宅でできる対処法、そして見逃してはいけない危険なサインについてまとめました。同じように悩んでいる親御さんの安心材料になれば嬉しいです。

子どもが頭痛を訴えるときに多い原因

子どもが「頭が痛い」と言うと、つい不安になりますよね。実は、子どもの頭痛の多くは日常の小さな積み重ねや体調の変化が関係しています。まずは、よくみられる原因を少し深掘りしながら見ていきます。

疲れ・寝不足・生活リズムの乱れ

我が家でも、寝る時間が遅くなった翌朝に「頭いたい…」と言う日がしばしばあります。子どもは大人以上に体の回復が必要で、睡眠不足は体調にダイレクトに影響します。
成長期はエネルギー消費量も多いため、疲れが溜まりやすく、それが頭痛として表れることも。特に学年が上がるにつれて活動量や学習量が増え、体が追いつかないことがあります。

また、休日だけ極端に起きる時間が遅くなる「社会的時差ボケ」も頭痛の一因に。生活リズムの乱れは自律神経が不安定になりやすく、頭痛を起こしやすい状態を作ってしまいます。

睡眠時間が足りているか、寝る前に強い光（スマホなど）を浴びていないか、日中の活動とのバランスが取れているかを見直すことが大切です。

脱水・空腹

子どもは遊びや運動に夢中になると、水分補給を忘れがちです。
私の子も、外遊びの日に「頭痛い」と言うことがあり、確認すると水筒の水がほとんど減っていない日がありました。脱水は血流が悪くなるため、頭痛の原因になりやすいです。

特に夏場や体育のあと、天気の良い日は水分消費量が増えるため、こまめな補給が欠かせません。

また、朝食を抜いたり、量が少なかったりすると低血糖気味になり、同じように頭痛が起きやすくなります。
「朝はパンひと口だけ」「登校前にバタバタして食べられなかった」という日はありませんか？

子どもが頭痛を訴えたら、まず「水分は足りている？」「お腹がすいていない？」と確認してみると改善のヒントになります。

風邪・感染症の前兆

頭痛は風邪や感染症の初期症状として現れることもあります。
熱がまだ出ていなくても、体はウイルスと戦う準備を始めており、その負担が頭痛として表れることがあります。

たとえば、

  • なんとなく元気がない

  • ぼーっとしている

  • 食欲が落ちている

  • 体が温かい気がする

こうした「微妙な変化」が頭痛と一緒に出ているときは、体調不良のサインかもしれません。

風邪の場合はその後に発熱・のどの痛み・鼻水などの症状が続いて現れることも多いので、少し丁寧に様子を見てあげると安心です。

心因性（ストレス）

子どもはまだ自分の気持ちをうまく言語化できないことが多く、ストレスが体の症状として出やすいです。頭痛はその代表的なもの。

学校や習い事、友達との関係、宿題へのプレッシャーなど、小さな不安が積み重なると、自律神経が乱れて頭痛が起こりやすくなります。

私の子も、テスト前や新学期の直前に「頭痛い…」と言うことがあります。そんなときは、

  • 最近学校どうだった？

  • 何か心配なことある？

  • 明日いやだなって思うことある？

と、プレッシャーをかけない雰囲気で話を聞くと、気持ちがふっと軽くなるようです。

特に、「朝だけ頭痛を訴えるけれど、学校から帰るとケロッとしている」という場合は、心因性の可能性が高くなります。

自宅でできる頭痛の対処法

軽い頭痛であれば、家庭でのケアだけで落ち着くことも多いです。とはいえ、子どもの体調は変化が早いので、まずは「いつもと違う様子がないか」をよく観察しながら、できることから順番に試していくのがおすすめです。ここでは、家庭で無理なくできる対処法をもう少し深く紹介します。

静かな環境で休ませる

頭痛があるときは、光や音の刺激が負担になることがあります。テレビや生活音がある部屋にいるだけでも、子どもにとっては集中が難しくなり、痛みが強く感じられることも。
私の家では、子どもが頭痛を訴えたらまずカーテンを半分閉め、少し暗めの環境をつくります。明るさを落とすだけで、子どもの表情がふっと緩むことも多いです。

また、枕や姿勢が合っていないと余計に痛みが気になるため、横になるときは頭の位置や体勢を整えてあげるとさらに効果的です。
静かな環境で「何もしない時間」をつくるだけで、回復が早くなることがあります。

水分補給・軽食

脱水や低血糖は子どもの頭痛の大きな原因。特に子どもは、「喉が渇いた」「お腹がすいた」という感覚に鈍いことがあります。

私の子どもも、運動のあとに頭痛を訴えたとき、水筒がほとんど減っていないことがよくあります。そんな日はスポーツドリンクで少しずつ水分を補給し、塩分や糖分も同時にとるようにしています。

また、朝食が十分にとれていないときはおにぎりやバナナなど消化のよいものを少し食べると、痛みが軽くなる場合もあります。
水分は一度に大量に飲ませるより、数回に分けてゆっくり飲むほうが体への負担が少なくおすすめです。

おでこや首を冷やす

ズキズキとした痛みや熱っぽさがあるときは、冷やすことで血管が収縮し、痛みを和らげられることがあります。
保冷剤をタオルに包んでおでこや首にそっと当てると、身体だけでなく気持ちの緊張もゆるみやすくなります。

ただし、冷やしすぎると逆に寒気を感じて体力を奪うことも。
子どもの表情を見ながら、「気持ちいい？」と声をかけ、快適な温度に調整してあげることが大切です。
首元は太い血管が通っているので、短時間冷やすだけでも効果が感じられます。

会話で気持ちをほぐす

頭痛という“痛み”だけでなく、心理的な不安が影響している場合もあります。
「痛いって言ったら怒られるかな…」「学校に行けないかも…」など、子どもなりにプレッシャーを抱えていることも多いもの。

そのため、まずは落ち着いた声で、

  • どんなふうに痛い？

  • いつから痛い？

  • 何かイヤなことあった？

と優しく聞くだけでも、子どもの心は少し軽くなります。

時には、話した瞬間に頭痛がスッと引くこともあります。
気持ちの緊張がほぐれるだけで痛みが軽くなるケースは少なくありません。
「痛いと言っても大丈夫」という安心感が、家庭での回復に大きくつながります。

危険なサイン｜受診を検討すべきケース

子どもの頭痛の多くは心配しすぎなくても大丈夫なものですが、中には「早めに受診した方がいいサイン」が隠れていることもあります。特に、痛みの強さや出ているタイミング、ほかの症状との組み合わせが重要です。ここでは、慎重に見守りたいケースをさらに深く説明します。

突然の強い頭痛

泣くほどの激しい痛みや、突然ズキンと強く始まった頭痛は注意が必要です。
子どもが普段あまり頭痛を訴えないタイプなら、なおさら慎重に見たほうが安心です。

  • 「いつもと明らかに違う痛がり方」

  • 「動くと痛みが増す」

  • 「頭を抱えてじっと動けない」

こういった様子があるときは、原因を確認するために受診を検討しましょう。

「今までにない強さの痛み」は、家庭で長時間様子を見るより、早めに専門医へ相談したほうが確実です。

発熱・嘔吐を伴う

頭痛に加えて発熱がある場合、体の中で炎症が起きているサインかもしれません。
ウイルスや細菌による感染症の初期段階として頭痛が出るケースは多く、特に嘔吐がある場合は脱水の心配も出てきます。

  • 水分がほとんどとれない

  • ぐったりしている

  • 表情がぼんやりしている

こうした様子が見られるときは小児科への相談を早めに。
高熱と頭痛が同時にある場合、原因の幅が広くなるため、医師の判断が安心につながります。

けがをしたあとに頭痛が続く

転倒した、ぶつかったなど、頭部への衝撃があったときは注意が必要です。
どれだけ軽い打撲に見えても、しばらく経ってから頭痛が出ることがあります。

観察すべきポイントとしては、

  • いつもより眠りが深すぎる

  • 起こしても反応が鈍い

  • 吐き気や嘔吐がある

  • 顔色が悪い

などがあります。

こうした変化は、受診の判断材料として役立ちますので、普段との違いを簡単にメモしておくと、医師への説明がスムーズです。

目の痛み・まぶしさ・視界の異常

頭痛と一緒に「光がまぶしい」「視界がぼやける」「片目だけ痛い」などの症状が出る場合は、眼科的なトラブルや片頭痛の可能性も考えられます。

特に、

  • 明るい場所へ行くと痛みが増す

  • テレビや本を見るのを嫌がる

  • 視界の一部が欠けて見える

といった様子があるときは、専門医の診察が必要なことがあります。

視力の低下やスマホの使いすぎが影響しているケースもありますが、自己判断で様子を見すぎるより、一度チェックしてもらうほうが安心です。

日常生活でできる予防の工夫

子どもの頭痛は、「痛くなってから対処する」よりも「そうならない環境をつくる」ほうがぐっと楽になります。特別なことをしなくても、日常の中で少し意識を変えるだけで頭痛の頻度が減ることがあります。ここでは、家庭で取り入れやすい予防の工夫をさらに詳しく紹介します。

十分な睡眠と休息

成長期の子どもにとって睡眠は、体と心の両方を整える大事な時間です。睡眠が不足すると自律神経が乱れ、翌朝の頭痛やだるさにつながりやすくなります。
特に低学年〜中学年は、まだ体力が安定しておらず、生活リズムの影響を受けやすい傾向があります。

寝る前のテレビやタブレットは、強い光で脳が覚醒してしまい、寝つきにくくなる原因に。我が家では「寝る15分前に暗めの照明に変える」だけで、子どもの寝つきが本当に良くなりました。

また、休日に寝る時間や起きる時間が大きくズレると“時差ボケ”のような状態になり、頭痛や体のだるさが出ることもあります。
平日と休日で睡眠リズムを大きく変えすぎないことが、頭痛予防にはとても効果的です。

水分補給の声かけ

子どもは活動量が多いのに、喉の渇きを感じにくいと言われています。特に外遊びや体育のあと、水分補給が追いつかないまま過ごしてしまいがちです。

我が家では、夏場は氷を少し入れて“飲みやすい温度”にすることで、自然と飲む量が増えました。また、冬でも乾燥しやすい時期は、加湿器を使いながら「少しお茶飲もうか」と声をかけています。

水分補給は一度にたくさん飲むより、細かくちょこちょこ補給するほうが体に吸収されやすく、頭痛予防にもつながります。
子ども自身が意識できるよう、家の中にマイボトルを置くのもひとつの工夫です。

ストレスサインに気づく

子どもは、心のストレスが体に出やすいものです。とくに学校や友達関係でちょっとした不安があると、頭痛として現れることがあります。

例えば、

  • 「今日、誰と遊んだの？」の質問に答えにくそう

  • 明日の準備をしていて表情が曇っている

  • 朝だけ「頭痛い…」と言って学校に行きたがらない

こういった変化は、小さなストレスサインかもしれません。

子どもからぽつりと話してくれたときは、遮らず、評価せず、とにかく丁寧に聞くように心がけています。話すだけで気持ちがほぐれ、頭痛も少し軽くなることがあります。

ストレスが大きくなる前に気づけると、頭痛の予防にも心の安定にもつながります。
「いつもと違うな」と感じたら、ゆっくり寄り添う時間を少しだけ作ってあげると安心です。

まとめ｜今日、子どもの“いつもと違うサイン”をひとつだけ見守ってみよう

子どもの頭痛には、疲れ・脱水・生活リズム・ストレス・体調不良など、日常の中にたくさんの要因が潜んでいます。多くの場合は家庭での見守りやちょっとしたケアで落ち着きますが、子どもは自分の体調をうまく説明できないことも多いため、親が「小さな変化」に気づいてあげることがとても大切です。

たとえば、
・朝だけ機嫌が悪い
・普段よりぼんやりしている
・遊びに誘っても反応が薄い
・顔色がいつもより暗い

こうした小さな様子の変化も、子どもにとっての“助けて”のサインかもしれません。

そして、「いつもと様子が違う」「痛みが急に強くなった」と感じたときは、早めに小児科に相談してみることで親の安心感も大きく変わります。「大ごとじゃなかった」と分かるだけで、気持ちがぐっと軽くなるはずです。

今日はぜひ、子どもの表情や行動をひとつだけ意識して観察してみてください。
それは決して難しいことではなく、忙しい毎日の中でもできる小さな行動です。

その“ひとつの気づき”が、子どもの体と心の安全を守る大切なサインにつながりますように。
そして、あなた自身の不安もそっと和らぎ、明日を少しだけ安心して迎えられますように。