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子どもの嘔吐を繰り返すときの対処法|家庭でできる水分補給と受診の目安

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夜中に突然「おなかが痛い…」と子どもが訴え、そのまま嘔吐。落ち着いたと思ったらまた吐いて…そんな経験、ありませんか?
私も初めてのときはパニックになり、何をどうすればいいのか分かりませんでした。

この記事では、子どもの嘔吐が繰り返されるときの正しい対処法と、受診すべきサインを、家庭でできる水分補給のコツとあわせて紹介します。
焦らず、親ができることを知っておくだけで、子どもの回復をぐっと早めてあげられます。

目次

嘔吐を繰り返すとき、まず落ち着いて確認すべきこと

夜中や食後など、突然の嘔吐は本当に驚きますよね。
特に小さな子どもの場合、何度も吐く姿を見ると「どうしよう」「救急に行くべき?」と不安でいっぱいになります。
それでも、最初にやるべきことは 「落ち着いて観察すること」。これが正しい対応の第一歩です。

嘔吐の状況をできるだけ具体的に記録する

吐いた回数や間隔、嘔吐の量はもちろん、どんなものを吐いたかも重要な手がかりになります。
たとえば「食べたものがそのまま出た」「黄色っぽい液体だけ吐いた」「水を飲んでもすぐ吐く」など、内容によって原因が見えてくることがあります。
胆汁のように黄緑色の液体を吐いている場合は、腸のトラブルの可能性があるため、受診を急いだ方が安心です。

また、発熱・下痢・腹痛・機嫌の変化なども一緒に記録しておきましょう。
これらの情報は、医師が原因を特定するうえで非常に役立ちます。
我が家では、嘔吐が起きた時間・吐いた内容・体温をスマホのメモに残すようにしています。
あとから病院で「いつから続いていますか?」と聞かれても、焦らず答えられるようになります。

顔色・意識のチェックは最優先

嘔吐そのものよりも怖いのは、脱水や意識の変化です。
顔が真っ青だったり、目がうつろ、呼びかけに反応しないなどの様子があれば、すぐに受診を検討しましょう。
また、唇や手足が冷たくなっているときも、血流が落ちているサインです。
「吐いたけど、そのあと水を飲めている」「少し遊ぶ元気がある」なら、いったん様子を見ても大丈夫なことが多いです。

親がパニックにならない工夫を

何度も嘔吐を繰り返されると、どうしても親の方が気が動転してしまいます。
でも、子どもはそんな親の表情を敏感に感じ取ります。
私は「まず深呼吸を3回する」「次にメモを開く」と、自分の中でルールを作っています。
一度冷静になって観察を始めると、状況が整理でき、次の行動(休ませる・水を与える・病院に電話する)が見えてきます。

不安なときほど、“今できること”をひとつずつ確実に行うことが大切です。

吐いた直後は「何も飲ませない」が鉄則

嘔吐の直後、親として一番気になるのが「水分を取らせても大丈夫なのか」ということ。
喉が渇いていそうに見えると、つい水を飲ませたくなりますが、ここで慌てて飲ませるのは逆効果になることがあります。
胃がまだ動いておらず、少しでも刺激を受けると再び吐いてしまうからです。
吐いた直後は30分〜1時間ほど「何も飲ませず休ませる」ことが大切です。

胃を休ませる時間が回復を早める

嘔吐は、胃や腸がウイルスや食べ物を排出しようとしているサイン。
吐いた後すぐに水や食べ物を与えてしまうと、休む間もなく胃が再び動き出し、負担がかかってしまいます。
結果的に嘔吐を繰り返し、脱水が進むことにもつながるのです。

そのため、まずは体を横にして静かに休ませること。
汗をかいている場合は着替えをさせ、口の周りをきれいに拭くだけで十分です。
この“何もしない時間”が、胃腸の回復を助けてくれます。

安静時の姿勢と見守りのポイント

子どもを寝かせるときは、必ず横向き(特に右向き)にします。
万が一吐いても、吐物が喉に詰まりにくく、呼吸がしやすい体勢です。
枕を少し高くするか、タオルをたたんで背中に差し込むと、自然に横向きをキープできます。

眠ってしまった場合も、呼吸が乱れていないか、顔色が悪くないかを静かに確認しましょう。
「いつもより顔が白っぽい」「唇が青い」と感じたら、すぐに声をかけて反応を確かめることが大切です。
異変があれば、夜間でも受診を検討しましょう。

吐いた直後の口のケアも忘れずに

吐いたあとは、口の中に胃酸が残り、口内炎や歯のトラブルにつながることもあります。
すぐにうがいができる年齢であれば、ぬるま湯で軽くゆすぐと安心です。
小さな子どもでうがいが難しい場合は、ガーゼを水で湿らせて口の中を軽く拭いてあげましょう。

また、吐しゃ物の臭いが残ると、再び吐き気を誘発することもあります。
枕カバーやタオルは早めに交換し、部屋の空気を少し入れ替えるだけでも気分が落ち着きます。

焦る気持ちを抑えて、「いまは休ませる時間」と割り切ることが、結果的に回復への近道です。
“飲ませない勇気”が、子どもの体を守る第一歩と心得ておきましょう。

水分補給のコツ|少しずつ、回数を分けて

嘔吐が落ち着いてきたからといって、すぐにたくさんの水を飲ませるのは危険です。
胃はまだ完全には回復しておらず、一度に多くの水分を入れると再び吐いてしまうことがあります。
ここで大切なのは「量より回数」。少しずつ、何度にも分けて与えることがポイントです。

スプーン1杯ずつからスタート

目安は1回5〜10ml。スプーン1〜2杯ほどをゆっくり飲ませます。
その後5〜10分ほど様子を見て、吐き気がなければまた少し飲ませる――これを繰り返していきましょう。
この方法を続けることで、胃に負担をかけずに必要な水分を取り戻せます。

我が家では、子どもが自分で飲みたがるときもあえてコップを渡さず、スプーンで少しずつ与えるようにしています。
焦らず、“ちょっとずつでも飲めている”ということを大事にすることが、回復への近道です。

おすすめの飲み物と与え方の工夫

最もおすすめなのは、経口補水液(OS-1やアクアソリタなど)です。
体内の塩分やミネラルをバランスよく補ってくれるため、脱水予防に最適です。
味を嫌がる場合は、少し薄めてもOK。それでも水よりはずっと効果的です。

湯冷ましや麦茶も良い選択肢です。特に麦茶はカフェインが入っておらず、胃への刺激が少ないため安心です。
ただし、スポーツドリンクは糖分が多く、嘔吐中は胃に負担をかけるため控えめにしましょう。

冷たい飲み物は一見飲みやすいように感じますが、冷たすぎると胃を刺激して再び吐いてしまうことも。
常温か、少しぬるめの温度がベストです。私の子どもも、冷えた飲み物ではお腹を痛がることが多かったので、いつも室温で落ち着かせています。

どうしても飲めないときは「口を湿らせる」だけでもOK

吐き気が強く、どうしても飲みたがらない場合は、無理をせず“口を湿らせる”程度でも構いません。
スプーンで少量を口の中に含ませたり、濡らしたガーゼで唇を拭くだけでも脱水予防になります。
少し時間をおいて落ち着いたら、またチャレンジすれば大丈夫です。

また、唇が乾いていたり、尿の色が濃くなってきたら脱水のサイン。
「飲めているか」よりも「飲めなくなっていないか」を意識して観察しましょう。

水分補給は、嘔吐後の回復において最も重要なステップです。
スプーン一杯の積み重ねが、体の回復を支えます。焦らず、子どものペースを尊重して進めていきましょう。

食事の再開タイミングと注意点

嘔吐が落ち着いて水分がとれるようになると、「そろそろご飯を食べさせても大丈夫かな?」と思うかもしれません。
しかし、胃腸はまだ完全には回復していないため、ここで焦ると再び嘔吐を引き起こしてしまうことがあります。
食事の再開は“嘔吐が止まってから2〜3時間後”が目安です。ゆっくり、段階的に進めていきましょう。

最初の食事は「刺激のない・柔らかい」ものを選ぶ

嘔吐後の胃はとてもデリケート。
いきなり固形物を与えるのではなく、消化に優しい“流動食”から始めるのが基本です。

おすすめの食べ物は次の通りです。

  • おかゆ(塩はごく少量で)

  • すりおろしリンゴやバナナ

  • 具のないうどん

  • 温かい味噌汁(油分・具なし)

最初の1〜2口で問題なければ、様子を見ながら少しずつ量を増やします。
「食べられたから大丈夫」と安心して油断すると、再び嘔吐するケースもあるので注意が必要です。

我が家では、回復初日は“おかゆ+すりおろしリンゴ”が定番。
味もやさしく、子どもも安心して食べられます。

避けたほうがよい食べ物と理由

一見元気になったように見えても、胃の働きはまだ弱っています。
次のような食べ物はしばらく控えましょう。

  • 揚げ物やカレーなどの油っこい料理

  • 牛乳やヨーグルトなどの乳製品

  • 果物ジュースや甘いお菓子

  • 繊維の多い野菜や肉類

特に乳製品は胃酸を刺激し、再び気持ち悪くなる原因になります。
嘔吐の翌日までは“胃にやさしい食事”を意識することが大切です。

食べるペースと量の目安

「少しずつ・ゆっくり・噛む回数を増やす」――この3つを意識するだけでも、胃腸の負担はぐっと減ります。
子どもが食べたがる場合も、「もう少し食べたい」という気持ちを尊重しつつ、完食させる必要はありません。
体が欲しがる量だけを受け入れる方が、回復もスムーズです。

食後はすぐに横にならず、しばらく座って休むのもポイント。
嘔吐の再発を防ぎ、消化を助けてくれます。

食事の再開は“回復のサイン”でもありますが、まだ安心しきってはいけません。
「食べさせすぎない」「油断しない」この2つを守ることで、再発を防ぎ、回復を早めることができます。

受診が必要な危険サイン

家庭での対応で回復するケースも多いですが、次のサインが一つでも当てはまるなら受診をためらわないのが安心です。

受診を急ぐサインの具体例

  • 嘔吐が半日以上続く、もしくは短時間に何度も繰り返す

  • ぐったりして反応が弱い、意識がもうろうとしている

  • 水分がほとんど取れず、6時間以上尿が出ていない(おむつが明らかに軽い、尿の色が濃い)

  • 緑色の液体(胆汁)や血が混じる嘔吐

  • 38.5℃以上の高熱やけいれんを伴う

  • 強い腹痛、腹部の張り、歩きたがらないほどの痛み

  • 3か月未満の乳児で嘔吐が続く、もしくは噴水状の嘔吐

  • 頭をぶつけたあとに吐く、頭痛・項部硬直(首がかたい)などの神経症状

  • 糖尿病が疑われる口臭の変化(甘い果物のような匂い)や急激な体重減少がある

夜間・休日の判断に迷ったら

  • まず体温、嘔吐回数、機嫌、尿の回数をメモして状況を整理

  • 小児救急の電話相談「#8000」に連絡し、看護師や小児科医の助言を受ける

  • 地域の救急受診ガイド(自治体サイトや救急情報アプリ)で目安を確認

  • 呼吸が苦しい、意識がはっきりしない、けいれんが止まらない場合は迷わず救急へ

受診前に準備しておくと安心

  • 嘔吐が始まった時刻、回数、吐いた内容(水だけ、食べ物、緑色など)

  • 体温の推移、下痢・腹痛の有無、飲んだ量と出た尿の回数

  • 直近で食べた物やアレルギー、服用中の薬、基礎疾患

  • おむつや嘔吐物の写真が撮れれば原因推定の助けになることも

家庭内での感染予防の基本

  • タオルやコップは家族と分ける

  • 嘔吐物は手袋・マスクを着用し、ペーパーで覆ってから拭き取り、塩素系漂白剤で消毒

  • 使ったタオルや衣類は熱湯または漂白剤で洗濯

  • ドアノブや水回りもこまめに拭き取り、手洗いを徹底

迷ったら「様子を見る」より「相談して確かめる」が安全です。早めの判断で、子どもの回復をしっかり後押しできます。

家庭でできる感染予防と看病の工夫

繰り返す嘔吐の多くは感染性胃腸炎が原因。家庭内で広がらないようにするコツは、素手で触らない・こすらないを徹底し、決めた手順で落ち着いて処理することです。看病する人をできれば一人に固定し、家の中に“清潔ゾーン/汚染ゾーン”の意識をつくると迷いが減ります。

嘔吐物の処理手順(迷ったらこの順でOK)

  1. 使い捨て手袋・マスク(可能ならエプロンやゴーグル)を着用

  2. 嘔吐物の上にペーパータオルや新聞をそっとかぶせ、広げないように外側から内側へ集める

  3. ビニール袋を二重にして密封(空気を抜くと破れにくい)

  4. 床・壁・寝具の汚れた部分を塩素系漂白剤で拭き取り → 水拭きで仕上げ
    ※薄め方は各製品の表示に従う(目的:吐物の消毒)。金属・木製・布は色落ちに注意

  5. 使い終わった手袋・ペーパー・マスクは袋にまとめ、最後に石けんで30秒以上の手洗い

消毒・掃除のポイント

  • 床は“押し拭き”でこすらない(飛散防止)

  • ドアノブ、トイレのレバー、スイッチ類など“手が触れる場所”も拭く

  • カーペットは固形物を除去後、消毒液を含ませたペーパーで押し当て、十分に乾燥させる

  • 換気を数分行い、乾いたら再度水拭きで仕上げ

洗濯・ゴミの扱い

  • 汚れた衣類・タオルはできれば別洗い。洗濯前に軽くすすいでから洗剤+温水で洗う

  • 漂白剤が使える素材は表示に従って消毒し、十分にすすぐ

  • おむつや嘔吐物を入れた袋は二重にし、口を固く縛って廃棄

家庭内での“うつらない工夫”

  • タオル・コップ・食器・歯ブラシは家族と完全に分ける(回復後もしばらく継続)

  • トイレは使用のたびにペーパーで消毒 → 水拭き。トイレットペーパーは流せるタイプを活用

  • きょうだいは別室で過ごし、共用タブレットやリモコンはこまめに拭く

  • 手洗いは石けん+流水で30秒、指先・親指・手首まで。アルコール消毒は“手洗いの補助”と考える

看病の動線づくり(親がラクになる工夫)

  • 子どものベッド脇に“嘔吐セット”を常備:洗面器(袋をかけて使う)、キッチンペーパー、使い捨て手袋、マスク、ビニール袋、体温計、タオル、経口補水液

  • 夜間は足元に薄い防水シートや大きめタオルを敷いておく

  • 片付け→消毒→手洗いまでをひと続きにできる配置にして、作業時間を短縮

子どもの安心を守る声かけ

  • 「大丈夫、ここにいるよ」「ちょっとずつ休もうね」と短く繰り返す

  • 嘔吐後は口をぬるま湯で軽くゆすぐ/ガーゼで口元を拭き、着替えで気分を切り替える

  • においが残ると吐き気を誘うので、軽く換気して部屋の空気を入れ替える

「嘔吐処理セット」の中身例(箱ひとつでOK)

  • 使い捨て手袋・マスク・エプロン

  • ペーパータオル/古新聞、45Lビニール袋(数枚)

  • 小分けボトルの塩素系漂白剤(原液は子の手の届かない場所に保管)

  • 計量スプーン/空スプレー(希釈して使う場合)

  • 体温計、洗面器(内側にビニールをセットして使うと後処理がラク)

“準備しておく”こと自体が、いざという時の心の余裕につながります。処理の手順を家族で共有しておくと、夜間でも慌てず対応できます。

まとめ|焦らず、少しずつ回復をサポートしよう

子どもの嘔吐は、見ている親の方がつらいもの。
でも、「休ませる」「少しずつ水分を与える」「受診のタイミングを見極める」――この3つを意識するだけで、落ち着いて対応できます。
家庭での看病は不安がつきものですが、経験を重ねるうちにコツもつかめてきます。

「今日は水が飲めた」「笑顔が戻った」――その小さな変化が、回復のサインです。
焦らず、優しく見守りながら、子どもの自然な治る力を信じてあげましょう。