土用の丑の日といえば「うなぎ」が定番ですが、「価格が高くて手が出ない」「家族に苦手な人がいる」といった悩みを抱えていませんか?
実は、土用の丑の日は“う”の付く食材を食べて夏バテを防ぐというのが本来の習わし。そこで今回は、うなぎ以外でもしっかり楽しめる献立アイデアをご紹介します。
栄養バランスも考えたレシピで、家族みんなが満足できる食卓を作りましょう。「今年はちょっと違う丑の日にしたい」と思っている方に、ぴったりな内容です!
目次
土用の丑の日におすすめの献立案

健康を考えた食材を活用した献立
夏の土用は、体力が低下しやすく、食欲不振や睡眠の質の低下など、体調を崩しがちな時期です。そんなときこそ、消化に良くて栄養価の高い食材を選ぶことが大切です。
例えば、豆腐はタンパク質が豊富で、胃腸にやさしい万能食材。しじみには肝機能をサポートするオルニチンが含まれ、夏の疲れた体を内側からケアします。
さらに、オクラやモロヘイヤ、長芋といったネバネバ系の食材は、腸の働きを活性化し、免疫力アップにも効果的。これらをバランスよく取り入れることで、無理なく健康的な献立が実現できます。
夏バテ対策にぴったりの料理
暑さでどうしても食欲が落ちる夏。そんなときは、冷たくてさっぱりしたメニューで体に優しくエネルギーを補給しましょう。
たとえば、のどごしの良い冷やしうどんに、薬味や夏野菜をトッピングするだけでも十分な一品になります。さらに、酢の物は食欲増進と疲労回復の効果があり、きゅうりやわかめ、タコを使った酢の物は食卓に清涼感をもたらします。
また、梅干しを使った冷やし茶漬けは塩分と酸味で体を目覚めさせ、さらりと食べられるので夏バテ対策に最適です。こうした料理を取り入れることで、暑い日でも食事が楽しめるようになります。
季節ごとの行事食の意味と由来
土用の丑の日は、日本の季節感を大切にする伝統的な行事食のひとつです。本来、土用とは「季節の変わり目」を意味し、体調を整えるために栄養のある食事をとることが大切とされてきました。
昔は、季節の変わり目に体調を崩すことが多かったため、その時期に「う」のつく食べ物(うどん、うし、うり、うめなど)を食べることで健康を祈る風習が根付きました。
また、土用の丑の日にあえて旬の食材を取り入れることは、自然の流れに沿った食生活=「食養生」の一環でもあります。現代でもこの知恵を活かし、旬の野菜や栄養価の高い食材を中心に献立を考えることで、心身ともに健やかに過ごせます。
うなぎ以外の人気食材を使ったレシピ

しじみを使った栄養満点の副菜
夏の疲れがたまりやすいこの時期に、しじみを使った料理はまさに理想的な副菜です。しじみに含まれるオルニチンやタウリンは、肝臓の機能を高めるとされ、デトックス効果も期待できます。
定番のしじみの味噌汁は、赤だし味噌や合わせ味噌を使って風味豊かに仕上げましょう。仕上げに千切りのしょうがや小口切りの青ねぎを加えることで、爽やかな香りと食欲をそそるアクセントになります。
さらに、しじみの佃煮やしじみのスープパスタなどにアレンジすれば、毎日の食卓にも飽きずに取り入れられます。冷凍しじみを活用すれば、下処理も簡単で時短にも。副菜としても主役級の働きをしてくれる、夏におすすめの食材です。
【レシピ①】基本のしじみの味噌汁(赤だし風)
材料(2人分)
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しじみ(砂抜き済み・冷凍でも可)…150g
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水…400ml
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味噌(赤だし or 合わせ味噌)…大さじ2
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しょうが(千切り)…少々
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青ねぎ(小口切り)…適量
作り方
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しじみは殻を軽くこすり洗いして汚れを取る(冷凍しじみの場合はそのままでOK)。
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鍋に水としじみを入れ、中火にかける。
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沸騰直前に火を弱め、アクを取りながら、口が開くまで煮る(約5分)。
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火を弱めたまま、味噌を溶き入れる(煮立たせないよう注意)。
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千切りしょうがと青ねぎを加え、ひと混ぜして完成。
ポイント
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冷凍しじみはそのまま使えて便利。
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しょうがとねぎの香りが味を引き締め、食欲増進にも。
【レシピ②】しじみの佃煮風甘辛煮
材料(2〜3人分)
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しじみ(殻付き)…200g
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酒…50ml
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しょうゆ…大さじ2
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みりん…大さじ2
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砂糖…大さじ1
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しょうが(すりおろし)…小さじ1
作り方
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しじみは軽く洗って鍋に入れ、酒を加えて火にかける。
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口が開いたら身を外し、殻を除く。
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別鍋に調味料(しょうゆ、みりん、砂糖、しょうが)を入れて火にかける。
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しじみの身を加え、煮汁がほぼなくなるまで中火で煮詰める。
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冷まして味をなじませたら完成。
ポイント
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冷蔵保存で3日ほど日持ちします。
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ごはんのお供やおにぎりの具としても最適!
牛肉を使った豪華なメイン料理
「うし(牛)」という名前の通り、“う”のつく食材である牛肉は、土用の丑の日にもぴったりなパワーフードです。高タンパク・鉄分・ビタミンB群を含む牛肉は、疲労回復やスタミナ補給に最適。
手軽に作れる牛丼はもちろん、野菜と一緒に焼くだけで食欲をそそる牛肉の焼きしゃぶ風プレートや、甘辛味がご飯に合う牛肉のしぐれ煮など、バリエーション豊かです。
特別感を出したいときは、ステーキ丼やローストビーフ丼などのワンプレートメニューがおすすめ。お好みでおろしポン酢やわさび醤油を添えると、夏らしいさっぱりとした味わいになります。贅沢感がありながら栄養満点、土用の丑の日に相応しいメインディッシュです。
【レシピ①】牛肉のしぐれ煮(ごはんが進む甘辛味)
材料(2〜3人分)
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牛こま切れ肉…250g
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生姜(千切り)…1かけ分
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しょうゆ…大さじ2
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みりん…大さじ2
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酒…大さじ2
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砂糖…大さじ1
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サラダ油…小さじ1
作り方
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フライパンにサラダ油を熱し、生姜を炒めて香りを出す。
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牛肉を加えてほぐしながら炒める。
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肉の色が変わったら、しょうゆ・みりん・酒・砂糖を加える。
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中火で煮詰めるように炒め、煮汁が少し残る程度で火を止める。
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温かいごはんにのせて丼にしてもよし、常備菜にもぴったり。
ポイント
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お好みで白ごまや七味唐辛子をふっても◎
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作り置き可能。冷蔵で2〜3日保存可能です。
【レシピ②】牛ステーキ丼~おろしポン酢仕立て~
材料(2人分)
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牛ステーキ用肉(サーロインやモモなど)…2枚(約300g)
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塩・こしょう…各少々
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サラダ油…適量
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大根おろし…1/3本分
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ポン酢…大さじ4
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ごはん…2杯分
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刻み大葉や万能ねぎ…お好みで
作り方
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牛肉は常温に戻し、塩こしょうをふって下味をつける。
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フライパンに油を熱し、中火〜強火で牛肉を好みの焼き加減に焼く。
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焼けたらアルミホイルで包み、2〜3分休ませる。
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丼にごはんを盛り、スライスした牛肉をのせる。
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大根おろし+ポン酢をたっぷりかけ、大葉やねぎを添えて完成。
ポイント
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大根おろしは水気を切りすぎず、少しジューシーに仕上げると◎
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夏らしいさっぱり味で、見た目のインパクトも抜群!
きゅうりやなすを使ったサラダ
夏野菜の代表格であるきゅうりやなすは、体を内側から冷やしてくれる働きがあり、夏バテ予防に役立ちます。サラダに取り入れることで、見た目も味も爽やかな印象に。きゅうりは輪切りにして塩もみし、ごま油や塩昆布と和えるだけでも立派な一品に。食感を楽しめるように、少し厚めにカットするのがポイントです。
なすは、浅漬け風にして冷やしたり、焼きなすを冷やしてポン酢でいただくと、ほどよい酸味で箸が進みます。また、きゅうりとなすを一緒に使い、豆腐と合わせた和風サラダにすれば、さっぱりとした副菜としてもメインの付け合わせとしても活躍します。ごまダレや味噌ダレなどのタレの工夫で、味のバリエーションも楽しめます。
【レシピ①】きゅうりの塩昆布ごま油サラダ
材料(2人分)
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きゅうり…2本
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塩…少々(塩もみ用)
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塩昆布…10g
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ごま油…小さじ2
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白ごま…適量
作り方
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きゅうりを厚めの輪切りまたは斜め切りにし、塩をまぶして10分置く。
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しんなりしたら水分を軽く絞る。
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塩昆布、ごま油を加えて和える。
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仕上げに白ごまをふって完成。
ポイント
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前日に作っておいても味がなじんで美味しい。
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ピリ辛にしたい場合は、輪切り唐辛子を少し加えても◎
【レシピ②】なすの浅漬け風サラダ(冷やしポン酢仕立て)
材料(2〜3人分)
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なす…2本
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塩…少々
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ポン酢…大さじ2
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しょうが(すりおろし)…小さじ1
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青じそ(千切り)…2枚
作り方
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なすは縦半分に切り、さらに斜め薄切りにして塩をまぶし5分ほど置く。
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軽く水で洗ってアクを抜き、水気をしっかり絞る。
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ポン酢としょうがで和え、冷蔵庫で10〜15分冷やす。
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食べる直前に青じそを添えて完成。
ポイント
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味が染み込みやすく、冷たくして食べると格別。
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酸味でさっぱりしていて、夏にぴったりです。
【レシピ③】きゅうりとなすと豆腐の和風ごまダレサラダ
材料(2〜3人分)
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きゅうり…1本
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なす…1本
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絹ごし豆腐…1/2丁
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塩…少々
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【ごまダレ】
└ 白すりごま…大さじ2
└ しょうゆ…大さじ1
└ 酢…大さじ1
└ 砂糖…小さじ1
└ ごま油…小さじ1
作り方
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きゅうりは千切り、なすは薄くスライスして塩もみし、5分置いて水分を絞る。
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豆腐はキッチンペーパーで包んで軽く水切りし、ひと口サイズに切る。
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ごまダレの材料を混ぜ合わせる。
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全ての材料をボウルで軽く混ぜ、ごまダレをかけて完成。
ポイント
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豆腐の代わりに蒸し鶏を加えるとボリュームアップ。
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ごまダレの代わりに味噌マヨネーズでも美味!
土用の丑の日の風習を楽しむ

食欲をそそる薬味の活用法
夏の食卓に欠かせないのが、みょうが、しそ、しょうが、わさび、大葉、ねぎなどの薬味です。これらはただ香りや彩りを添えるだけでなく、消化促進・殺菌効果・食欲増進といった機能性も兼ね備えています。
たとえば、冷ややっこには刻みみょうがやしそを添えるだけで、清涼感がぐっと増しますし、うどんやそばにわさびやしょうがを添えると味に深みが出て、暑い日でも箸が進みます。
また、薬味を“主役級”に使った副菜もおすすめ。しそと大根を使ったサラダや、みょうがの甘酢漬けなどは、常備菜としても大活躍。薬味の力を活かせば、同じ料理でも味の印象ががらりと変わり、毎日の献立にメリハリが生まれます。夏バテ気味でもさっぱり食べられる、薬味はまさに“夏の名脇役”です。
秋の土用や春土用との違い
「土用の丑の日=夏」と思いがちですが、実は土用は年に4回、立春・立夏・立秋・立冬の直前にある18日間前後の期間を指します。それぞれが季節の節目にあたり、体調を崩しやすい時期として昔から注意されてきました。中でも夏の土用が特に知られているのは、江戸時代に平賀源内が“うなぎを食べる日”として広めた背景があるためです。
秋や春の土用も、健康を意識した食事が推奨されるタイミング。例えば、秋の土用にはきのこや根菜類、春の土用には山菜や豆類など、その時期の旬の食材を取り入れることで、体調を整え、次の季節を迎える準備ができます。夏だけでなく、土用の意味を知ることで、年間を通じた食養生の考え方が深まります。
特別な日のための行事食
土用の丑の日に限らず、日本には五節句や年中行事など、季節ごとに行事食を楽しむ文化があります。これらは、旬の食材を使うことで自然の流れと調和した暮らしを体現し、健康を祈るという意味を持っています。行事食には、「節目を大切にする心」や「家族の絆を深める役割」もあり、現代の忙しい生活の中でも見直されつつあります。
土用の丑の日もその一例。うなぎだけでなく、“う”のつく食材を取り入れたり、季節の野菜を活かした献立にすることで、家庭でも簡単に行事食の楽しさを味わうことができます。
特別な演出は不要でも、「今日は土用の丑の日だから○○を食べよう」といった声かけだけで、子どもたちへの季節の伝承にもつながります。伝統を現代のライフスタイルに合う形で取り入れることが、食文化を未来につなぐ第一歩です。
土用の丑の日と食べ物の関連性

食材の栄養価を高める工夫
毎日の食事において、食材そのものの栄養価はもちろん重要ですが、調理法によって栄養の吸収率や保持率が大きく変わることをご存じでしょうか?たとえば、しじみは加熱調理して汁ごと食べることで、オルニチンや鉄分などのミネラルを効率的に摂取できます。
また、ビタミン類を多く含む野菜は、下ゆでせずに蒸したり電子レンジで加熱したりすることで、水に溶け出る栄養素の損失を抑えることができます。
さらに、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)を含む食材は、油と一緒に調理することで吸収率がアップ。たとえば、にんじんやかぼちゃは油炒めや天ぷらにするのが理にかなっています。こうしたちょっとした工夫や知識を取り入れることで、日常の献立も栄養価の高いものに変えることができるのです。
季節の変わり目に注意すべきこと
季節の変わり目、とくに土用の時期は「気温の変動・湿度の高さ・体力の低下」が重なりやすく、体調を崩しやすいタイミングです。この時期に特に意識すべきなのが、「食事・睡眠・水分補給」の3つの基本。
まず、栄養バランスのとれた食事で体の中から免疫力をサポートすることが重要です。冷たい飲み物ばかりで胃腸が弱ることもあるので、温かい汁物や常温の水をこまめに摂取しましょう。
また、睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、疲労の蓄積を加速させます。就寝前に湯船につかる、寝具を季節に合わせて調整するなど、質の良い眠りを確保する環境づくりも大切です。日常生活の中で「少しの意識改革」を行うだけで、変わり目の季節も元気に乗り越えることができます。
食感の良い料理で楽しむ
暑さで食欲が減退しがちな土用の時期には、食感を楽しめる料理が自然と箸を進ませてくれる重要な要素になります。たとえば、オクラやモロヘイヤ、長芋などのネバネバ食材は、胃腸にやさしく食べやすいうえ、つるんとした食感でのどごしも良好。ごはんにかけて“ねばとろ丼”にすれば、メインにもなる手軽な一品になります。
また、きゅうりのパリパリ感やなすのとろけるような口当たりも夏ならではの魅力。これらの食材を冷やして、浅漬けやマリネにすれば、さっぱりといただけて副菜としても大活躍します。
さらに、こんにゃくやれんこんのようなコリコリ・シャキシャキとした異なる食感の組み合わせを意識することで、食事の満足度もアップ。味だけでなく“食感”を取り入れることで、暑い日でも楽しく美味しく食事を楽しめます。
土用の丑の日を彩る献立の工夫

ちらし寿司のアレンジレシピ
夏の食卓を華やかに彩る「夏ちらし寿司」は、土用の丑の日にもぴったりなごちそうメニューです。酢飯の上に錦糸卵、刻んだオクラ、角切りのパプリカ、きゅうり、枝豆、プチトマトなどを散らせば、カラフルで見た目も楽しい一皿になります。さらに、サーモンや海老、ツナマヨなどを加えることで、子どもから大人まで満足できる味わいに。
トッピングには、大葉やみょうがなどの薬味をプラスしてさっぱり感を演出したり、白ごまを散らすことで香ばしさを加えたりと、自由度の高いアレンジが可能です。ひと手間で「特別感のある一品」になるので、お祝いごとや家族団らんの場にもぴったり。大きなお皿に盛り付けてシェアすれば、会話も弾みます。
【レシピ①】カラフル夏ちらし寿司
材料(3〜4人分)
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温かいごはん…2合分
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酢…大さじ3
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砂糖…大さじ2
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塩…小さじ1
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錦糸卵…卵2個分
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オクラ(ゆでて輪切り)…3本
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パプリカ(赤・黄/角切り)…各1/4個
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きゅうり(薄切り)…1本
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枝豆(さやから取り出す)…50g
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プチトマト(半分に切る)…6個
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サーモン・海老・ツナマヨなどお好みで
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白ごま、大葉、みょうが…適量
作り方
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酢・砂糖・塩を混ぜて寿司酢を作り、温かいごはんに混ぜて酢飯を作る。
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錦糸卵を作っておく(薄焼き卵→細く切る)。
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すべての具材を準備し、オクラは塩ゆでして輪切りに。
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大皿に酢飯を広げ、彩りよく具材をのせていく。
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白ごま、大葉の千切り、みょうがなどを飾って完成。
ポイント
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酢飯に刻んだしそを混ぜても爽やかさアップ。
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ツナマヨは酢飯との相性も良く、子どもに大人気。
うどんやご飯のおすすめトッピング
暑さで食欲がわかない日には、ひんやりしたうどんやご飯ものが重宝します。中でもおすすめは、とろろや温泉卵、大葉、刻みのり、みょうがなどをのせた「ぶっかけうどん」や、梅干しやお茶、だしをかける「冷やし茶漬け」。これらの料理は、火を使う時間も少なく、手軽に栄養を摂れるのが魅力です。
うどんには、納豆やなめこをトッピングするとネバネバ成分で胃腸を助け、さらに食べやすく。冷やし茶漬けには、鯛や鮭フレーク、ツナなどを加えれば、タンパク質も補えます。風味を引き締めたいときは、わさびや柚子胡椒を少し添えるのもおすすめです。味の変化をつけることで、毎日食べても飽きにくくなります。
【レシピ】とろろと薬味のぶっかけ冷やしうどん
材料(2人分)
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冷凍うどん…2玉
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長芋(すりおろし)…100g
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温泉卵…2個
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大葉(千切り)…4枚
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みょうが(輪切り)…1個
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刻みのり・ねぎ・白ごま…適量
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めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ3+水100ml
作り方
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うどんをゆでて冷水でしめ、水気を切る。
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器にうどんを盛り、すりおろしたとろろをのせる。
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温泉卵、大葉、みょうが、のりなどを盛り付ける。
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よく冷やしためんつゆをまわしかけて完成。
ポイント
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ねばねば成分が胃腸をサポート。
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味変にわさび・ゆず胡椒・ラー油をプラスしても◎。
食材の相性を楽しむ
料理をワンランクアップさせるポイントは、食材同士の相性(=風味のマリアージュ)を意識すること。たとえば、トマト×バジルは言わずと知れた黄金コンビで、冷製パスタやマリネにぴったり。ナス×しょうがは、焼きなすや煮びたしにすると、ナスの甘みとしょうがの爽やかさが絶妙にマッチします。
和風の組み合わせなら、豆腐×しそ×みょうがのように、淡白な食材に香味野菜を合わせて味に深みを出すのもおすすめ。洋風なら、ズッキーニ×チーズや、かぼちゃ×カレー粉なども人気のペアです。
季節の素材を使いながら、味・香り・食感のバランスを意識して組み合わせることで、簡単な料理でもプロのような仕上がりになります。アイデア次第でアレンジの幅が無限に広がります。
【レシピ】風味のマリアージュ和風冷製サラダ
(豆腐×しそ×みょうが)
材料(2人分)
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絹ごし豆腐…1/2丁(軽く水切り)
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しそ(千切り)…3枚
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みょうが(輪切り)…1本
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しょうが(すりおろし)…少々
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白だし…小さじ2(お好みでポン酢でも可)
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オリーブオイル…小さじ1(洋風にするなら)
作り方
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豆腐をひと口大に切って器に盛る。
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上にしそ・みょうが・しょうがをのせる。
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白だしとオリーブオイルをかけて完成。
(またはポン酢だけでもOK)
ポイント
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夏の冷菜に最適。薬味の香りでさっぱり。
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トマトやアボカドを追加すれば洋風アレンジも可能。
家庭でできる簡単な土用の丑の日レシピ

短時間で作れる人気料理
忙しい日でもしっかりと栄養のある食事を取りたい――そんなときに頼りになるのが調理時間20分以内で完成する時短メニューです。たとえば、冷やしうどんは茹でて冷やすだけでOK。トッピングに温泉卵・おろし大根・大葉・鰹節などをのせるだけで、満足感のある一品に早変わりします。
牛肉のしぐれ煮は、薄切り牛肉と生姜を甘辛く煮るだけの簡単レシピで、ごはんが進む主菜に。作り置きしておけば、お弁当や翌日のリメイクにも使えます。また、トマトとオクラの和え物は、火を使わずにさっと作れるのが魅力。ポン酢やごま油でさっぱりと味付けすれば、暑い日でも食欲がわきます。
調理の工夫次第で、時短でもおいしさと栄養をしっかり確保できます。
【レシピ】冷やしうどん(とろ玉ぶっかけ風)
材料(2人分)
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冷凍うどん…2玉
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温泉卵…2個
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大根おろし…大さじ4
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大葉(千切り)…4枚
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鰹節…適量
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めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ3+水120ml
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おろししょうが・刻みのり…お好みで
作り方
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冷凍うどんを茹でて冷水でしめ、水気を切って器に盛る。
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大根おろし・温泉卵・大葉・鰹節などを盛り付ける。
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よく冷やしためんつゆをかける。
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お好みでおろししょうがや刻みのりをトッピングして完成。
ポイント
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時短調理でもボリューム感◎。食欲がないときでも食べやすい一品。
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温泉卵は市販のものでもOK。レンジで作っても可。
副菜の作り方と提案

メインディッシュを引き立てる副菜の充実は、献立の完成度を大きく左右します。とくに夏場は、さっぱりした副菜や冷たい一品が喜ばれます。定番の枝豆の塩茹では、シンプルながら栄養価が高く、箸休めにもおつまみにもぴったり。食卓に緑を加えて、見た目にも彩りを与えてくれます。
また、きゅうりの酢の物は、食欲が落ちがちな季節におすすめ。わかめやカニカマ、じゃこなどを加えることで、栄養バランスもアップします。さらに、もずくスープは冷やしても温めても美味しく、胃腸にやさしい一杯。おろし生姜やねぎを加えれば、風味も引き立ちます。
どれも手軽に用意できるものばかりなので、あと一品欲しいときにすぐ作れるラインナップとして活躍します。
【レシピ】トマトとオクラのポン酢和え
材料(2人分)
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トマト(中)…1個
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オクラ…4本
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ポン酢…大さじ2
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ごま油…小さじ1
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白ごま…適量
作り方
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オクラを塩で軽くこすり洗いし、さっと茹でて輪切りにする。
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トマトは1〜2cm角にカットする。
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ボウルにトマト・オクラ・ポン酢・ごま油を入れて和える。
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白ごまをふって冷やして完成。
ポイント
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火を使うのはオクラの湯通しだけ。簡単&涼しげな副菜。
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冷蔵庫で15分冷やしてから食べるとさらにおいしい!
おもてなしに使える華やかな一品
特別な日やお客様を迎える場面には、見た目に華やかでインパクトのある料理を一つ用意するだけで、食卓がぐっと華やかになります。ちらし寿司はその代表格で、色とりどりの具材を使って盛り付ければ、簡単ながらも「ごちそう感」が演出できます。お刺身や海老、錦糸卵、いくらなどを使えば、まるでお寿司屋さんのような一皿に。
また、ローストビーフは意外にも簡単で、焼いてから余熱でじっくり火を通すだけ。特製ソースやわさび醤油を添えるだけで、和洋どちらの食卓にもマッチします。さらに、盛り付けにこだわることで、一層の高級感が生まれます。おもてなし用の大皿や和風の器を使うだけで、家庭料理が料亭風に格上げされます。
【レシピ】基本のローストビーフ(おもてなし仕様)
材料(2〜3人分)
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牛もも肉ブロック…300g
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塩・こしょう…各少々
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にんにく(すりおろし)…1片分
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オリーブオイル…小さじ1
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【簡単ソース】
└ 醤油…大さじ2
└ みりん…大さじ1
└ わさび…少々 or ポン酢でも可
作り方
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牛肉は常温に戻し、塩こしょう・にんにくをすりこむ。
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フライパンにオリーブオイルを熱し、肉の表面全体に焼き色をつける(各面1分程度)。
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アルミホイルに包み、さらにタオルで包んで30分ほど保温(余熱で火を通す)。
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薄切りにし、好みのソースをかけて完成。
ポイント
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フライパンだけで作れる本格的な一品。
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盛り付けをおしゃれなプレートや和皿にすれば、おもてなし感アップ!
土用の丑の日にぴったりなスイーツ

かぼちゃを使ったデザートレシピ
「なんきん(南瓜)」は“う”のつく食材の一つとして、土用の丑の日に縁起の良い食材とされています。ビタミンEやβカロテンが豊富なかぼちゃは、抗酸化作用や疲労回復にも効果があり、夏の体調管理にも◎。
定番のかぼちゃプリンは、なめらかな食感と優しい甘さが魅力。かぼちゃをペースト状にして、卵・牛乳・砂糖と混ぜて蒸すだけで、ほっこり系スイーツが完成します。甘さ控えめにして、生クリームや黒蜜をかければ見た目も華やかに。
また、かぼちゃの煮物風寒天は、少し変わったアレンジレシピ。煮物にしたかぼちゃを寒天と混ぜて冷やし固めることで、甘じょっぱい風味とひんやり食感を同時に楽しめます。和風の献立にもよく合う、ヘルシーなスイーツです。
沖縄の伝統的なおやつ
土用の時期は、エネルギーが消耗しがち。そんな時期にぴったりなのが、栄養価が高く腹持ちも良い沖縄のおやつです。たとえば、黒糖の蒸しパン(黒糖まんじゅう)は、ミネラルたっぷりの黒糖を使った蒸し菓子で、素朴ながらも滋味深い味わい。黒糖には疲労回復や貧血予防に効果のある鉄分やカリウムも含まれています。
もう一つの代表的な沖縄スイーツが、サーターアンダギー。外はカリッと、中はふわっとした揚げドーナツで、手軽に作れて保存性も高いのが特徴です。シンプルな材料で作れる上、子どもにも大人気。黒糖や紅芋を使ったバリエーションもおすすめで、栄養と満足感を同時に得られるおやつです。
栄養を考えた甘味の提案
甘いものが欲しくなる夏でも、できるだけ体にやさしく、栄養のある甘味を選ぶことがポイントです。まずおすすめなのは、甘酒ゼリー。米麹の甘酒を寒天やゼラチンで固め、ノンシュガーで自然な甘みを楽しめるデザートに仕上げます。冷やして食べれば、腸内環境の改善やエネルギー補給にも最適です。
もう一つは、寒天フルーツポンチ。季節のフルーツ(キウイ、スイカ、オレンジなど)と寒天を合わせ、黒蜜やレモンシロップで味付けすれば、見た目もカラフルで食欲をそそる一品になります。ビタミンCや食物繊維がしっかり摂れるのも魅力です。
さらに、豆乳プリンやヨーグルト寒天などもヘルシーな選択肢。体にやさしい甘味を選ぶことで、罪悪感なく丑の日の食卓を締めくくることができます。
土用の丑の日の食文化と歴史

江戸時代の食べ物への影響
江戸時代は、生活の中に「食で季節を乗り越える知恵」が数多く取り入れられていた時代です。特に夏の暑さが厳しい時期には、体力の維持や健康管理が重要視されており、食べ物で体をいたわる文化が発展しました。その中で、「“う”のつく食材を食べると夏バテしにくい」という考えが庶民の間で広まり、うなぎだけでなく、うどん、うめぼし、うり、うし(牛肉)なども積極的に食べられるようになりました。
この時代、保存技術も乏しく、食材の鮮度や栄養をどう保つかが課題だったため、栄養価の高い動物性タンパク源であるうなぎは貴重なスタミナ源とされていたのです。暑さに負けず働くための「食養生」として、“う”のつく食材を取り入れる習慣は、生活の知恵と自然のリズムに基づいた食文化と言えるでしょう。
平賀源内と土用の丑の日の関係
「土用の丑の日にうなぎを食べる」という習慣を世に広めたとされるのが、江戸時代の博学者・平賀源内(ひらが げんない)です。あるうなぎ屋が夏になるとうなぎが売れなくなることを嘆き、相談を持ちかけたところ、平賀源内は「本日、土用の丑の日。うなぎの日」という貼り紙を店先に掲げるよう助言したと言われています。
このアイデアが評判となり、他の店でも真似するようになって「土用の丑の日=うなぎを食べる日」という認識が定着したと伝えられています。まさにこれは、現代で言うマーケティング戦略の先駆け。平賀源内の発想力が、文化や風習にまで影響を与えた好例です。
この背景を知ることで、うなぎを食べる習慣に歴史的な面白さとストーリー性が加わり、現代でも親しまれる理由がより明確になります。
伝統料理を現代流にアレンジ
江戸時代から受け継がれてきた伝統的な食文化も、現代の生活スタイルに合わせて手軽かつ美味しくアレンジすることが可能です。たとえば、うなぎの代わりに豚の蒲焼き風や豆腐の蒲焼きといった代替メニューも注目されています。これらはリーズナブルで栄養価も高く、ヘルシー志向の方にも支持されています。
また、時間がない現代人にとっては、電子レンジや冷凍食品、カット野菜の活用が大きな味方。伝統の味を無理なく日常に取り入れるために、手軽さと効率を重視したレシピの工夫がポイントです。
たとえば、冷凍しじみを使った味噌汁や、電子レンジで作れるかぼちゃプリンなど、忙しい中でも「季節の行事を食で楽しむ」ことができるアイデアは豊富です。伝統の精神を大切にしつつ、今の暮らしにフィットする形に変化させていくことこそが、食文化を守り、育てていく第一歩と言えるでしょう。
土用の丑の日の食卓の楽しみ方

家族で楽しむ料理シェア
土用の丑の日の食卓をもっと楽しく演出したいなら、家族みんなで取り分けて楽しめる「シェア型料理」がおすすめです。たとえば、手巻き寿司は子どもから大人まで人気があり、好きな具材を自由に巻けるスタイルが盛り上がります。具材はうなぎ以外にも、牛しぐれ煮、ツナマヨ、アボカド、きゅうり、玉子焼きなどを用意すれば、バリエーション豊かに楽しめます。
また、ビビンバ風丼もおすすめ。ご飯の上にナムルやそぼろ、卵黄をのせて各自で混ぜて食べるスタイルは、“自分の味を作る”楽しさがあり、自然と会話も弾みます。焼肉のたれやコチュジャンなどを用意すれば、好みの味付けも可能。一緒に食べながら会話が生まれる“参加型の食卓”は、特別な日の記憶にも残ります。
特別な日の献立セレクション
せっかくの土用の丑の日。いつもと少し違う“特別感”を演出するなら、前菜・主菜・副菜・デザートを組み合わせたワンプレート構成が効果的です。お皿の上に彩り豊かな小鉢を並べるだけで、旅館やカフェ風の見た目になります。
たとえば、
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前菜:オクラとみょうがの和え物
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主菜:牛肉のしぐれ煮 or 豆腐の蒲焼き
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副菜:枝豆ときゅうりの酢の物
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デザート:かぼちゃプリン or 寒天フルーツポンチ
という組み合わせにすれば、栄養バランスも見た目も◎。さらに、ワンプレートにすることで洗い物も減り、準備・片付けもラクになります。日常にちょっとした工夫を加えるだけで、家族の記憶に残る一日になるでしょう。
参加型料理でコミュニケーション
食事は「食べる」だけでなく「作る」ことから始めれば、家族のコミュニケーションが自然と深まります。特に子どもがいる家庭では、一緒に料理する時間が貴重な思い出になります。たとえば、手まり寿司はごはんを丸めて好きな具をのせるだけの簡単レシピ。小さな手でも作りやすく、見た目もかわいらしく仕上がります。
また、串焼きもおすすめです。お肉や野菜、ウインナー、きのこなどを竹串に刺して焼くだけで、BBQ気分を味わえます。家庭用のホットプレートや魚焼きグリルでも調理可能で、焼く工程も一緒に楽しめるのがポイント。食材の準備から仕上げまで、「一緒に作る」体験が絆を深めてくれます。
まとめ|今年の土用の丑の日はうなぎ以外の献立で楽しもう
うなぎにこだわらず、“う”のつく食材を使った料理や、栄養バランスの取れた献立で土用の丑の日を迎えるのも立派な夏の風習です。しじみや牛肉、夏野菜を活用すれば、暑い時期にぴったりな食卓が簡単に実現できます。
今年はいつもと違う丑の日にチャレンジして、家族や自分の体調をいたわる特別な1日にしてみませんか?「うなぎが苦手」「予算を抑えたい」という方も、ぜひ本記事のアイデアを参考にしてください