お宮参りの準備をしていると、「初穂料は誰が払う?」「写真代や食事会はどうする?」と、費用負担のことでモヤモヤする瞬間が出てきます。
私自身、長女のお宮参りのときに「祖父母が払うものなのかな…?」「でも期待していると思われるのもイヤだし」と悩んだ経験があります。家族行事だからこそ、ちょっとした認識のズレが後々の気まずさにつながってしまうこともありますよね。

この記事では、一般的な費用負担の考え方、祖父母とのトラブルを避けるポイント、私が実際に気をつけたことをまとめました。読んだあとには、家族で気持ちよく当日を迎えられるイメージが持てるはずです。

お宮参りの費用は誰が負担する?一般的な考え方

お宮参りの費用負担には「こうすべき」という決まりがありません。
だからこそ、地域や家庭ごとの価値観がそのまま反映されやすく、ちょっと聞きづらいテーマになりがちです。私自身も、長女のお宮参りのときに「これって普通どこまで自分たちで払うんだろう?」と迷った経験があります。
ここでは、実際によくあるパターンをもう少し丁寧に解説していきます。

両親が負担するケースが最も多い

現代のお宮参りでは、初穂料・衣装代・写真代・食事会まで、夫婦でまとめて負担するスタイルが最も一般的になっています。
「自分たちの家族行事だから、自分たちで払う」という考え方が定着してきているのを感じます。

夫婦で負担するメリットには、

  • 祖父母に気を遣わせない

  • 金銭的な話題でギクシャクしにくい

  • 予定や内容を自分たちのペースで決められる
    という気軽さがあります。

実際、私の周りのママ友に聞いても「全部自分たちで払ったよ」という声が多く、祖父母の負担を前提にしないほうが気持ちがラクだったという意見もよく聞きます。

祖父母が一部を負担してくれるケースもある

一方で、初孫のお祝いなど特別な場合には、祖父母が自然と「ここは出してあげるよ」と言ってくれることもあります。
特に、

  • 写真撮影の費用

  • 祝い着のレンタル代

  • 食事会の会計
    といった「気持ちとして支援しやすい部分」を申し出てもらえることが多い印象です。

ただし、この“ありがたい好意”が気まずさの原因になることもあります。
「全部出してくれると思われても困るし…」
「頼るつもりがなかったのに、かえって申し訳ない」
と、受け取り側が戸惑ってしまうんですよね。

ここで起きやすいのは、“どこまで出してもらう前提で考えているか”の認識違い
期待してしまうと後で必ず誤解が生まれるため、あくまで「出してもらえるならありがたく受け取る」くらいの気持ちにしておくと、関係がスムーズになります。

地域によっては“母方が負担する”という風習が残ることも

昔の日本では「お宮参りは母方の家が整えるもの」という風習が強い地域もありました。
今ではその習慣はほとんど残っていませんが、祖父母世代の中にはその感覚が薄く残っている場合があります。

例えば、

  • 「祝い着は母方が用意するもの」

  • 「初穂料は母方が払うもの」
    と考える方もいるため、こちらが想像していない捉え方をしている可能性もあります。

もし心配なときは、
「最近は夫婦で負担する家庭が多いみたいです」
「私たちで準備しておきますね」
などと、雑談の中でさりげなく話しておくと安心です。

強く否定する必要はなく、“現代の一般的な流れ”として伝えることで、祖父母の気持ちも傷つけずにすり合わせができます。

お宮参りで必要な主な費用と相場

お宮参りでは「思ったより費用がかかった」という声も多く、事前に相場を把握しておくことで予算の見通しが立てやすくなります。
我が家も最初はなんとなくで準備していましたが、ひとつずつ整理してみると「これは必要」「これは省ける」と判断しやすくなり、結果的にスムーズに進みました。ここでは、主な費用と平均的な金額感を詳しくまとめます。

初穂料

初穂料は神社へ納める謝礼のことで、5,000〜10,000円が一般的な相場です。
ただし、神社によっては金額が明確に決められていたり、のし袋の書き方に指定があったりする場合もあります。

私が経験した範囲では、事前に公式サイトで確認したり電話で聞いたりするととても丁寧に教えてもらえたので、当日慌てないためにも早めの確認がおすすめです。
また、曜日や祈祷の混み具合によって待ち時間が変わるため、少し余裕を持って訪れると気持ちよく参拝できます。

衣装代(祝い着・ベビードレスなど)

衣装はレンタルで5,000〜20,000円ほどが目安です。
選ぶ素材やブランド、撮影とセットになっているかどうかで金額が変わります。

写真スタジオでは、

  • 祝い着レンタル無料

  • 撮影当日の外出は追加料金
    など、スタジオ独自のルールがあることが多いです。

私の家庭ではスタジオで衣装を選びましたが、祖母が「せっかくだから赤ちゃんに似合うものを」と一緒に楽しんでくれたのが嬉しく、衣装を選ぶ時間もいい思い出になりました。
衣装は“家族の満足度が上がりやすい部分”なので、少しこだわると満足感が長続きします。

写真撮影

スタジオ撮影の相場は2〜5万円前後が中心です。
データ数・アルバムの有無・兄弟撮影など、オプションが豊富なため、最終的な金額が上がりやすいところでもあります。

私の場合は、祖父母も一緒に写真を撮れることをとても楽しみにしていたので、通常よりも大きめのプランにしました。
撮影データを共有したときの嬉しそうな表情を見ると、ここに少しお金をかけたのは正解だったなと思います。

また、最近は家族写真をしっかり残したいという家庭も多く、
「当日だけの一瞬を残す」ことを重視するなら、予算はやや多めに見積もっておくと安心です。

食事会

お宮参り後の食事会は、
1人あたり3,000〜8,000円ほどが一般的な相場です。

レストラン・和食店・個室の有無などによって値段は大きく変わります。
個室利用は、赤ちゃんが泣いたり授乳が必要になったりしたときも周りに気を遣わずに過ごせるので、私もできる限り個室のあるお店を選びました。

なお、食事会の費用は祖父母が負担してくれることもありますが、これは家庭によってまったく違います。
そのため、最初から「出してくれるかも」と期待してしまうと認識違いが生まれやすく、かえって心の負担になることも。

食事会は“招待する側の夫婦が払う”前提にしておくほうが、どの家庭でもトラブルが起きにくい部分です。

トラブルが起きやすいポイントとその理由

お宮参りは家族にとって嬉しい行事ですが、「費用」にまつわるすれ違いが起きやすいのも事実です。
しかもお金の話は相手に言いづらく、遠慮や思い込みが重なりやすい分だけ、気まずさにつながるケースも多いんです。
ここでは、実際によくあるトラブルの原因を深掘りしていきます。

「払う・払わない」の認識がズレる

お宮参りの準備は、どうしても夫婦が中心になって進んでいきます。
祖父母は「何にどれくらいかかるのか」を詳しく知らないまま当日を迎えることも多く、そこで認識のズレが生まれやすくなります。

例えば、

  • 祖父母は「一部出すつもりで来た」

  • 夫婦は「すべて自分たちで負担するつもりだった」
    という場合は、お互い気まずい状況になりがちです。

また逆に、

  • 両親が「お祝いとして負担してくれると思っていた」

  • 祖父母は「そのつもりはなかった」
    というケースもあり、その差がそのまま不満や誤解につながってしまいます。

お宮参りは気持ちで動く行事だからこそ、“期待しないけれど、想像はしてしまう”という微妙な心理が重なり、ちょっとした一言で雰囲気が揺れやすくなるんです。

祖父母の“好意”が負担に感じてしまう

祖父母が「ここは出してあげるよ」と言ってくれるのは、本当にありがたいことです。
ただ受け取る側としては、
「そこまでしてもらうつもりはなかったのに…」
「気を遣わせてしまって申し訳ない」
という気持ちが生まれてしまうことがあります。

特に金額が大きくなるほど、その気持ちは強くなりがちです。
私も実際に経験したのですが、嬉しいはずなのに心がザワッとしてしまう瞬間がありました。

この“嬉しいけれど気が重い”という感情は、好意を受け取る私たち側の心の負担でもあります。
気持ちのやりとりは繊細なので、お金が絡むと一気に受け取り方が難しくなるというのが正直なところです。

夫婦内で方針がそろっていない

実は一番多いトラブルの原因がこれ。
お宮参りの費用トラブルは「祖父母 vs 夫婦」の構図ではなく、“夫婦内の意見のズレ”が火種になっていることが非常に多いです。

たとえば、

  • 夫は「うちの親は払う気で来ると思うよ」

  • 私は「全部自分たちで払うつもりだった」
    という状態のまま当日を迎えると、支払いの瞬間に空気がピタッと止まるんですよね。

夫婦のどちらかが気を遣ったり、逆に祖父母が戸惑ったりして、“なんとなく気まずい時間”が流れてしまうこともあります。

夫婦の考えが違っていると、

  • 誰が会計するのか

  • 祖父母が申し出てくれたときにどう対応するのか

  • 好意を受け取るライン
    など、その場判断が必要なタイミングで迷いが生まれ、「もっと相談しておけばよかった…」につながります。

この問題を防ぐためには、夫婦で方向性をひとつにしておくことが最強の予防策になります。

祖父母とのトラブルを避けるためのコツ

お宮参りは「家族みんなで赤ちゃんの成長を喜ぶ日」ですよね。
だからこそ、費用のことで気まずい空気になるのはできるだけ避けたいもの。
私も経験して感じたのは、“事前にできる小さな一工夫”が、当日の安心感につながるということでした。ここでは、特に効果のあったポイントを深掘りしてお伝えします。

夫婦で費用の方針を先に決めておく

トラブルを避けるための第一歩は、夫婦で同じ方向性を持つことです。
私はまず夫と「基本は自分たちで払う」という線引きをしました。これを共有しておくだけで、食事会の会計でも慌てずに動けます。

たとえば、

  • すべて夫婦で払う

  • 祖父母が申し出てくれた場合のみ、一部を受け取る

  • 衣装代など“限定して”お願いする

など、スタンスは家庭によって違ってOK。
大事なのは、どのパターンになっても夫婦が迷わないようにしておくことです。

こうしておくと、祖父母が当日に「これは出すわね」と言ってくれた場合でも、夫婦で動き方がそろっているので対応がぶれません。
当日の“あれどうする?”が一番気まずさにつながりやすいので、事前の足並みそろえは本当に大切です。

帰省や電話のついでに“軽く”話題に出す

お金の話はストレートに聞くと相手が身構えてしまいます。
だからこそ、「雑談の中に混ぜる」という方法がすごく効果的でした。

たとえば、
「お宮参りって、最近は夫婦で負担する家庭が多いみたい」
「写真スタジオ、このプランが良さそうでね」
など、ゆるい話題のように伝えると、相手も自然に考えを返しやすいんです。

ここで相手の反応を観察しておくことで、

  • 費用を出す気があるのか

  • どこまで協力したいと思っているのか

  • 特にこだわりがあるか
    がふんわりわかります。

雑談の中なら、祖父母も「払うつもりはなかったのに…」と焦ることもなく、「出すよ」と無理に言わせてしまう状況も避けられます。

「出してもらう前提」で計算しない

これは精神的にも非常に大切なポイント。
費用を“誰かが出してくれる予算”として組んでしまうと、そこにズレが生まれたときに必ずトラブルが起きます。

逆に、
「すべて自分たちで払う想定」で準備しておけば、

  • 出してもらえなくても不満がない

  • 申し出てもらえたら素直に感謝できる

  • お金の話で心が揺れにくい
    というメリットがあります。

私はこのスタンスにしてから本当に気持ちがラクになりました。
“好意はあくまでプラスアルファ”という考え方にすると、期待が生まれず、関係が穏やかに保てます。

食事会は“招待するスタンス”で

食事会は費用トラブルが起きやすい場面のひとつです。
だからこそ、夫婦で「私たちが招待する」という前提を持っておくと、当日の動きが非常にスムーズになります。

私も食事会では「今日は来てくれてありがとうね」と言いながら会計を済ませました。
すると義母が「少し出すわよ」と言ってくれたので、そのときはありがたく受け取りました。

最初から「出してくれる前提」でない流れにしておくことで、

  • 祖父母も気を遣わなくて済む

  • 夫婦の気持ちもブレない

  • 申し出てくれたときには素直に喜べる
    というメリットがあります。

特に義母・義父との関係は繊細なので、食事会の主導権を夫婦が持つことは安心感につながります。

私が実際に気をつけたこと・うまくいったこと

お宮参りの準備を進める中で、私が特に意識したのは「祖父母に気を遣わせないこと」でした。
とはいえ、祖父母の気持ちも尊重したい…という思いがあったので、そのバランスをどう取るかが悩ましいところでした。
ここでは、実際に私が経験して感じたことをもう少し深くお話しします。

夫婦で完結させる形にした理由

私の性格上、「金額の話で気を遣わせてしまうのでは…」という不安が大きかったため、最初から夫婦で負担する形に決めていました。
この方針にしておいたことで、当日の支払い場面でも迷いがなく、気まずさもありませんでした。

ただ、結果的には義母がとても楽しみにしてくれていて、写真代の一部だけ「これはお祝いだから受け取ってね」と渡してくれました。

その瞬間、私は“負担をかけてしまった”というよりも、
「この行事を一緒に喜びたいと思ってくれているんだ」
という温かい気持ちを強く感じたんです。

祖父母は「払いたい」のではなく「関わりたい」

そのときに気づいたのは、祖父母の気持ちの本質は「お金を払いたい」ではなく、
“孫の大切な節目に、自分も関わる喜びを持ちたい”
というところにあるということでした。

つまり、金額の多い少ないは問題ではなく、
「自分もお祝いの一部を担った」と思えること自体が嬉しいのだと感じました。

たとえば、

  • 写真代の一部を渡す

  • 祝い着を選ぶのを手伝う

  • 当日の段取りに興味を持ってくれる

こうした一つひとつの関わりが、祖父母にとっては“参加している実感”につながるのだと思います。

「ありがとう」をしっかり伝えることが大切だった

義母からお祝いをいただいたとき、私は金額よりも「その気持ちを喜びたい」と思い、
「ありがとう、すごく嬉しいです」としっかり伝えました。

その後、出来上がった写真を見せに行ったとき、義母が本当に嬉しそうに
「かわいいねぇ。撮ってよかったねぇ」と何度も言ってくれて、
その笑顔を見た瞬間、私は「受け取ってよかった」と心から思いました。

この経験から、
お金にフォーカスしすぎると見失ってしまうけれど、お宮参りは“家族が同じ方向を向ける温かい行事”なのだということ
を改めて実感しました。

まとめ|今日、夫婦で「わが家らしい負担の形」をひとつ決めてみよう

お宮参りの費用に“これが正解”という決まりはありません。
それぞれの家庭に歴史や価値観があり、祖父母との関係性も違うからこそ、大切なのは「わが家にとって心地よい形」を選ぶことだと感じています。

費用負担をどうするかは、お金の話だけではなく、

  • 気を遣わせたくないという思い

  • 祖父母の関わりたい気持ち

  • 夫婦のスタンスや価値観
    など、複数の気持ちが重なるテーマです。

だからこそ、当日を安心して迎えるためにも、少しだけ時間をつくって夫婦で話しておくことがとても大切です。

今日ぜひ、

  • 夫婦で「どこまで自分たちで払うか」を話してみる

  • 祖父母にどう伝えるか、軽い言い方をひとつ決めておく

  • 自分たちの予算を確認し、余裕を持った計画にしてみる

この中から、できそうなことをひとつだけ選んでみてください。

小さな準備が、家族みんなの気持ちをふっと軽くし、お宮参りを“ただの行事”ではなく“忘れられない温かい思い出”に変えてくれます。
穏やかな気持ちで当日を迎えられますように。