法隆寺といえば、奈良県にある日本を代表する世界遺産として有名なお寺ですよね。修学旅行で行ったことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし法隆寺は、世界遺産だけあって見どころが満載です。
そこでこの記事では、法隆寺の見どころや豆知識について詳しく解説します。この記事を読むと、奈良観光で法隆寺に行くときにどこを見ればいいかがわかります。
目次
法隆寺の見どころ5選を紹介
世界遺産の法隆寺はとても敷地が広く、大きくは西院(さいいん)と東院(とういん)に分かれています。
歴史的な建物ばかりなので見どころはたくさんありますが、その中でもおすすめの見どころ5つを紹介します。
事前に見どころを知っておくと、実際に観光する際にどこを中心に見れば良いのかがわかります。
実際に法隆寺を観光するときは、法隆寺の境内図を参考にするとわかりやすくて良いでしょう。
1.中門(ちゅうもん)
国宝指定されている中門は「西院」の正門にあたり、飛鳥時代の建築様式を代表するものです。
軒は翼を広げたような形状をしていて、エンタシスの柱がそれを支えるように配置された重厚な門です。
左右には、奈良時代に造られた巨大な金剛力士像(国宝)が立ち並び、日本最古の仁王像として知られています。
2.五重塔(ごじゅうのとう)
国宝である五重塔がそびえ立つ「西院」は、法隆寺の象徴的存在です。その高さは約31.5メートルもあります。
この五重塔は日本最古のもので、飛鳥時代に建てられました。この塔の地下中心部には、お釈迦さまの遺骨が納められていると言われています。
五重塔の内部を見ることはできない
残念ながら五重塔の内部を見学することはできませんが、下層階から塔内を覗くことは可能です。
塔内には奈良時代初期に作られた仏像群が祀られていて、お釈迦さまが教えを説いた様子など、仏教の教義を表した作品が多数展示されています。
五重塔がある「西院」は、日本の歴史的文化遺産として注目されている場所で、多くの人々が訪れています。
3.金堂(こんどう)
飛鳥時代に建てられたとされる黄金の堂々たる建物は、現在の「西院」の仏教寺院の本堂にあたります。
この豪華な建物の中には様々な仏像が安置されていて、特に注目すべきは「釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)」と呼ばれるもの。
聖徳太子のために作られたと言われる緑がかった金銅でできた像は、非常に美しくとても見ごたえがあります。
金堂には毎年恒例のイベントがある
また金堂では毎年1月8日から14日まで、法隆寺の代表的なイベントである「金堂修正会(こんどうしゅしょうえ)」が行われます。
この行事は国家の安泰などを祈願するために、768年から続く伝統的なものでとても重要なものです。
一般の人も夕方6時からの法要に参加することができますが、事前の申込みが必要です。
4.大宝蔵院(だいほうぞういん)
大宝蔵院は西院にあり、国を代表する貴重な宝物たちが保管されている場所です。
古くから法隆寺に伝わる仏像や小壁画など、素晴らしい美しさを持つ文化財が数多く展示されています。
特に注目すべきは「百済観音像(くだらかんのんぞう)」と呼ばれる、美しい姿を持つ八頭身の仏像です。
5.夢殿(ゆめどの)
夢殿というのは、「東院」と呼ばれるお寺の中心に建てられた本堂のことです。聖徳太子が亡くなったあと、お寺が建設されたとされています。
夢殿は回廊で取り囲まれ、その中央には立派な建物があります。
夢殿の中には「救世観音像」という聖徳太子の等身大の仏像をはじめ、多くの仏像が安置されているのです
救世観音像は秘仏として扱われていて、年に2回だけ開帳されるので楽しみですよね。
たとえば毎年4月11日から5月18日までと、10月22日から11月23日までの期間に開帳されます。
法隆寺の豆知識を簡単にわかりやすく解説
法隆寺を観光するときに豆知識を知っておくと、より楽しめるのではないでしょうか。
ここでは法隆寺の豆知識を3つ簡単にわかりやすく解説します。
1.法隆寺には別名がある
法隆寺は日本の代表的な古墳時代の建築物であり、その建造者は推古天皇(聖徳太子の叔母)と聖徳太子とされています。
また「斑鳩寺(いるかでら)」という別名を持っています。この名前は、聖徳太子が飛鳥から斑鳩に居を移す際、彼の居所である斑鳩宮の隣に建てられたことに由来します。
2.法隆寺は1階建だった
法隆寺には五重塔がありますが、驚くべきことに五重塔は1階建てなのです。
内部は一般公開されていませんが、階段などは存在せず吹き抜けの構造になっているそうです。
3.法隆寺には伏蔵が3つある
また法隆寺には3つの伏蔵があります。
必要に応じて大切な宝物を隠すために作られた蔵で、外から見ると何の変哲もない石畳や地面となっていて、気づく人は少ないでしょう。
伝統では「法隆寺に重大な危機が訪れた時、この伏蔵を開くことで問題を乗り越えられる」と言われています。
しかしこの伏蔵は歴史の長い期間にわたって開けられた記録がないため、中に何が隠されているのかは未だに謎のままなのです。
法隆寺はもともと2つのお寺だった
「若草伽藍跡(わかくさがらんあと)」と記載されている場所は、現在の法隆寺が再建される前に建っていた場所です。
現在の法隆寺はおよそ710年頃に再建されたもので、これが現在の「西院伽藍(さいいんがらん)」となります。
一方で東院伽藍(とういんがらん)は、西院伽藍のあとに奈良時代に建てられたもので、この建造物は聖徳太子の供養を目的として建てられたものです。
当初は上宮王院(じょうぐうおういん)という別のお寺でしたが、後に法隆寺の一部となったのです。
これらの事実をしっかりと理解することで、法隆寺の歴史により深く理解を深めることができます。
法隆寺が日本最初の世界遺産になった理由
法隆寺は、姫路城とともに日本で最初に世界遺産に登録されました。
法隆寺には西院伽藍の金堂、五重塔、回廊など、世界最古の木造建築が残っています。これだけでも、極めて貴重なものといえます。
しかしその意味をより掘り下げてみましょう。
法隆寺は飛鳥時代から江戸時代に至るまで、全ての時代の建造物が残されています。国宝に至っては、飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代時代のそれぞれで国宝に指定されているのです。
つまり法隆寺は、日本の木造建築の歴史を集約したものといえるでしょう。
木造建築は日本の誇るべき文化と技術
木造建築というのは日本を支えてきた技術であり、日本が世界に誇るべき文化と技術でもあることを忘れてはなりません。
木造建築は、石やレンガ造りとは異なり、維持するためには絶え間ない修復が必要になってくるもの。
そのため1300年以上昔の木造建築が現代でも残っているということは、まさに奇跡のようなものです。
この奇跡を可能にしたのは木造の建物を絶えずに修復、維持するための技術だけでなく、「太子信仰」という、法隆寺を大切にする人々であるといえるでしょう。
このような人々の努力により、法隆寺は1300年以上の時を超えて、今なお生き続けているのです。
法隆寺へのアクセス方法
ここでは車以外の法隆寺へのアクセスを紹介します。
公共交通機関を利用する場合のアクセス方法は、法隆寺駅から法隆寺まで徒歩で約20分です。
まとめ
以上、法隆寺の見どころと豆知識について解説しました。
色々と見どころの多い法隆寺ですが、豆知識も含めて観光する前に知っておくと、実際に見るときにより観光が楽しくなるのではないでしょうか。
ぜひ法隆寺の歴史を知って、奈良観光を楽しんでください。