非常食ローテーションが続かなかった私|賞味期限切れから変わった家の習慣

非常食を用意しているのに、いざ見直したら賞味期限が切れていた。そんな経験、ありませんか。私も「ちゃんと備えているつもり」だったのに、防災リュックを開けて愕然としました。忙しい毎日の中で、非常食の管理まで手が回らない。でも、子どもがいる今、もしものときに食べられない備えでは意味がないと感じたんです。
そこで始めたのが、無理なく続けられる非常食のローテーション。特別なことはしていません。日常のごはんに少し混ぜるだけ。それだけで、備えへの不安が驚くほど軽くなりました。この記事では、わが家の体験をもとに、非常食ローテーションを自然に続ける考え方と工夫をお伝えします。
非常食、賞味期限切れてた…わが家のあるある体験
ある日、防災リュックを久しぶりに開けたときのことです。
「一応、中身を見ておこうか」と、ほんの軽い気持ちで缶詰を手に取りました。裏面を見て、思わず言葉を失いました。賞味期限が、1年以上も前に切れていたんです。
「え……うそでしょ?」
思わず声が漏れ、横にいた夫も缶詰をのぞき込んで苦笑い。「これはさすがにアウトだね」と、なんとも言えない空気になりました。防災リュックはしっかり用意しているつもりだったのに、中身が“いざというときに使えない”状態だったことに、正直ショックを受けました。
子どもが生まれてから、防災への意識は確実に高まっていました。水や非常食を買い足し、防災リュックも準備して、「これでひとまず安心」と思っていたんです。でも今振り返ると、それは“備えているつもり”になっていただけでした。
非常食は買った瞬間がゴールではなく、その後もきちんと目を向けて、使える状態を保ってこそ意味がある。頭では分かっていたはずなのに、忙しい日々の中で、いつの間にか後回しになっていたんですよね。
「もし今、大きな地震が来ていたら、この非常食は子どもに食べさせられなかったんだ」
そう思った瞬間、背中が少し冷たくなりました。この出来事をきっかけに、わが家では非常食の持ち方そのものを見直すことにしました。
そしてたどり着いたのが、無理なく続けられる「非常食ローテーション」という考え方だったのです。
非常食ローテーションがうまくいかない理由
「特別なもの」にしてしまっていた
非常食を「災害のときだけに食べる、特別な食べ物」と考えていませんか。正直に言うと、私もずっとそう思っていました。だから、普段の食事とは完全に切り離して、防災リュックや棚の奥深くにしまい込んでいたんです。
見えない場所に置いてあると、「そこにある」こと自体を忘れてしまいます。期限を確認するきっかけもなく、気づけば何年もそのまま。ローテーションできなかった一番の原因は、非常食を日常から切り離してしまっていたことでした。
今思えば、非常食を「使ってはいけないもの」のように扱っていた気がします。「これは非常時用だから」と手を付けず、そのまま眠らせてしまう。結果として、いざ見直したときには賞味期限切れ。
非常食は“しまっておくもの”ではなく、“たまに使うもの”だったんですよね。その考えに気づくまで、かなり遠回りをしてしまいました。
忙しさに追われて後回しになる
もう一つ大きかったのが、日々の忙しさです。子育て中の毎日は、本当に一瞬で過ぎていきます。仕事に家事、学校や保育園の予定、体調管理…。頭の中はいつもやることでいっぱいです。
そんな中で、非常食の賞味期限をチェックする余裕は、正直ほとんどありませんでした。
「また今度でいいか」「落ち着いたら見よう」
そう思っているうちに、時間だけがどんどん過ぎていきます。気づいたときには期限切れ。忙しさの中では、“使わないもの”ほど後回しにされやすいと、身をもって感じました。
防災は大事だと分かっていても、毎日の生活が優先になるのは自然なことです。だからこそ、「時間があるときにやる防災」ではなく、「忙しくても勝手に回る仕組み」にしないと続かない。
非常食ローテーションがうまくいかなかったのは、私の意識が低かったからではなく、暮らしの中に組み込めていなかったからだと、今は思っています。
わが家が始めたローリングストック法とは
「非常食」を普段の食事に混ぜる
ローリングストック法は、思っていた以上にシンプルでした。非常食を「災害のとき専用」にせず、普段の食事の中で少しずつ使い、使った分だけ補充する。それだけです。
この考え方を知ったとき、「それなら、うちでもできそう」と感じました。
わが家では、レトルトご飯や缶詰、カップスープなどを、休日の昼ごはんや「今日はもう疲れて何も作りたくない…」という日に使うようにしています。子どもと「今日は非常食ごはんだね」と笑いながら食べることもあり、思っていたほど特別感はありませんでした。
日常の中で自然に使うようにしたことで、非常食が“管理するもの”から“食べるもの”に変わった感覚があります。
以前は、「これは非常用だから」と手を付けないまま置いていましたが、今は「どうせ食べるなら、今使おう」という気持ちに変わりました。結果として、賞味期限を気にするストレスも減り、「ちゃんと回っている」という実感が持てるようになったんです。
買い足すタイミングを決めた
もう一つ意識したのが、買い足すタイミングをあらかじめ決めることでした。
使ったあとに「そのうち買おう」と思っていると、ほぼ確実に忘れます。これは何度も経験しました。だからわが家では、月に一度のまとめ買いの日に、非常食も必ずチェックするルールにしています。
「今月はレトルトご飯を使ったから、2つ補充しようか」
そんなふうに、家族で軽く話すだけでも意識は続きます。わざわざ防災の日を作らなくても、買い物のついでに確認するだけで十分でした。
この「タイミングを決める」という小さな工夫が、思った以上に効果的でした。迷わない、後回しにしない。それだけで、ローリングストックはぐっと続けやすくなります。
完璧に管理しようとしなくても、暮らしの流れに組み込むだけで、非常食はちゃんと回り始める。今はそう実感しています。
子どもがいる家庭で意識したポイント
子どもが食べられる味かどうか
非常時こそ、「ちゃんと食べられるかどうか」はとても大切だと感じています。いくら保存期間が長く、栄養バランスが考えられていても、子どもが嫌がって口にしなければ意味がありません。
空腹や不安が重なる非常時に、「これイヤ」「食べたくない」となってしまう状況は、できるだけ避けたいですよね。
わが家では、非常食としてストックする前に、必ず一度は普段の食事として出してみるようにしました。子どもが「これおいしい」「また食べたい」と言ったものだけを残し、反応が悪かったものは無理にストックしません。
“非常時に初めて食べるものをなくす”ことが、子どもにとっての安心につながると感じたからです。
実際に食べてみると、味だけでなく、食べやすさや量も見えてきます。「この缶詰は量が多すぎるな」「このスープはこぼしやすいかも」など、使う前には気づかなかったこともたくさんありました。普段から試しておくことで、非常時のイメージがより具体的になります。
家族の会話に防災を混ぜる
防災というと、どうしても堅苦しく感じてしまいがちです。でもわが家では、あえて「防災の話」を特別な時間にはしないようにしています。
たとえば食事中に、「これ、災害のときにも食べるごはんなんだよ」と、さらっと伝えるだけ。それだけで、子どもは「そうなんだ」と興味を示してくれました。
難しい説明やルールは必要ありません。日常会話の延長で防災に触れるだけで、意識は少しずつ育っていくと感じています。
「これがあれば停電のときも安心だね」「水は大事なんだよね」と、何気ない一言を重ねることで、家族みんなの中に防災が自然と根付いていきました。
防災は、怖がらせるものでも、押し付けるものでもありません。暮らしの中で一緒に考えていくもの。そう捉えるようになってから、わが家では非常食や備えの話が、以前よりずっと身近なものになりました。
非常食ローテーションで気持ちがラクになった話
「ちゃんと備えなきゃ」のプレッシャーが減った
以前の私は、「防災は完璧でなければ意味がない」と、どこかで思い込んでいました。水も非常食も、必要な数をきっちりそろえて、期限も管理して…。そう考えるほど、ハードルが上がってしまい、結果的に何も手を付けられなくなっていたんです。
「まだ足りない」「これじゃ不十分かも」と考えてばかりで、気持ちだけが焦っていました。
でもローリングストックを始めてから、その考え方が少しずつ変わりました。
全部が完璧にそろっていなくても、「ちゃんと回っている」「使いながら備えられている」という実感があるだけで、心の余裕がまったく違います。備えが“止まっていない”と感じられることが、こんなにも安心につながるとは思いませんでした。
防災は、一度で完成させるものではなく、暮らしの中で育てていくもの。そう考えられるようになってから、「ちゃんとやらなきゃ」というプレッシャーがすっと軽くなりました。今は、「今できている分で大丈夫」と思えるようになっています。
食品ロスが減った
もう一つ、やってみて初めて気づいたのが、食品ロスが減ったことです。
以前は、賞味期限切れに気づいて慌てて捨てる、ということが何度もありました。そのたびに、「もったいないな」「ちゃんと管理できていなかったな」と、少し自己嫌悪になっていたんですよね。
ローリングストックにしてからは、非常食を普段から食べるようになったので、期限切れで捨てることがほとんどなくなりました。
「どうせ食べるものを、少し多めに置いておくだけ」。その感覚で続けられるのが、私にはとても合っていました。防災のために買ったものが、無駄にならないという安心感は、想像以上に大きかったです。
結果的に、家計にもやさしく、気持ちの負担も減りました。
防災と節約を、無理なく両立できる方法があるんだと知れたことも、ローリングストックを続けてよかった理由の一つです。
これから始める人に伝えたい小さなコツ
一気にやろうとしない
非常食ローテーションを始めようとすると、「あれもこれも見直さなきゃ」と気持ちが先走りがちです。でも、最初から完璧を目指すと、ほとんどの場合は途中で疲れてしまいます。
私自身、「全部入れ替えよう」「きちんと管理しよう」と思った瞬間に、手が止まってしまいました。
だからこそおすすめしたいのは、まず一種類だけから始めることです。レトルトご飯だけ、缶詰だけ、それで十分でした。
“回せた”という小さな成功体験があると、不思議と続けたくなるんです。
一度、「使って、補充する」という流れを体験すると、他の非常食にも自然と意識が向くようになります。無理に範囲を広げなくても、できるところから少しずつ。それが、長く続けるいちばんの近道だと感じています。
目につく場所に置く
非常食を棚の奥や防災リュックの中だけに入れていると、どうしても存在を忘れてしまいます。私も以前は、「ちゃんとしまっておこう」と思うほど、見えない場所に追いやっていました。
その結果、管理する機会自体がなくなっていたんですよね。
そこでわが家では、キッチンの一角に小さな非常食コーナーを作りました。普段使う食品と完全に混ぜる必要はなく、「ここに非常食がある」と分かる場所に置いただけです。
毎日目に入るだけで、「そろそろ使おうかな」「減ってきたな」と自然に意識できるようになりました。
管理を頑張るのではなく、忘れにくい環境を作る。この考え方に変えてから、非常食ローテーションはぐっとラクになりました。
続けるために必要なのは、強い意志よりも、少しの工夫だと実感しています。
まとめ|非常食ローテーションは「日常の延長」でいい
非常食のローテーションは、特別な知識や完璧な計画がなくても、十分に続けられるものだと感じています。防災という言葉を聞くと、「ちゃんとやらなきゃ」「まだ足りないかも」と身構えてしまいがちですが、実際に必要なのは大きな準備ではありません。
非常食ローテーションは、日常のごはんに少し混ぜるだけでいい。それだけで、備えはちゃんと動き始めます。
完璧にそろっていなくても、「使って、補充している」という流れがあれば大丈夫です。非常食が棚の奥で眠ったままになるより、少しずつでも回っているほうが、ずっと安心につながります。防災は、一度で完成させるものではなく、暮らしの中で続けていくものなのだと思います。
もし今、「非常食、ちゃんと管理できていないかも」と少しでも感じているなら、今日できる一歩はとてもシンプルです。
棚にある非常食を一つだけ、いつもの食事で使ってみてください。そして、次の買い物で一つだけ補充する。それだけで十分です。
その小さな行動が、「備えができていない不安」を「ちゃんと回っている安心」に変えてくれます。
あなたのペースで、無理のない形で。非常食ローテーションを、ぜひ日常の延長として取り入れてみてください。













