子どものおもちゃって、片づけても片づけてもすぐに散らかってしまいますよね。私も以前はリビングが毎日カラフルなプラレールとぬいぐるみで埋め尽くされていました。ですが、ある日「子どもが自分で片づけられる仕組み」に変えたことで、あっという間にストレスが減ったんです。
この記事では、散らからないおもちゃ収納のコツと、子どもが自分で片づけたくなる工夫を、わが家の実例を交えてご紹介します。忙しいママ・パパでもすぐ真似できるアイデアばかりなので、今日からスッキリ空間を取り戻しましょう。
目次
おもちゃ収納の基本は「分類」と「定位置決め」

おもちゃが散らかる最大の理由は、子どもが「どこに戻せばいいか」を理解していないことにあります。親が“とりあえず空いている場所”に片づけてしまうと、子どももルールを覚えられません。だからこそ、まずは収納場所の「見える化」から始めるのが効果的です。
分類は“ざっくり”がコツ
細かく分けすぎると、子どもも親も続きません。たとえば、
車・電車のおもちゃ
ブロック系
ぬいぐるみ・人形
工作グッズ
このくらいの“ざっくり分類”で十分です。大切なのは、子どもが自分の感覚で分かる分け方をすること。わが家では「タイヤのあるおもちゃ」「ふわふわのもの」といった感覚的な分類に変えたら、年中の息子もすぐ覚えました。
また、収納ボックスには100円ショップのラベルシールを使い、私がイラストを描いて貼っています。車の絵、ブロックの絵、ぬいぐるみの絵など、文字が読めなくても「これはここ」と直感的に理解できるのがポイントです。子どもが“遊びの延長”で片づけをしてくれるようになります。
定位置を決めて“動線”を意識
どんなにきれいに収納しても、使う場所から遠いと片づけは続きません。おもちゃ収納は、「遊ぶ場所のすぐそば」に置くことが大切です。
わが家では、リビングのソファ横に3段ボックスを設置しています。ソファの前で遊んだら、そのまま横にポン。たったそれだけで、散らかる時間が劇的に減りました。
また、棚の高さも重要です。子どもの手が届く高さにして、下段にはよく使うおもちゃ、上段にはたまに使うものを配置。これだけで「取る→遊ぶ→戻す」が自然な流れになります。動線がスムーズだと、親が声をかけなくても自主的に片づけるようになります。
最後にもうひとつのコツは、「収納量を固定する」こと。ボックスに入りきらなくなったら“何かを減らすサイン”と伝えることで、自然とおもちゃの量をコントロールできます。親子で“おもちゃ会議”を開いて、「これはもう卒業しようか」と話し合うのもおすすめです。
片づけやすさは、子どもの成長を見守る仕組みそのもの。
収納を整えることは、子どもの自立の第一歩にもつながります。
散らからない仕組みをつくる収納アイデア

どんなに整理しても、仕組みが複雑だと長続きしません。子どもが自分で「できる」「わかる」「届く」収納にしてあげることが、散らからない部屋を保つ最大のポイントです。ここでは、実際にわが家で効果を感じた“仕組み化”の工夫をご紹介します。
ボックス収納で“投げ入れ式”に
子どもは細かい仕分けが苦手です。蓋を開けて中身を整えるような収納は、大人でも面倒に感じますよね。そこでおすすめなのが、「投げ入れ式収納」。カゴや布ボックスを使って、ぽんっと入れるだけでOKにしておくと、子どもも片づけを“遊びの延長”でできるようになります。
わが家ではIKEAの布ボックスを使っていますが、見た目もスッキリして圧迫感がありません。ボックスごとにテーマを決め、たとえば「ブロック=青のボックス」「ぬいぐるみ=黄色のボックス」と色分けしています。色の印象で覚えやすく、兄弟それぞれの専用ボックスにすれば、「自分のもの」という意識も育ちます。
また、蓋つきよりもオープンタイプの方が断然ラク。小さな子どもでも片手でポイッと入れられるので、親の「ちゃんと片づけなさい!」という声かけが減ります。
そして何より大切なのは、“完璧”を求めないこと。多少バラバラでも、「ボックスの中に入っていればOK」というルールを決めることで、続けられる収納習慣が身につくのです。
高さの合った棚を選ぶ
もうひとつ見落としがちなポイントが「高さ」。子どもの目線や手の届く範囲に合わせて収納を設置しないと、せっかく仕組みを整えても意味がありません。
特に2~4歳くらいの子どもは、上段の棚に手が届かず、結局床に置きっぱなしにしてしまいがち。わが家では腰の高さほどの3段棚を使い、上段には“飾る系”(絵本やお気に入りのおもちゃ)、下段には“使う系”(ブロック・車・人形)を配置しています。これだけで「どこに戻せばいいか」が自然に分かるようになります。
さらに、低めのベンチ収納を選ぶと、座るスペースにもなって一石二鳥です。絵本を読むときはベンチに座って読めるし、遊び終わったらすぐ片づけ。生活動線に収納を組み込むことで、片づけが“特別な行動”ではなく“当たり前の流れ”になります。
また、棚の中を仕切りすぎないこともポイントです。余裕のある空間を残しておくと、成長に合わせて収納内容を変えやすくなります。おもちゃから文房具、工作キットなどに変化しても、そのまま使い続けられる仕組みが理想です。
子どもが自然と片づけたくなる収納とは、「努力しなくてもできる環境づくり」。手間を減らし、感覚的に分かる仕組みを整えることで、家全体の散らかりを防げます。
インテリアになじむ収納でストレス軽減

おもちゃ収納は、片づけやすさだけでなく「見た目の心地よさ」も大切です。家族が集まるリビングにおもちゃを置くなら、“生活感を隠しながら自然になじむ収納”を意識することで、ぐっと空間が洗練されます。
収納を“子どものためだけの場所”にせず、インテリアの一部としてデザインすること。それだけで毎日の片づけ時間が穏やかになります。
かご・木製ボックスを活用
ナチュラルな素材の収納は、どんな部屋にもなじみやすい万能アイテムです。プラスチックのカラーボックスも便利ですが、木製やラタンなどの天然素材に変えるだけで、ぐっと温かみが生まれます。
私が特に気に入っているのは、無印良品のラタンボックス。おもちゃを詰めても圧迫感がなく、並べてもスッキリ見えます。インテリアを邪魔しないので、来客時も「子ども用品っぽさ」を感じさせません。
さらに、かご収納の良いところは、多少おもちゃを詰め込みすぎても“ごちゃついて見えにくい”点です。ふたを閉じれば一瞬で生活感が消え、部屋全体の印象が整います。見た目がきれいだと、自然と「散らかしたくない」という気持ちも育つんです。これは子どもにも同じ効果があります。整った空間が、片づけ意識を育てるきっかけになります。
また、ナチュラルカラーで統一すると、家具や床色にもなじみやすく、リビング全体のトーンが落ち着きます。素材と色味をそろえるだけでも、インテリアの完成度がぐっと上がります。
見せる収納と隠す収納をバランスよく
おもちゃ収納は「全部隠す」よりも、「見せるもの」と「隠すもの」をうまく組み合わせることがポイントです。
お気に入りの絵本やキャラクターのフィギュアは、あえて“見せる収納”に。棚の上や壁際に少し飾るだけで、子ども自身の「好き」を大切にできる空間になります。私はリビングのオープンシェルフに絵本の表紙を見せて並べ、季節や気分で入れ替えるようにしています。これだけで部屋にちょっとした彩りが生まれ、来客にも好評です。
一方で、細かいパーツの多いブロックやミニカー、工作グッズなどは“隠す収納”にまとめるのが正解。布ボックスや引き出しを活用すれば、出し入れもラクで見た目もスッキリ。
「見せる部分で子どもの世界観を表現し、隠す部分で整える」
このバランスが取れると、子どもの満足感と親の快適さが両立します。
また、棚の中を“半分見せる・半分隠す”ようにデザインすると、急な来客時も慌てずに済みます。上段に見せたいもの、下段に隠したいものを置くと、目線の高さで自然に美しく見えるレイアウトになります。
見た目の整った収納は、心の整理にもつながります。
“片づける”を「心地よく暮らすための習慣」としてとらえることで、家全体の雰囲気が穏やかに変わります。
子どもが片づけたくなる声かけと習慣化

どんなに使いやすく収納を整えても、子どもに「片づけよう」という気持ちがなければ長続きしません。大切なのは、叱って片づけさせるのではなく、“片づけるのが楽しい”と感じさせる工夫です。日々の声かけや小さな習慣づけで、自然に動ける流れをつくりましょう。
「競争」と「ほめる」で楽しく習慣化
子どもにとって「片づけなさい」は命令のように聞こえがちです。でも、「どっちが早く片づけられるかな?」「音楽が終わるまでにできるかな?」と声をかけると、一気にゲームのような空気に変わります。遊びの延長で片づけを楽しめるようになると、自然と自分から動くようになります。
私の家でも、タイマーを30秒にセットして「よーい、スタート!」と声をかけると、子どもは全力で片づけモードに。終わったあとは必ず「わぁ、すごいね!」「こんなに早くできたね!」と一緒に喜びます。すると次の日も「またやる!」と言ってくれるんです。
“叱るより褒める”ことが、継続のいちばんの近道。
完璧じゃなくても「自分で片づけようとした」ことをしっかり認めてあげると、子どもの自己肯定感がぐんと上がります。これが次の行動につながる原動力になります。
また、片づけが終わった後に「ありがとう、助かったよ」と伝えるのも効果的です。“家族の一員として役立っている”という感覚は、子どもにとって大きなモチベーションになります。
夜のルーティンに組み込む
片づけを「思いついたときにやる」ではなく、「決まった時間にやる」に変えると、行動が定着しやすくなります。おすすめは、寝る前の5分間を“お片づけタイム”として固定すること。
我が家では、寝る支度の前に音楽を流して「この曲が終わるまでにおもちゃをお家に戻そう」と声をかけます。BGMが鳴ると自然に動き出すようになり、親が毎回指示を出さなくても片づけが進みます。
また、時間を「短く・楽しく」区切るのがコツです。最初から全部片づけようとせず、今日はブロックだけ、今日は絵本だけ、というように少しずつ範囲を広げていくと無理なく続けられます。
ルーティン化のポイントは“親も一緒に動くこと”。
「ママもやるね」「ここはパパが担当ね」と一緒に行動すると、子どもはまねをして自然と手を動かします。家族みんなで片づけを“チームプレイ”にすることで、楽しい時間に変わります。
日々の片づけ習慣は、最初のうちは根気が必要ですが、子どもが自分で考えて動けるようになると、家庭全体が驚くほどスムーズになります。“やらせる”ではなく“一緒に楽しむ”姿勢が、片づけ上手を育てる第一歩です。
収納スペースが足りないときの工夫

どんなに上手に収納しても、子どもの成長とともにおもちゃはどんどん増えていきます。誕生日やクリスマス、祖父母からのプレゼントなど、気づけば棚に入りきらない量に。そんなときこそ、「収納を増やす前に“量”を見直すこと」が大切です。
無理に詰め込もうとすると、せっかくの仕組みが崩れてしまい、結局また散らかってしまう原因になります。まずは定期的に“おもちゃの棚卸し”を行い、本当に必要なものを見極める習慣をつくりましょう。
棚卸しといっても難しいことはありません。1〜2か月に一度、子どもと一緒におもちゃを見直す時間を設けるだけでOKです。
「最近あまり遊んでいないおもちゃあるかな?」
「これはまだ好き?」
と声をかけながら一緒に整理すると、親子の会話にもなります。子どもが自分で判断できるようになると、ものを大切に扱う気持ちも育ちます。
“お気に入り3選ルール”で取捨選択
おもちゃを減らすとき、いきなり「どれを捨てる?」と聞くと、子どもは不安になってしまいます。そこでおすすめなのが、“お気に入り3選ルール”。
「今いちばん遊んでいるおもちゃを3つ選んでね」と伝えるだけで、自然に優先順位をつけられるようになります。選ばれなかったおもちゃは、クローゼットや押入れに一時保管しておきましょう。数週間経っても「やっぱり出して」と言わなければ、思い切って手放しても大丈夫。
この方法の良いところは、“子ども自身が選ぶ経験を通じて、モノとの関係を学べる”こと。
大人が一方的に片づけてしまうよりも、「自分で選んだ」という納得感が生まれ、無理なく減らせます。
さらに、「減らす」ことにはもうひとつ大きなメリットがあります。
おもちゃが多すぎると、子どもはどれで遊ぶか迷ってしまい、集中力が続きません。
少ないおもちゃに絞ることで、“遊びに集中できるようになる”のです。これは発達心理の面でも効果的で、想像力や創造力を伸ばすきっかけにもなります。
また、減らしたおもちゃをローテーションするのもおすすめ。季節や月ごとに一部を入れ替えるだけで、「新しいおもちゃが増えたみたい!」と子どもも喜びます。結果的に、同じおもちゃを長く楽しめるようになります。
収納スペースが足りないときは、増やすより減らす工夫を。
おもちゃを厳選することで、部屋も気持ちもスッキリします。
“お気に入り3選ルール”を取り入れて、親子で気持ちよく遊べる空間をつくりましょう。
まとめ|「できるだけ簡単に」が続く収納の秘訣
子どものおもちゃ収納は、完璧を目指さなくても大丈夫です。大切なのは、見た目の整いよりも「子どもが自分で片づけやすい仕組み」をつくること。この視点を持つだけで、毎日の片づけが驚くほどスムーズになります。
難しく考えず、「ざっくり分類」「定位置を決める」「投げ入れボックス」の3ステップを意識してみてください。特別な収納グッズがなくても、100円ショップのカゴや段ボールでも十分。子どもが“ここに入れればいい”と分かる環境を整えることが最優先です。
また、収納は一度作って終わりではなく、暮らしの変化に合わせて見直していくもの。成長とともに遊ぶおもちゃが変わるように、収納も少しずつ調整していくのが自然です。おもちゃを減らしたり、棚の位置を変えたり、ラベルを描き直したり――その小さな積み重ねが、片づけ上手な家庭を育てます。
「できるだけ簡単に、無理なく続けられること」こそが、散らからない家のいちばんの秘訣。
今日の5分で、明日のリビングは確実に変わります。完璧を目指すより、まずは“やってみる”の一歩を。子どもと一緒に、楽しく気持ちのいい空間づくりを始めましょう。











