台風が近づくたびに、「もし停電したらどうしよう」と不安になりますよね。
私も子どもが小さい頃は、暗闇や暑さよりも「この状況で家族をどう守ればいいのか」が一番の心配でした。実際に台風で停電を経験してみて分かったのは、特別な防災グッズよりも、普段の生活にあるものがどれだけ役に立つかということです。

この記事では、わが家が台風による停電を経験したときに「これは本当に助かった」と感じた日用品や食品を、体験談ベースで紹介します。これから備えを考える方が、今日から無理なく準備できるヒントになればうれしいです。

台風で停電したとき、まず困ったこと

停電が始まった直後、正直なところ頭が真っ白になりました。
エアコンは止まり、部屋の空気は一気に重たくなる。テレビもつかず、いつも当たり前に流れている音が消えたことで、家の中が異様に静かになります。

子どもはその変化にすぐ気づき、「暗いね」「暑いね」と私の顔を見上げてきました。
このとき一番つらかったのは、私自身が落ち着けていなかったことだと思います。大丈夫だよと言いながら、心の中では「どうしよう」という気持ちが膨らんでいました。

情報が入らない不安

停電中でもスマホは使えます。でも、画面右上のバッテリー表示が減っていくのを見るたびに、焦りが増していきました。
ニュースを見たいけれど、電池を温存したい。調べたいけれど、無駄に使うのが怖い。そんな葛藤が続きます。

「この停電、あと何時間続くんだろう」
「今日はもう復旧しないのかな」

一番知りたいことほど、なかなか分からない。
先が見えない状況が、気持ちを余計に不安定にさせるのだと、このとき実感しました。

子どもの不安が一気に高まる

部屋が暗くなると、子どもの反応は想像以上でした。
普段は平気な夜でも、外は台風、家の中は停電。環境が重なることで、怖さが何倍にもなっていたようです。

「ママ、電気いつつくの?」
「もう寝るの?」

何度も同じ質問を繰り返されるうちに、私自身も余裕がなくなっていきました。
本当は私も分からない。でも、それをそのまま伝えるわけにはいかない。親としてどう振る舞えばいいのか迷う時間が、じわじわと心に負担として残りました。

この経験から、停電のつらさは「不便さ」だけではなく、「気持ちの揺れ」そのものなのだと感じています。

停電中に本当に助かった日用品

停電を経験して強く感じたのは、特別な防災グッズよりも、「普段から家にあるもの」が一番頼りになるということでした。
買い揃えた記憶はなくても、たまたま家にあった日用品が、心と生活の両方を支えてくれました。

懐中電灯と電池式ランタン

スマホのライトはすぐに使えて便利ですが、手に持ち続けなければならないのが意外と不便でした。
トイレに行く、子どもを抱っこする、物を探す。そのたびに片手がふさがってしまいます。

その点、電池式のランタンはテーブルに置くだけで部屋全体をやさしく照らしてくれました。
天井の電気ほど明るくはありませんが、影がやわらぎ、部屋の輪郭が見える。それだけで安心感が全然違います。

とくに印象に残っているのは、明かりがついた瞬間、子どもの表情がふっと緩んだことです。
「まだ大丈夫そうだね」と声をかけられる余裕が生まれ、親子ともに落ち着きを取り戻せました。

ウェットティッシュとポリ袋

水は出ていても、お湯が使えない状況では、洗い物や手洗いが一気に面倒になります。
食事のあと、子どもの手や口を洗えないことが、思っていた以上にストレスでした。

そんなとき、ウェットティッシュがあるだけで本当に助かりました。
手を拭く、口元を拭く、テーブルを軽く拭く。完璧じゃなくても「これでいい」と思えるだけで、気持ちが楽になります。

ポリ袋も、地味ですが欠かせません。
ゴミをまとめる、濡れたものを入れる、使い終わったウェットティッシュを入れる。用途を選ばず使える安心感があり、停電中の小さな困りごとを次々とカバーしてくれました。

停電時は、「これがないと困る」よりも、「これがあるから何とかなる」という感覚が大切だと、このとき実感しました。

食品で「備えてよかった」と感じたもの

停電中に意外と心に響いたのが、食事の存在でした。
お腹を満たすためだけでなく、「ちゃんと食べられる」という事実が、家族の気持ちを落ち着かせてくれたように感じます。停電の不安は、食事の準備ひとつで大きく変わると実感しました。

常温保存できる食品

パンやカップスープ、レトルトごはん。
どれも特別な非常食ではなく、普段から家にあったものです。

火を使わず、そのまま、もしくは簡単な準備で食べられる。
それだけで、「今日はなんとかなる」という気持ちになれました。

冷蔵庫の中身を心配しなくていいこと、調理に頭を使わなくていいこと。
考えることが減るだけで、気持ちの余裕が一気に戻るのを感じました。

「とりあえずこれ食べようか」と言える状況は、非常時において本当にありがたいものです。

おやつと甘いもの

非常時におやつなんて、と思うかもしれません。
でも、子どもにとっては「いつも通り」に近づける大切な存在でした。

「停電だけど、今日は特別ね」
そう言ってクッキーを出したとき、子どもが少し笑ったのを覚えています。

その一瞬で、家の中の空気が和らぎました。
甘いものは、エネルギー補給以上に、気持ちを切り替えるきっかけになってくれます。

大人にとっても、甘い飲み物やお菓子があるだけで、「もう少し頑張ろう」と思えました。

停電中の食事は、栄養や完璧さを気にするものではありません。
「これがあるから安心」「家族で一緒に食べられる」。
その感覚こそが、停電という非日常を乗り切る大きな支えになるのだと思います。

子どもがいる家庭で特に役立った備え

大人だけなら「少し我慢すればいい」と思えることも、子どもがいるとそうはいきません。
怖さ、退屈、暑さ。どれも子どもにとっては大きなストレスになります。停電を経験して感じたのは、「生活を回す備え」だけでなく、「気持ちを守る備え」がとても重要だということでした。

乾電池式のおもちゃや絵本

停電中、テレビも動画も見られない時間は、想像以上に長く感じます。
「何して遊ぶ?」と聞かれても、親の頭も余裕がなく、つい「ちょっと待って」と言ってしまいがちでした。

そんな中で助けられたのが、音が出ないおもちゃや、乾電池式のおもちゃ、そして絵本でした。
とくに、普段あまり出していない絵本を「今日はこれ読もうか」と出したとき、子どもが自然と落ち着いたのを覚えています。

「今できる楽しいこと」が目の前にあるだけで、子どもの不安は驚くほど小さくなる
この感覚は、実際に停電を経験して初めて分かりました。

体を冷やすためのグッズ

夏の台風による停電は、暗さよりも暑さがつらいです。
エアコンが止まり、風も弱い夜は、大人でも消耗しますが、子どもはさらに体力を奪われます。

保冷剤をタオルに包んで首元に当てる、うちわであおぐ。
それだけのことですが、寝苦しさがかなり和らぎました。

「暑い」「眠れない」と何度も起きていた子どもが、少しずつ目を閉じてくれたとき、ほっとした気持ちは今でも忘れられません。

子どもがいる家庭の備えは、「完璧に守る」ことではなく、「不安を減らす」ことだと感じています。
遊べるもの、涼しくなるもの。
ほんの少しの工夫が、停電という非日常の時間を、家族で乗り切る大きな支えになってくれました。

停電を経験して見直した「備えの考え方」

実際に停電を経験してみて、「備え=特別な防災用品を揃えること」だと思い込んでいた自分に気づきました。
もちろん防災グッズは大切です。でも、それ以上に大切だったのは、日常の延長線で考える備え方でした。

特別な防災用品だけに頼らない

防災コーナーで売られているものを揃えると、どこか「これで安心」という気持ちになります。
けれど、停電中に実際に使ったのは、懐中電灯、ウェットティッシュ、ポリ袋、常温食品など、普段から家にあるものばかりでした。

「これ、停電のときどう使う?」
そんな視点で家の中を見直してみると、意外と使えるものがたくさんあります。

非常時の備えは、特別なものより「使い慣れているもの」のほうが迷わず使える
この感覚は、経験して初めて腑に落ちました。

家族で一度話しておく

もう一つ大きかったのが、家族での共有です。
停電した瞬間、誰が何をするか分からないと、それだけで混乱します。

「停電したら、この部屋に集まろう」
「暗いときは、勝手に外に出ないでね」
「これは危ないから触らないよ」

たったこれだけのことでも、事前に話しておくと当日の動きが全然違います。
とくに子どもにとっては、「決まっていること」があるだけで安心材料になります。

備えはモノだけでなく、家族の中の約束も含まれる
そう考えるようになってから、防災への向き合い方が少し変わりました。

完璧な備えを目指さなくても大丈夫です。
まずは、家にあるものを見直し、家族で少し話す。
その小さな積み重ねが、いざというときの落ち着きにつながるのだと思います。

まとめ|台風停電の備えは「日常の延長」でいい

台風による停電は、ある日突然やってきます。
天気予報を見ていても、実際にどの程度影響が出るかは分かりません。だからこそ、完璧な対策を目指すより、「起きても何とかなる状態」を作っておくことが大切だと感じています。

今回の停電を通して強く思ったのは、備えは特別なことではなく、日常の中にすでにたくさんあるということでした。
家にある日用品や食品を、「非常時にも使えるか」という視点で見直すだけで、安心感は大きく変わります。

「これ、停電のとき使えるかな?」
そんなふうに考える時間そのものが、立派な備えです。

今日できる一歩は、本当に小さなことで構いません。
懐中電灯の電池が切れていないか確認する。
常温で食べられる食品を、いつもより少し多めに置いておく。
それだけでも、停電したときの焦りは確実に減ります。

備えは家族を守るための義務ではなく、気持ちを楽にするための工夫
そう考えるようになってから、防災への向き合い方がずっとやさしくなりました。

無理をせず、できることから少しずつ。
家族が不安な時間を少しでも落ち着いて過ごせるように、これからも「日常の延長」での備えを続けていきたいと思います。