家族写真を撮るとき、スタジオに行くのが当たり前だと思っていた私。でも子どもが小さいと、着替えや移動だけでひと苦労。特に下の子がイヤイヤ期のころは、「写真は欲しいのに、スタジオは大変…」と毎年モヤモヤしていました。

そんなときに出会ったのが 家族写真の出張撮影。公園や自宅など“いつもの場所”で撮ってもらうだけで、子どもたちが自然に笑ってくれるんです。撮影料金の仕組み、服装の選び方、当日の流れも意外とシンプルで、もっと早く知りたかったと思うほど。

この記事では、初めて出張撮影を利用する方でも安心できるように、私の体験も交えてわかりやすくまとめました。家族写真を「楽しみながら残したい」と思う方に、きっと役立つはずです。

出張撮影を利用するメリット

自然な笑顔が残せる

スタジオだと「はい、こっち見て〜!」の声かけに子どもが緊張してしまい、ぎこちない表情になりがちですよね。うちの長男もまさにそのタイプで、ライトの眩しさや静かな空気が苦手で、固まったまま動かないこともありました。

でも、公園や自宅での出張撮影だと、気持ちがふっとほぐれる瞬間が多いんです。
歩き慣れた場所、遊び慣れた空間だから、走ったり笑ったり、いつものテンションのまま過ごせる。カメラマンさんも「じゃあ、ちょっと走ってみようか」「お花拾っていいよ〜」と子どもの興味に合わせてくれるので、無理やりポーズを作らせる必要がありません。

ときどきこちらが意図していなかった瞬間の笑顔や、兄弟が自然と手をつなぐ姿を撮ってくれることもあり、出来上がった写真を見たとき、「あ、これが本当の我が家だ」と感じました。
“作られた笑顔ではなく、普段のままの表情を残せる”ことが出張撮影の大きな魅力です。

移動の負担が少ない

子ども連れでのおでかけは、準備と移動だけで大仕事。
特に赤ちゃんがいると、授乳やおむつ替え、ぐずり対策でスケジュールが読めず、スタジオの予約時間に合わせるのがプレッシャーになることもあります。

出張撮影なら、
・自宅近くの公園
・いつも遊んでいる広場
・自宅のリビング
など、家族にとって負担の少ない場所を選べます。
家で支度してそのまま玄関から撮影場所へ向かえるので、出発前の「早くして!間に合わない!」という焦りも減ります。

我が家は下の子がまだ小さい時期に出張撮影を利用したのですが、途中で眠くなってしまっても「少し寝かせて、あとで撮りましょう」と柔軟に対応してもらえました。スタジオでは難しい“子どものリズムに合わせた撮影”ができるのは、かなり助かります。

家族全員そろった写真が撮れる

普段の写真を振り返ると、どうしてもパパかママ、どちらかが写っていない…ということが多くありませんか?私もスマホのカメラロールを見て、「あれ、夫との家族写真がほとんどない!」と気づいたことがあります。

出張撮影では、
・抱っこして歩く後ろ姿
・子どもを囲んで笑っている瞬間
・夫婦で子どもを見つめる柔らかい表情
・家族全員で手をつないで歩く姿
など「第三者がいないと撮れない写真」をたくさん残せます。

特に、子どもと遊んでいる自然なショットは親が自分で撮るのが難しいもの。
カメラマンさんは「今いい光ですね」「そのまま歩いてみましょう」と声をかけながら、家族の空気感まるごと切り取ってくれます。

仕上がった写真を見て、「こんなふうに見えていたんだ」と客観的な視点で家族を感じられるのも嬉しいポイント。
家族全員がそろった“今この時期だけの姿”を残せるのは、出張撮影ならではです。

出張撮影の料金相場と選び方

一般的な料金相場

出張撮影の料金は「サービスの規模」「カメラマンのスキル」「撮影エリア」によって変わりますが、初めて利用する場合の基準としては下記が目安になります。

  • 平日:12,000〜20,000円

  • 土日祝:18,000〜30,000円

  • 納品枚数:50〜150枚前後

  • 撮影時間:60〜90分ほど

平日の方が安い理由は、予約が集中しやすい土日祝との差をつけているためです。もしスケジュールの調整ができるなら、平日撮影はかなりお得になります。

また、料金ページを見ると「基本料金だけを見ると安いのに、追加料金で高くなってしまう」というケースも珍しくありません。
追加費用として多いのは以下の項目です。

  • 出張費(遠方の場合)

  • 納品枚数の追加

  • 家族人数の追加

  • レタッチ(補正)の追加

  • 雨天延期の料金調整

特に出張費は「自宅から〇kmまで無料」「市内は無料」など、カメラマンごとにルールが違います。
申し込みの前に“合計でいくらになるか”を確認しておくことが安心につながります。

カメラマンの選び方

料金ももちろん大切ですが、同じくらい大切なのが「相性」です。家族写真は“空気感”が写るので、カメラマンとの距離感や雰囲気が仕上がりに大きく左右されます。

選ぶときのチェックポイントは次の4つです。

1. 写真の雰囲気が好みに合っているか

ポートフォリオを見て、
・明るめでふわっとした雰囲気
・ナチュラルで生活感のある写真
・ドラマチックな逆光ショット
など、自分の好みと合っているか確認します。
「この写真好きかも」と直感的に思えるかどうかも大きなヒントになります。

2. 子どもの扱いに慣れているか

小さな子どもは気分の波が大きいもの。ベテランのカメラマンさんは、
「少し休憩しましょうか」
「走ってみてもいいよ〜」
など、子どものリズムに寄り添ってくれます。
口コミの中に「子どもがすぐ懐いた」「泣いたときの対応が優しかった」という声があると安心材料になります。

3. 口コミの内容をチェック

評価の高さだけでなく、どんな人がどんな感想を書いているかも重要です。
「仕上がりが素敵だった」だけでなく、
・連絡のやり取りが丁寧だった
・撮影当日の流れがスムーズだった
・家族全員が自然に写っていた
など、実際の体験に近い声が参考になります。

4. ポートフォリオで世界観を確認

同じ料金でも、カメラマンによって得意なスタイルがかなり違います。
公園写真が得意な人もいれば、室内の写真がふんわり美しい人もいて、「この人に撮ってもらいたい!」と思える視点が必ずあります。

私は依頼前に、必ずチャットや通話で少し話すようにしています。
短いやり取りでも、
・質問の返し方
・言葉づかい
・対応の丁寧さ
が伝わるので、当日の安心感が全く違います。

家族写真は“人に撮ってもらう”時間だからこそ、料金だけでなく相性も大切にすることが失敗しないコツです。

出張撮影におすすめの服装

家族で“ゆるく色をそろえる”と統一感が出る

出張撮影の服装でまず意識したいのが「色合わせ」です。
家族みんながバラバラの色を着ていると、写真の中で視線があちこちに散ってしまいますが、「白×デニム」「ベージュ系でまとめる」など、ベースカラーをそろえるだけで一気に“ちゃんとして見える”仕上がりになります。

とはいえ、全員おそろいのTシャツを用意しなくても大丈夫。
ママは白ブラウス、パパは白ニット、子どもは白Tシャツにデニム…のように、手持ちの服の中から近い色を選ぶだけで統一感は出せます。
そのうえで、主役にしたい子どもだけ少し明るい色(くすみイエローやライトブルーなど)を取り入れると、写真全体がふんわりまとまって見えます。

「ベースカラーを家族でそろえつつ、子どもだけ少しだけアクセントカラーを足す」くらいの“ゆるいリンクコーデ”が、自然で写真映えするバランスです。

ロゴや絵柄は控えめに

子ども服はキャラクターや大きなロゴ付きのものが多くて、つい選んでしまいますよね。日常使いならとても可愛いのですが、写真になるとそのロゴだけが目立ってしまい、せっかくの家族写真の雰囲気が崩れてしまうこともあります。

特に、家族の中でひとりだけ派手なロゴ入りだと、視線がそこに集中してしまいがちです。
出張撮影の日だけは、なるべく無地か、小さめの柄(細かいチェックやドットなど)を選ぶと安心です。
「わざわざ新しい服を買うのはちょっと…」という場合でも、クローゼットの中から
・シンプルなニット
・無地のTシャツ
・落ち着いたワンピース
などを探してみると、意外と使える服が見つかります。

服そのものよりも“家族の表情や空気感”を見てもらいたいので、洋服は少し控えめなくらいがちょうどいいです。

季節に合わせて小物をプラス

同じ服装でも、季節の小物を足すだけで、写真にストーリーが生まれます。

  • 春:帽子、花束、カーディガン
    → 桜の下で、子どもが小さな花束を持っているだけで「春らしさ」が一気にアップします。

  • 夏:麦わら帽子、サンダル、かごバッグ
    → 日差しの中での撮影には、影ができて顔を守る役割も。海辺や公園にもよく合います。

  • 秋:ニットベスト、チェック柄ストール、落ち葉を手に持つ
    → 落ち葉を拾って投げたりするシーンは、遊びながら自然な笑顔を引き出しやすいです。

  • 冬:マフラー、手袋、ニット帽
    → ぬくもりのある小物が加わるだけで、寒さも「家族で寄り添う」雰囲気に変わります。

小物は、色を服と合わせるとごちゃつきにくくなります。
たとえばベージュ系コーデなら、麦わら帽子やかごバッグも同系色にすると統一感が出ますし、白×デニムなら、赤いマフラーをポイントにしてもかわいいです。

季節感のある小物をひとつ加えるだけで、「いつ・どんな気候の中で撮った写真なのか」が伝わり、アルバムを見返したときの思い出もぐっと鮮やかになります。

出張撮影当日の流れ

1. カメラマンと合流・簡単な打ち合わせ

撮影場所に到着したら、まずは軽い挨拶からスタートします。
この時点で、「今日はよろしくお願いします」と一言交わすだけで場の空気がふっとやわらぐのを感じます。

そのあと、カメラマンさんが撮影イメージについて丁寧にヒアリングしてくれます。
・家族全員の写真を中心に撮りたいのか
・子どもの自然な表情を多めに残したいのか
・走る姿・抱っこのショットを入れたいか
など、細かな希望を共有する時間です。

こちらのリクエストだけでなく、カメラマンさんの方から「こんな場所でこういう写真も撮れますよ」と提案してくれることもあり、想像が一気に膨らんでいきます。

最初の打ち合わせがスムーズだと、その日の撮影全体がリラックスした空気で進みます。

2. 子どものペースで撮影スタート

出張撮影の大きな魅力は、“時間に追われず、子どものペースで進められる”ことです。
子どもが少し緊張している様子なら、カメラマンさんがおもちゃや落ち葉を使ったり、小さな会話を挟んで緊張をほどいてくれます。

泣いてしまったり、ぐずってしまっても大丈夫。
「じゃあちょっと休憩しましょうか」と柔軟に調整してくれるので、私たち親も安心していられます。
赤ちゃんの場合は、抱っこしたまま撮ったり、ベビーカーに乗っている姿を撮ったり、自然な形で進めてもらえるのがありがたいところ。

撮影中は、子どもが走ったり、しゃがんで葉っぱを拾ったりと、遊びながら撮れるので、写真というより散歩の延長に近い感覚です。
そのリラックスした雰囲気が、仕上がりにもそのまま写ります。

3. 家族ごとの自然なショットを撮影

家族写真というと、つい「みんな前を見てニコッと」したくなりますが、出張撮影ではもっと幅の広い“日常の一コマ”が残せます。

・パパが子どもを高い高いしている姿
・ママと手をつないで歩く後ろ姿
・兄弟でじゃんけんをして遊んでいる瞬間
・夫婦が子どもを見守ってふっと笑う表情

こういった自然なシーンは、自分たちで意図して作ろうとすると難しいものですが、カメラマンさんはその一瞬を逃しません。

「今のお顔かわいいですね」
「そのままちょっと歩いてみてください」
「次はここで座ってみましょうか」

そんな優しい声かけがあるので、私たちも構えすぎず、気づくと自然と笑っている自分がいました。
“みんなで撮られる”のではなく、“みんなで楽しむ”時間になるのが出張撮影の良さだと思います。

4. 撮影終了・データ納品

ひと通り撮り終わったら、「今日はありがとうございました」とお互いに挨拶して撮影終了です。
時間はだいたい60〜90分ほどですが、遊びながら進むので、あっという間に感じます。

データは多くのカメラマンさんが
・数日〜2週間程度
・オンラインアルバムで納品
という形が一般的です。

データが届いた瞬間、「こんな表情してたんだ!」という気づきがあったり、家族で写真を見ながらその日の話をする時間もまた楽しいもの。
お気に入りの写真をプリントして飾ったり、祖父母へのプレゼントにしたりと、楽しみ方も広がります。

納品された写真を見てその日の空気まで思い出せるのが、出張撮影の魅力のひとつです。

出張撮影を成功させるためのコツ

撮影場所は“子どもが好きな場所”にする

出張撮影の魅力は、スタジオではなく “家族にとって意味のある場所” を選べることです。
だからこそ、どこで撮るかは仕上がりに大きく影響します。

たとえば、いつも遊んでいる公園なら子どもがすぐに慣れて走り出してくれますし、ブランコや滑り台があると「遊びながら撮れる」自然なショットが増えます。
季節の花が咲いている公園や、緑の多い広場も写真映えしやすい場所です。

また、赤ちゃん連れなら自宅リビングや庭での撮影もおすすめです。
見慣れた空間だから親も子も落ち着いて過ごせますし、授乳やおむつ替えの心配もありません。私自身、下の子がまだ小さい時期にリビングで撮影してもらったことがあり、そのときは家族全員がいつもの雰囲気で写っていて、とても気に入っています。

子どもが安心していられる場所を選ぶことが、自然な表情を引き出す一番の近道です。

撮影時間は午前〜夕方の明るい時間帯

屋外の写真は、光の当たり方で仕上がりが大きく変わります。
自然光が柔らかい時間帯、特に午前中は子どもの機嫌が比較的安定していることが多く、撮影に適しています。

  • 午前中(9〜11時):柔らかい光+子どもの元気な時間帯

  • 午後(15〜17時):いわゆる“ゴールデンアワー”で、写真がドラマチックに仕上がる時間

夏場は日差しが強いため、木陰を使ったり、時間をずらして夕方を狙ったりすると快適に撮れます。

撮影時間は、
・子どもの睡眠時間
・お昼ごはんのタイミング
・習い事や外出の予定
など、家庭のリズムに合わせて調整するのが一番。

撮影前に少しおやつを食べたり、お気に入りのおもちゃを持っていくのも、ぐずり防止に役立ちます。

“完璧を求めすぎない”ことも大事

家族写真となると、「この服で」「このポーズで」「この表情で」とあれこれ準備したくなりますよね。でも、子どもは思いどおりにいかないもの。
走り出してしまったり、急に機嫌が変わったり、抱っこから降りたくなかったり…。

そんな“予定外の瞬間”が、実はとびきり素敵な1枚になったりします。

カメラマンさんは「今の可愛いですね!そのままで大丈夫ですよ」と柔らかく声をかけてくれるので、私たち親も肩の力が自然と抜けていきます。
子どもが泣いたり、笑ったり、甘えたりする姿こそ「その時期の我が家らしさ」なので、それを大切にできるのが出張撮影のよいところ。

家族写真は“上手に撮る”より“楽しく過ごす時間”のほうがずっと価値があると私は思います。

気持ちに余裕があると、表情や空気感にもその穏やかさが写り込み、写真が一段と温かく仕上がります。

まとめ|次の記念日に“出張撮影”を検討してみよう

出張撮影は、家族に無理をさせず、ありのままの姿を残せる写真のかたちです。
スタジオのようにかしこまる必要がなく、公園や自宅といった“いつもの場所”だからこそ、子どもが自然に笑ってくれる。その結果、家族みんなが力を抜いて楽しめる撮影時間になります。

さらに、移動の負担が少ないのも大きなメリット。
赤ちゃん連れでも、長時間の移動や予約時間に追われる心配がなく、その日の体調に合わせて柔軟に進められます。料金の目安や服装のポイント、当日の流れを事前に知っておけば、初めてでも不安はぐっと減ります。

そして何より、写真として残ったときに実感するのは、「この瞬間を撮っておいてよかった」という気持ち。
家族写真は、未来の自分たちに向けた“贈り物”でもあります。
忙しい毎日の中で見逃しやすい“家族の今”を、やわらかく、確かな形で残せるのが出張撮影の一番の魅力です。

まずは今日、気になるカメラマンを一人だけチェックしてみてください。
口コミや写真の雰囲気を眺めてみるだけでも、「こういう写真を撮りたいな」というイメージが自然と湧いてきます。それだけで、「今年の家族写真どうしよう?」という漠然とした悩みが、少し前向きなものに変わるはずです。

あなたのご家庭の大切な時間が、未来にそっと寄り添う“宝物”のような一枚として残りますように。