「そろそろトイレトレーニング…でも、いつから始めるのがいいんだろう?」と、わが家でも何度も夫婦で話し合いました。2歳前になると周りの子が始めている話もよく聞くし、保育園の先生からも「少しずつ練習していきましょうね」と声をかけられたりして、なんとなく焦ってしまう気持ちもありますよね。

でも実際に進めてみて感じたのは、「月齢より、その子の準備が整っているかどうか」が何より大事だということでした。この記事では、私が実際に試した方法や、家庭で無理なく進めるコツをまとめています。トイレトレーニングのタイミングに迷っているママ・パパの参考になればうれしいです。

トイレトレーニングはいつから始める?一般的な目安

トイレトレーニングを始める時期は、一般的に「2歳前後」と言われることが多いですが、実際のところ家庭や保育園の環境によって大きく変わります。早ければ1歳半から興味を示す子もいれば、3歳頃にぐっと進む子もいます。

わが家でも「同じ月齢の子がもうできてるらしい」と聞くたびに、心のどこかで焦りを感じることがありました。でも保育園の先生から「月齢よりも、“その子なりの準備”が整っているかが大事ですよ」と言われた瞬間、肩の力がふっと抜けました。
トイレトレーニングにおいて、始めるタイミングを見極めることは成功率を大きく左右します。

トイレトレーニングを始めるサイン

おしっこの間隔が2時間くらい空く

おしっこがある程度まとまって出るようになると、膀胱の機能が少しずつ整ってきた証拠です。
オムツ交換のたびに時間をざっくりメモしておくと、子どもの“リズム”がつかみやすくなります。これが分かるだけでも、トイレに誘うタイミングが格段に合わせやすくなります。

自分でズボンを上げ下げしようとする

完璧にできなくても「自分でやりたい」という気持ちがあれば十分。
この“自立心の芽生え”がトイレトレーニングでもそのまま力になります。ズボンが上げにくい素材だと成功のハードルが上がるので、脱ぎやすい服を用意してあげるとスムーズです。

おしっこやうんちが出たことを言葉や仕草で知らせられる

これは大きなサインです。
まだうまく話せなくても、オムツを触ったり、特有の顔をしたり、モジモジしたりと“いつもと違う仕草”があればOK。
特に、自分から「出た」と伝えられるようになった段階は、トイレトレーニングが進みやすい大きなチャンスです。

トイレトレーニングは月齢で決めるものではなく、「その子の準備がどれくらい整っているか」によって進み方が変わります。
周りと比べるとどうしても気になってしまいますが、子どもは本当に一人ひとりペースが違います。
焦らず、少しずつサインを見つけながら、その子に合ったスタートを切ってあげてくださいね。

始める前に整えておきたい家庭の“準備”

トイレトレーニングは、実際に始める前の「下準備」がとても大切です。
子どもがトイレに対してポジティブなイメージを持ち、「座ってみたい」「やってみたい」と思えるようになるだけで、最初の一歩がぐっと軽くなります。
わが家でも、この準備期間をしっかり取ったおかげで、最初の「イヤ!」がほとんどありませんでした。

トイレに慣れるための環境づくり

トイレは、子どもにとって「知らない空間」。
響きや匂い、狭さや便器のサイズなど、大人が思う以上に怖く感じることがあります。だからこそ、安心できる“自分の場所”に変えてあげることが重要です。

子どもが安心できるトイレの工夫

  • 子ども用補助便座や踏み台を置き、落ちる不安をなくす

  • 明るい照明にして影を減らす

  • 好きなキャラのシールや小物を置いて「自分だけの空間」にする

  • 親がお手本を見せて、自然と流れを覚えられるようにする

わが家の場合、補助便座に好きなキャラクターのシールを貼っただけで、急にトイレに座るのが楽しみになった様子でした。
子どもは“かわいい”“好き”という感情から行動が大きく変わるので、環境づくりの効果はかなり大きいです。

特に、「怖い場所」から「安心できる場所」へ変えることがスムーズなスタートの鍵になります。

生活リズムの調整

トイレトレーニングは「タイミング勝負」と言っても過言ではありません。
生活リズムが整っているほど、おしっこが出やすい時間が把握しやすく、成功体験が積み重ねやすくなります。

リズムを整えるポイント

  • ご飯・お昼寝・お風呂の時間をできるだけ一定に保つ

  • 朝起きた直後、食後、外出前後など“出やすい時間”を把握する

  • 長時間の外出が続く週はトレーニング開始を遅らせる

共働き家庭では、平日は忙しく、休日にだけ頑張ると“振り出しに戻る”ことが多くなります。
そんな時期に無理して始めてしまうと、親も子も疲れてしまいますよね。
だからこそ、家庭の状態に合わせて「今じゃないかも」と一度立ち止まる判断も立派な準備の一つです。

生活リズムを整えながら、おしっこの間隔や子どものサインを観察する期間は、後の成功につながる大事なステップ。
無理なく続けられる環境を整えてから取り組むことで、ストレスがぐっと減りますよ。

具体的な進め方|最初の1週間がいちばん大事

トイレトレーニングは「最初の1週間」をどう過ごすかで、その後の流れが大きく変わります。成功よりも失敗が多くて当然ですが、この期間に“習慣の種”を植えておくことで、2週目・3週目がぐっと楽になります。
わが家でも、最初の数日は「今日も失敗か〜」と落ち込む瞬間がありましたが、振り返るとここが大きなターニングポイントでした。

ステップ1:声かけからスタート

いきなり「トイレ行こう!」ではなく、まずは日常の中で軽い声かけを続けることから始めました。

  • 「おしっこ出た?」

  • 「トイレ行ってみる?」

  • 「座るだけでいいよ〜」

声かけを習慣にすることで、子どもが“トイレ”という言葉を自然に受け入れられるようになります。
最初は「やだ!」と強い拒否反応があっても、毎日続けているとその声かけが当たり前の環境になり、徐々に興味を示すようになります。

特に、最初のハードルを「座るだけ」に下げてあげることが、親子のストレスを大きく減らすコツでした。

ステップ2:タイミングを合わせて座らせる

トイレトレーニングは“タイミング”が本当に大事。
子どもがおしっこをしやすい時間帯に合わせて座らせると成功率が上がり、「できた!」という達成感を早く味わわせてあげられます。

代表的なタイミングは次の4つ。

  • 朝起きたあと

  • 食事のあと

  • お風呂の前

  • 外出前後

この時間帯は体のリズム的にも狙い目で、わが家でも一番成功率が高かったのは朝いちばんでした。
朝の成功体験は、子どもにとっても親にとっても“大きな自信”につながり、その日1日がスムーズに進むきっかけになります。

また、「今日は出なかったね」「座れたね」など、小さな行動も肯定してあげると、座ること自体が嫌がられにくくなります。

ステップ3:失敗しても絶対に怒らない

トイレトレーニングで必ず訪れるのが「床でジャー」の瞬間。
最初は心の準備ができていなくて、どうしても「わっ!」と声が出そうになりますよね。
でもここで怒ってしまうと、子どもは「トイレ=怒られる場所」「おしっこ=悪いこと」と感じてしまいます。

わが家では、
「濡れちゃったね。着替えようか」
と淡々と対応するようにしました。

子どもの表情を見ると、不安そうにこちらを見ていることも多く、「怒られない」と分かるだけで次のチャレンジがしやすくなります。

特に、“失敗=成長の一部”と受け止める親の姿勢は、子どもの安心感とトレーニングの継続に直結します

失敗は何度あっても大丈夫。
大切なのは、その後にどう寄り添うか。
この姿勢が、最初の1週間を乗り越える原動力になります。

うまくいかないときに見直すポイント

トイレトレーニングは、順調に見えていても突然うまくいかなくなる時期があります。
「昨日はできたのに、今日は全部ダメ…」と落ち込むこともありますよね。
でもこれは珍しいことではなく、ほとんどの家庭で起きる“成長のステップ”のひとつです。
大切なのは、原因を責めるのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、状況を一緒に整理していくことです。

見直しポイント1:タイミングが急ぎすぎていないか

忙しい日のスケジュールに合わせて「今行っておかないと!」と急かしてしまうと、子どもは敏感に空気を読み取ってしまいます。
トイレトレーニングには、気持ちの余裕が欠かせません。
親が慌ただしいと、子どもも落ち着かず、成功しにくくなります。

  • 朝の準備でバタバタしていないか

  • 食事やお昼寝の時間がずれて疲れていないか

  • 外出予定を詰め込みすぎていないか

ちょっとしたズレが積み重なるだけでも、トイレへの意欲が下がることがあります。
特に、いつもより機嫌が不安定な日は“無理に誘わない”という選択肢もとても大切です。

見直しポイント2:声かけが増えすぎていないか

がんばってほしい気持ちが強いほど、「トイレ行こうね?」と何度も言いたくなってしまいますよね。
しかし、声かけが多すぎると、子どもにとってはプレッシャーに感じることもあります。

  • 「また言われた…」とイヤイヤが強くなる

  • わざと拒否反応を見せる

  • 甘えたい気持ちが優先される

子どもは自分のペースを大切にしたい生き物です。「できる日」と「できない日」があるのも当たり前。
だからこそ、必要以上に口数を増やさず、「座れただけでOK」「行きたくない日は無理しない」というゆとりが、長期的には一番の近道でした。

特に、親の“待つ姿勢”が安心につながり、子どもが自分で行きたくなるきっかけを作ります

見直しポイント3:環境が変化していないか

トイレトレーニングが急に停滞する原因として多いのが「環境の変化」。
子どもの世界は大人が思う以上に繊細で、少しの変化でも心が揺れやすくなります。

  • 保育園で新しいクラスに進級

  • 家族の体調不良や入院

  • 下の子の誕生で甘えたい気持ちが強くなる

  • 引っ越しや生活リズムの変化

こうした出来事があると、一時的に後戻りするのはよくあること。
むしろ、その期間に「甘えたい気持ちを満たしてあげること」が、再スタートの大きな力になります。

たとえば、抱っこが増えても全然OK。
「ママ(パパ)は味方だよ」という安心感が戻ってくると、自然とトイレへの意欲も復活してきます。

トイレトレーニングがうまくいかないときは、失敗そのものではなく「背景で何が起きているか」に目を向けることが大事です。
焦らず、一つずつ丁寧に見直していけば、また必ず前に進んでいきますよ。

親の心構え|“できた!”を一緒に喜ぶ気持ちがカギ

トイレトレーニングは、子どもだけでなく親にとっても大きなステップ。
「昨日はうまくいったのに、今日は全部ダメ…」という日が続くと、大人の方が先に心が折れそうになることもありますよね。

私自身、何度も「今日は全敗だったな…」とため息をついた日がありました。それでも、たった一度でも成功したときの“あの瞬間”は、本当にすべてを上書きしてくれるような嬉しさでした。
娘と目を合わせて思わずハイタッチしたあの感覚は、今でも鮮明に覚えています。

親が意識したいポイント

トイレトレーニングはスキルではなく、「心の成長」とセットで進んでいきます。
だからこそ、親の心構えが子どもの安心感に直結し、結果として成功の近道になると感じています。

成功したら「できたね!」としっかり褒める

最初はたとえ“偶然の成功”でも構いません。
うまくできた瞬間にしっかり認めてあげると「トイレって嬉しいことなんだ」と感じられ、次のチャレンジにつながります。
小さく頷いてくれたり、笑顔になったり、その反応を見るだけで親の方が励まされることも。

失敗しても責めず、ただの“成長の途中”として受け止める

失敗そのものよりも、その後の大人の反応を子どもは敏感に感じ取ります。
濡れてしまっても「着替えようね」と淡々と声をかけるだけで十分。
特に、“失敗=ダメなこと”ではなく“学びの過程”と捉えてあげることが、子どもの安心感と挑戦する力につながります

楽しめる仕掛けを作る

トイレに行けたらシールを貼る、カレンダーに丸をつけるなど、目に見えるご褒美は子どものモチベーションになります。
わが家では「トイレできたシール帳」を作ったところ、娘の方から「シール貼りたい!」と言い出すようになり、自然と行動が変わりました。
ゲーム感覚で取り組めるようになると、親もつい笑顔が増えていきます。

“おおらかさ”がトレーニングを支える

トイレトレーニングは、親子の根気が必要な取り組みです。
でも、成功と失敗を繰り返す中で、子どもは確実に前へ進んでいます。
たとえ数日後戻りしたとしても、積み重ねた経験は決して無駄にはなりません。

「うちの子、できるかも」
そう思える“おおらかな気持ち”が、親の余裕にもつながり、結果的に子どもの自信を支えてくれます。

焦らず、怒らず、喜びは大きく。
これが、親にできる一番のサポートかもしれません。

まとめ|子どものペースを信じて、できる準備から始めてみよう

トイレトレーニングは、「何歳になったから始めなきゃ」というものではありません。
周りのペースと比べてしまうこともありますが、本当に大切なのは“その子がどこまで準備できているか”という一点です。子どもが安心して、興味をもって挑戦できる環境さえ整っていれば、スタートのタイミングは自然と見えてきます。

生活リズムを安定させる、トイレを怖がらない空間にしてあげる、声かけの頻度を調整する…。どれも小さな工夫の積み重ねですが、これが後の成功にしっかりつながっていきます。
特に、親が穏やかな気持ちで見守れる環境を作ることは、トイレトレーニングの何よりの土台になります。

一度でうまくいく日ばかりではなくても大丈夫。子どもは、小さな成功と失敗を繰り返しながら、自分のペースで確実に前に進んでいます。
今日は「座れた」、明日は「数秒座れた」、その次は「少し出た」。その一歩一歩がしっかり成長の軌跡です。

今日からできる工夫をひとつだけ取り入れてみる――それだけで、親子のトイレ時間が少しやさしく、少し前向きになるはずです。
焦らず、比べず、ゆっくりと。親子で一緒に進んでいけるトイレトレーニングになりますように。