「もうイヤ!」「ちがうの!」「ママやだ!」
毎日くり返される“イヤイヤ”の嵐に、心が折れそうになったこと、ありませんか?私はまさにその真っ只中で、「うちの子だけ?」「私の対応が悪いの?」と自分を責めていた時期がありました。
でも、イヤイヤ期って実は子どもの成長にとって大切なプロセスなんですよね。そうは言っても、親としては毎日の対応にぐったりしてしまうのも現実。この記事では、私が実際に試してよかったイヤイヤ期の乗り越え方や、夫との協力体制の作り方、心の保ち方まで、リアルな体験をもとにお伝えします。
目次
イヤイヤ期ってなに?成長の証としての「魔の2歳児」
「自分でやりたい!」の始まり
うちの子が2歳になったころ、それまで素直に動いてくれていたのに、急に「イヤ!」ばかり言うようになって、正直すごく戸惑いました。朝起きてすぐの着替えもイヤ、ごはんもイヤ、お風呂もイヤ、果ては「ママもイヤ!」なんて言われることもあって、内心けっこうショックを受けていました。
でもいろいろ調べたり、育児書や子育て支援センターで話を聞いたりして、ようやくわかってきたことがあります。
それは、この“イヤイヤ”は、子どもの中で「自分でやってみたい!」という気持ちが芽生え始めたサインだということ。つまり、自我の発達が始まり、周りに流されるだけの赤ちゃん時代から、自分の意思を持つ幼児へと成長していく過程なんですよね。
たとえば、服を着せようとすると「ちがうの!」と怒ったり、スプーンで食べさせようとすると「自分でやる!」と手をはねのけたり。大人から見ると「なんでそんなことで怒るの?」と思ってしまいがちだけど、子どもにとっては「自分で決めたい」「自分でやりたい」の真剣な意思表示だったりします。
それが“イヤ!”という強い言葉になって表れているだけで、決して悪意があるわけじゃないんですよね。
…とはいえ、わかっていてもつらいのが本音なんですけど(笑)。
正常な発達段階だとわかっていても…
「イヤイヤ期は成長の証」「誰もが通る道」とはよく言われます。でも、実際にその真っ只中にいる親としては、そんなふうに冷静に受け止められないことも多々ありますよね。
特にうちでは、朝の登園準備が本当に大変で。時間がない中で「靴下イヤ!」「ズボン違う!」「保育園行かない!」と泣き叫ばれると、私もだんだん心に余裕がなくなってきて…。
最初は「どうしたのかな?」とやさしく声をかけていても、繰り返されるとこちらもだんだんイライラしてきて、「もういいかげんにして!」と怒ってしまうこともありました。
そしてそのあと、ひとりになった車の中で自己嫌悪…。
「また怒っちゃった」「あの子は悪くないのに」と涙が出てくることも何度もありました。
「成長の一環」と頭では分かっていても、感情が追いつかない。
毎日の積み重ねで、こちらの心がすり減ってしまう。
それが、イヤイヤ期を過ごす中で一番しんどい部分だった気がします。
私が試して効果を感じた「イヤイヤ期」対処法
1. 選ばせてあげる
「服着ない!」「違うのがいい!」「それイヤ!」
朝の身支度が、まるで戦場のように感じられることがありました。私の声かけに反応するどころか、床に寝そべってジタバタしたり、逃げ回ったり…。正直、時間との戦いの中で、何度心が折れそうになったかわかりません。
そんなある日、ふとネットで見かけた「子どもに選ばせる」という方法を試してみたんです。
「じゃあこの青い服と赤い服、どっちがいい?」と2択を提示してみたところ、泣き叫んでいた息子が、少し考えて「こっち」と指差して、自分から着替えてくれたんです。
拍子抜けするくらい、あっけなく進んだあの瞬間。「え、これでよかったの?」と驚きました。
それ以来、服やおやつ、お風呂のおもちゃなど、いろんな場面で“選ばせる”という手段を取り入れています。
もちろん、うまくいかない日もあるけれど、「全部親が決める」よりずっとスムーズ。イヤイヤの裏には、「自分で決めたい!」という小さな自立心が隠れているんだなと感じるようになりました。
子どもが選べる範囲をこちらで用意して、その中で決めさせる。ちょっとした工夫ですが、我が家ではかなり効果がありました。
2. イヤイヤの背景を考える
「おやつ、投げないで!」「なんでそんなことするの?」
つい咄嗟に叱ってしまったその日、私自身も疲れていて、余裕がありませんでした。
息子はその日、お昼寝の時間が短くて、さらにおやつの前に大好きな遊びを中断されていました。
今思えば、眠気・空腹・不満が重なって、爆発したんだと思います。
イヤイヤの行動って、表面だけを見ていると「ただのわがまま」と受け取ってしまいがち。でも少し落ち着いて振り返ると、「そうか、眠かったんだな」「お腹すいてイライラしてたのかも」と、納得できる理由が見つかることも多いんですよね。
それに気づいてからは、息子のイヤイヤが始まったとき、「今日は昼寝ちゃんとできた?」「ごはんの時間、遅くなってない?」と、まずは環境を思い出すようになりました。
親が“背景”に目を向けると、心の余裕が生まれます。
怒りに任せて反応するよりも、「あ、こういう日なんだな」と受け止められると、こちらの声かけも自然とやわらかくなって、子どもの反応も変わってくるんですよね。
3. 無理に抑え込まない
私も最初の頃は、「泣きやませないと」「わがままは許しちゃダメ」と思い込んで、泣いている息子を無理に抱っこして連れて行ったり、声を張り上げて「早くしなさい!」と怒鳴ったりしていました。
でも、そのたびに状況は悪化。大声で泣き叫び、さらに手がつけられなくなってしまうことも多くて…。
「なんでうまくいかないの?」「私の育て方が悪いのかな…」と、どんどん自信を失っていきました。
そんなある日、児童館の先生が「イヤって言ってる子に『今はイヤなんだね』って共感してあげるだけで、意外と落ち着くこともありますよ」と言ってくれたんです。
試しにそのアドバイスを実行してみました。
玄関で「靴履かない!」と座り込んだ息子に、「そうか、今は履きたくないんだね。ママはここで待ってるよ」と伝えて、そのまま座って待ってみたんです。
すると数分後、自分で靴を持ってきて、「これ、履く」と一言。
びっくりしました。
それ以来、「泣いてるから止めないと」ではなく、「今は気持ちが爆発してる時なんだな」と思って、少し距離をとるようにしています。
子どもの感情が落ち着くまで待つ。これって、大人にとっても大事なことかもしれません。
我が家のリアル:夫婦で乗り切るイヤイヤ期
パパにも「任せる勇気」を持つ
イヤイヤ期が始まったばかりの頃、私はすべての育児を自分ひとりで抱え込んでいました。
「パパは頼りにならない」「結局私がやらないと回らない」って、どこかで思い込んでいたんです。
たとえば、息子が着替えを嫌がって泣いているとき、夫が「じゃあこれ着ようか〜」と軽いテンションで声をかけても、私は「そんな言い方じゃ余計に泣くでしょ!」とイライラ。
夫に任せるどころか、むしろ“余計なことしないで”って態度をとっていたように思います。
でもある日、ついに限界がきました。
朝から何度もイヤイヤが続き、私の声も顔もこわばったまま。涙が出そうになるのをこらえながら、「ちょっと…外、出てくる」とだけ夫に告げて、5分間だけ近所のコンビニに逃げたんです。
帰ってくると、息子はなんと、ニコニコしながら靴を履いているではありませんか。
「どうしたの?」と聞いたら、夫は「いや〜なんか“パパと探検ごっこ行く?”って聞いたら、ノリノリで準備してくれてさ」と笑っていて…。
そこでようやく気づいたんです。
私とは違うやり方でも、ちゃんと子どもは応えてくれる。
完璧じゃなくても、私じゃなくても、子どもは育つ。
そして、私自身も“ママ業”を少し手放していいんだ、って。
それ以来、夫に「お願いね」と任せる勇気を少しずつ持てるようになりました。
夫婦のコミュニケーションもカギ
とはいえ、頼れるようになるまでは試行錯誤の連続でした。
私がイライラしているとき、夫は気を遣って静かにしてくれていたのですが、その“沈黙”が逆にモヤモヤを生んだりして…。
ある晩、私はついに泣きながら言ってしまったんです。
「なんで何も言ってくれないの?今日は本当にしんどかったのに…」と。
すると夫は、「俺もどうしたらいいか分からなかったけど、たぶん…一人で抱えてほしくなかったよね」と返してくれました。
そこから、少しずつ「今日どうだった?」「何が一番大変だった?」と、お互いの1日を話すようになりました。
イヤイヤ期って、子どもだけの話じゃなくて、“夫婦の関係性”にも大きく影響する時期なんだなと実感しています。
今では、朝がバタバタしそうな日は前夜のうちに「明日は〇〇があるから朝お願いできる?」と伝えるようになりました。
夫も「分かった、俺が保育園送るよ」と快く引き受けてくれることが増え、以前よりずっと“チーム”として動けている気がします。
私の失敗談:こんな対応は逆効果だった
イヤイヤ期を経験していると、「正解の対応」が何か分からなくなってくることがありますよね。
私も「これが良いって書いてあったし…」と育児書をなぞってみたこともありましたが、現実は思ったようにいかず、感情が先にあふれてしまうこともしばしば。
ここでは、私が実際にやってしまった「今思えば逆効果だったな」と感じる対応を、赤裸々に書いてみようと思います。
恥ずかしいし情けないけれど、もしかしたら同じことで悩んでいる誰かの気持ちをちょっと軽くできるかもしれないと思って…。
1. 「なんでそんなことするの?」と責める
つい、言っちゃうんですよね。この言葉。
「なんでそんなことするの!?」「どうして言うこと聞けないの!?」「意味わかんないよ!」
気づけば、そうやって子どもを責めるような口調になっている自分がいて、あとから自己嫌悪。
とくに記憶に残っているのが、ある日の夕方。
私はキッチンでバタバタと夕飯の支度をしていて、息子にはお気に入りのコップにお茶を入れて渡していました。
少し目を離したすきに、息子がテーブルのお茶をバシャーンとこぼしてしまって…。
思わず大きな声で「ちょっと!お茶こぼしたでしょ!なんでそんなことするの!?」と怒鳴ってしまったんです。
すると、息子はしばらく黙って、目に涙をためながら「だって…こぼれちゃったの…」とポツリ。
その一言で、私は一気に胸が苦しくなって、ものすごく後悔しました。
息子はわざとやったわけじゃなかったんですよね。むしろ、失敗してしまって戸惑っているときに、私は追い打ちをかけてしまった。
「なんで?」と聞くことで、私は“理由”を求めていたつもりだったけど、子どもにとっては“否定された”“怒られた”という印象しか残らなかったんだと思います。
あの日以来、私はできるだけ「何があったのか」を先に聞くように気をつけるようになりました。
たとえば、「びっくりしちゃった?」「お茶、重たかったかな?」など、子どもの視点に寄り添った問いかけに変えるだけで、返ってくる反応もずいぶん変わりました。
2. 感情で怒鳴ってしまう
これも本当に反省していることのひとつです。
ある日、夜ごはんの時間に「今日は疲れたな…」と感じながら食卓についていたんですが、息子は全然ごはんを食べようとしませんでした。
何度か「食べようね」「一口だけでも」と声をかけても「いらない!」「やだ!」の一点張り。
そして、ついにお皿を手でバーンとひっくり返された瞬間、私の中の何かがプツンと切れました。
「いいかげんにしなさい!!」
そう怒鳴った声は、自分でもびっくりするくらい大きくて荒々しくて、部屋の空気が一気に凍りつきました。
息子はフリーズして、黙ったまま涙をポロポロ。
その夜、いつもは「だっこー」と甘えてくる時間になっても、私のそばに来ようとせず、背中を向けたまま寝てしまいました。
私はその寝顔を見ながら、心の中で何度も「ごめんね」とつぶやきました。
怒鳴ってしまったことで、お互いが傷ついてしまったんですよね。
それ以来、私は「怒る前に一呼吸」を意識しています。
もちろん、毎回冷静でいられるわけではないけれど、イラっとした瞬間に一度台所へ行って水を飲む、深呼吸をする、目を閉じて10秒数える——そんな小さな“間”を作ることで、自分の爆発を少し和らげることができるようになってきました。
子どもは感情の鏡だとよく言われます。
私が落ち着いて接すれば、子どもも安心できる。頭ではわかっているけれど、それを実践するのが本当に難しいんですよね。
でも、何度失敗しても、また向き合おうとすることこそが、親としての成長なのかなと思っています。
自分の心を守る工夫も忘れずに
イヤイヤ期は、子どもの成長にとって大切な時期。
それは頭では分かっていても、毎日毎日、全力で向き合っていると、どうしたって心が疲れてしまうものですよね。
泣き声、癇癪、抱っこ、イヤイヤ…
子どもの気持ちを受け止めるだけで精一杯になって、気づいたら自分の気持ちを押し込めたまま1日が終わっている。そんな日も、きっとたくさんあると思います。
でも、私がイヤイヤ期を通して一番感じたのは、「自分の心を守ること」って、子どものためにもすごく大事だということ。
ママの笑顔が減ってしまうと、家庭全体の空気もどんよりしてしまいますよね。だからこそ、ほんの少しでもいいから「自分を休ませる時間」を意識的に作るようにしました。
ひとりの時間をつくる
正直、24時間“ママ”でいるのって、本当にしんどいです。
ごはんを作って、片付けて、おむつを替えて、寝かしつけて…。何もかもが「子ども中心」で動く日々のなかで、自分の時間なんてどこにもない。
だから私は、思い切って「ひとりの時間を持つこと」をルールのように取り入れるようにしました。
具体的には、週に1回、夫に子どもをお願いして、近所のカフェへ1時間だけ行かせてもらう時間を作っています。
スマホで好きな音楽を聞いたり、読みかけの本を読んだり、ただぼーっとしたり…。たったそれだけのことなのに、心がふっと軽くなるんです。
はじめの頃は「子どもを預けるなんて申し訳ない」と思ってしまって、なかなか踏み出せなかったのですが、実際にやってみて思ったのは「私、ずっと我慢してたんだな」ということ。
“リフレッシュしたママ”は、やっぱり子どもにも優しくできます。
心に余裕が生まれると、「イヤ!」と言われたときの受け止め方も変わってきますし、自分を責めることも少なくなりました。
たった1時間、されど1時間。
「ママ」をいったん脱ぎ捨てて「自分」に戻る時間は、心のガソリン補給みたいなものかもしれません。
同じ悩みを共有できる場所を見つける
もうひとつ、私が助けられたのは「同じように悩んでいる人がいる」と知ることでした。
たとえば、児童館で会ったママが「昨日、うちの子も靴履かないって30分玄関で泣いててさ〜」と笑いながら話してくれたとき。
思わず「えっ、うちも!」と声をあげてしまったくらい、安心したのを覚えています。
SNSもかなり助けになりました。
夜中に寝かしつけが終わって、ひと息ついたときにインスタで「#イヤイヤ期」と検索すると、そこには全国のママたちの共感の嵐が…。
「わかりすぎて泣ける…」とか、「これ、今日の我が家じゃん!」と思う投稿がたくさんあって、夜中にスマホを見ながらひとりで笑ったり、時には泣いたりもしました。
特にしんどかったのは、子どもと1対1でいる時間が長くて、会話の相手がいないとき。
大人と話す時間がなくなると、自分の思考もどこか偏ってしまいがちで、「私が悪いんじゃないか」「育て方が間違ってるのかも」と、どんどん自分を追い詰めてしまっていたんです。
でも、「みんな同じように悩んでる」「イヤイヤ期に“完璧な対応”なんてない」と知ることで、ほんの少し心が軽くなりました。
まとめ|「イヤイヤ」も愛しい時間に変えられる
イヤイヤ期は、子どもが「自分らしく生きていく力」を育てる大切な時期。
でも、親にとっては試練の連続でもありますよね。
大切なのは、子どもの感情と向き合いつつも、自分の心もちゃんと守ること。完璧じゃなくても、ちょっとした工夫や心がけで、日々は少しずつラクになります。
今日の記事が、あなたの毎日にそっと寄り添えるヒントになればうれしいです。
もし今、心がくたびれていたら、まずは一息ついて、「がんばってるね」って自分を褒めてあげてくださいね。